悪あるところに必ず正義あり 投稿者: スライム
今日も光が大地を照らす♪
悪の闇から守るため〜♪
来たぞ!来たぞ!来やがったぞ!!
正義の偽善者、我らの敵(かたき)♪
偽善の力で悪と戦う〜♪
人質取られても常に見殺し♪
日常茶飯事仲間割れ〜♪
そうだ!奴らが電子レンジャー!!

(電子レンジャーの歌 作詞・曲・歌/hige 発売元/株式会社 髭)

第一話 さらば電子レンジャー (脚本・構成/椎名繭 監督/川名みさき)

時間(とき)は2221年。
人類は飛躍的な科学の進歩により、銀河の外に足を踏み入れていた。
だが同時に異星人の侵攻に恐怖していた。
度重なる異星人の侵攻に多国籍軍の軍事力も底をついていたのだった。
なおも続く侵略、侵攻。
『国破れて山河あり』状態で、街は自然に帰っていった。
しかしっ!
天は我らを見捨てなかった。
悪あるところに必ず正義あり。
正義のヒーロー、電子レンジャーが地球上の悪を一掃したのだ!
戦え!電子レンジャー。頼むぞ、電子レンジャー。

「今日も良い天気だ」
ミラクルハイパーネオ東京(略してミハネ東京)の高層ビル街に、空を見上げる男がいた。
彼の名は折原浩平。
実は電子レンジャーレッド。
この世界の英雄(ヒーロー)、電子レンジャーのリーダーなのだ!
「はははっ。金に権力に女、何でも思い通り手に入る。ヒーローに万歳だなー」
彼ら電子レンジャーは地球の危機を救った報酬に贅沢三昧な生活をしていた。
・・・ここに偽善者と呼ばれる由縁があった。
しかし、人々はそれでも電子レンジャーに頼るしか道がないのであった。
Pi・・・。Pii・・・。
「もしもし、レッドだ」
「かねづるだよ、じゃなくて大変だよ。浩平」
「敵か?長森」
「うん。生卵星人が侵攻してきたんだって」
「よし。全員に召集をかけろ!、いつも通りハチ公前に集合だ」
「わかった」
Butii・・・。
「報酬が楽しみだな・・・」

10分後、ハチ公前。
「みんな揃っているようだな」
『生卵星人はバチカン市国に降りたみたいなの』
「遠いよ?どうするの、浩平」
『困ったの』
「・・・最低でも5時間はかかります」
「読みが甘いな。ある程度暴れた後の方が俺達のありがたみがわかるじゃないか」
「・・・なるほど」
『さすがなの』
「遠い方が好都合と言う訳ね」
「うお!七瀬。いつの間に・・・」
「最初からいるわっ!」

電子レンジャーがバチカン市国に着いたのは、それから6時間後のことだった。
街はなま卵でどろどろ状態であった。
「醤油を持って来れば良かったな」
「同感」(『同感なの』)
浩平のつぶやきに応じる4人。
街の人達の安否を気遣う気配はまるで無かった。
少し進んだ先に生卵星人が彼らを待ち構えていた。
「変身するぞ!みんな」
Pikaaan!
どこから差し込んだか光が一筋。
どこにあったか岩山の頂上でポーズを決める5人組。
「電子レンジャー、レッド。ここに参上!」
「同じく、パープル。ここに推参」
「同じく、スカイブルー。さわやかに見参!」
「・・・ぐんじょういろ。嫌々登場」
『同じく、蛍光ピンク。月に代わってお仕置きなの』
(・・・・・・。)
変身して何が変わったかは不明だが、その間に生卵星人に囲まれていた。
「多勢に無勢とは・・・。卑怯な」
「浩平〜、じゃなくてレッド!囲まれたよ」
「先手必勝!身近な奴から各個撃破だ」
Bufuu!Baki・・・!Dogaaa!!
レッドの肘打ちから裏拳、飛び膝蹴りの3ヒットコンボが炸裂!
・・・七瀬に。
「ぐふっ。・・・何するのよ!」
「すまん。ちょっと似ていたもんだから・・・」
「どこが似てるのよ!卵に手と足と顔が付いたような奴らと!」
「悪かった。今のは俺が悪かった。許してくれ、へどろ色」
「スカイブルーよ!!」
そうこうしているうちに、生卵星人達が囲んでいる輪を縮めてきていた。
「・・・やられますよ」
「しかたない。最終奥義だ!」
5人の気合いが高まっていく。
唸る大地。荒れ狂う大波。宙に浮く岩の破片。
「戦闘力3000、5000、8000、・・・そんなバカな」(生卵語です)
「くらえ!電子レンジャー最終奥義、回転加熱六連!!」
生卵星人たちがまるで電子レンジに入っているかの如く、回転しながら加熱されていく。
え?
なまたまご?
「・・・普通こういうときには使わないものです」
案の定・・・
Dooooooooooooooooon!!!!!!!

こうして地球は救われた。
電子レンジャーと生卵星人との相打ちという形で。
ありがとう、電子レンジャー。さらばだ、電子レンジャー。

     おわり

(なま卵を電子レンジに入れると大変危険です。良い子のみなさんは真似をしないでね!)

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初めまして。初投稿のスライムです。
みなさんの執筆ペースの早さには驚きです。
私では週1が限度ですね。
今回はギャグ(死語?)だったので、次はシリアスにいきたいです。
では、また来世〜。