Moonな日々(後編) 投稿者: スライム
2日目 DANGEROUS (WO)MAN

声「ほら、起きなさいよーっ」
浩美「ん・・・」
誰だ、一体っ!
声「起きた?」
浩美「っえ!?・・・な、長森っ!」
長森「どうしたの?」
浩美「お前、ここA棟だぞ。・・・どうやって来たんだぁ!」
長森「あっ!そういえば・・・。習慣ってすごいね〜☆」
・・・。
おそるべし、長森瑞佳さん。
オレを起こすためなら瞬間移動も可能なのかっ!
浩美「まあ、いいや」
あれ?
そういや、昨日いた同居人がいない。
・・・あるのは書置きだけで、
『おはよ。MINMESと札書きされた部屋に行くように』
と書かれていた。
ミンメス?
長森「ところで浩美。言葉使いが戻ってるよ」
浩美「おほほほ。わたくしとしたことが」
長森「・・性格違うよ」
しかし、あの少年がいないのは好都合だ。
ワープしてきた長森もいることだし・・・。
浩美「携帯・・・ありますぅ?」
長森「はいっ」
ポケットから携帯電話を取り出し、オレに渡す。
さっそく、この建物の外にいるはずの七瀬にかける。
トゥルルルル・・・・・・・。
浩美「もしもし。浩美だけど・・・」
電話「・・・・・・・・」
浩美「もしもしっ!」
電話「・・・・・・・・」
浩美「お〜いっ!!」
確かに電話はつながっている。
あっ!!
そうか無言電話か。
・・・・・ってかけてるのオレだよ。
長森「どうしたの?・・出ないの?」
黙ったまま電話を長森へ渡す。
長森「もしもし?・・・・あ、澪ちゃん」
なぁんだ。
澪だったのか。
全く、応答しないわけだ・・・。
長森「うん。まだ里村さんとは会ってないけど、ここまでは順調だよ」
・・・というかっ!!
だからどうやって話してるんだよ!
長森「澪ちゃんと七瀬さんの方は?・・・・・うん、とりあえず里村さんに確認してからだよ」
う〜ん。
さっきの瞬間移動といい、この澪と会話できる能力・・・。
長森、実はエスパーぁ!?
そうだ、そうに違いないっ!
長森「浩美ぃ」
エスパー長森・・・・いや、エスパー瑞佳のほうが格好いいかな?
いや、サイコキスト瑞佳のほうが・・・
長森「こーへい!」
浩美「うおっ!・・・何?」
長森「何か話すことある?」
浩美「お嬢ちゃん、今はいてるぱんつの色は?って訊いて」
長森「・・・はぁ、本当に心配だよ。浩平の将来・・・」
・・・・・。
電話は長引きそうな雰囲気だったので、長森を残して部屋を出た。

オレは書置きにあった通りMINMESという部屋を探していた。
『不可視の力』・・・
FARGOの信者たちが操ることができる、超能力みたいなもの。
長い修行の果てに得られる力だそうだ。
今回のFARGO潜入の目的の一つに『不可視の力』の習得がある。
『不可視の力』を手に入れ、その後に壊滅させる。
・・・そのために、可能かどうか茜に先に入ってもらっているんだ。
もし習得が困難なら、すぐに潰せばいい。
・・・・・。
『MINMES』と書かれた部屋に辿り着き、中に入る。
真っ暗な部屋。
そして床に走る紋様・・・。
幾何学的な図形が、ぼぅっと浮かび上がっていた。
声「A−13だな」
声が壁から聞こえた。
適性検査のときの、あの『声』ではない。
浩美「はい」
声「では部屋の中央に立って」
浩美「待って・・・なんなの・・これ・・」
声「神の力を手にするための訓練だ。直接精神に負荷をかけ、抵抗力の増強を計る」
オレは部屋の中央、光の紋様の中心に立つ。
・・・『不可視の力』を手に入れるために。
声「それでは第1段階を始める」
ぐううぅぅぅん・・・
何かが動き出す。
これがMINMESと呼ばれる機械の作動音・・・。
かたかたかた・・・

どこ・・ここ・・・
いつのまにこんな場所に立っているのか・・・
いつからこんな場所に立っているのか・・・
オレしかいない。
オレ以外になにもない。
いや、あった・・・・・扉が。
ノブに手をかけ、それを開く。
開かれた扉から、光があふれ出した。
そのままオレは真っ白な光に包み込まれる。
そして世界は、白くなったのだ。

あれ?・・・
・・・お兄ちゃん
みさお・・・
みさお!誕生日、何欲しい?・・・
・・・え!お兄ちゃん、プレゼントくれるの?
とくべつだぞ・・・
・・・え〜とね、みさおね、ナマケモノさんのぬいぐるみが欲しい!

浩美「はぁっ・・」
意識が戻った。
いや、大体にして意識など失っていたのだろうか。
声「・・・以上で第1段階終了」
痛い・・・。
心が痛い・・・。
なんだったか、思い出せない。
浩美「・・・・・」
とにかく疲れた。
その後の日程の説明を軽く聞き流し、オレは部屋を出た。

 Moonな日々−U−(前編)へつづく

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いや〜、スライムです。
澪『話ぜんぜん終わらないの』
はじめは、さっさとFARGO潰して終わる予定でした・・・。
まあ、それじゃあ味気ないんで・・・浩美に『不可視の力』の修行をしてもらうことにしたんですよ。
澪『なのなの』
というわけで、しばらくお付き合い下さい。
澪『よろしくなの』
では、感想です。
澪『感想なのなの』

・天ノ月絋姫さま
 茜・・・・・わがままで良いですね。ところで店長、よく生きていますね〜(笑)

・ここにあるよ?さま
 1時間以内に多く食べた人が勝ちなら大食いでは?
 私は大穴で茜・澪ペアが勝つと見たぁ!

・KOHさま
 う〜ん、あいかわらず七瀬は悲劇のヒロイン(笑)
 ギャグ、落ちに使いやすいですよね(^^;

それでは、またお会いしましょう!
澪『なの』