天使の翼 投稿者: しーどりーふ
通いなれた校舎が見えてくる。
いつもと同じことをいつものように、
春の日差しがやさしく微笑む中、
一歩一歩校舎に向かって歩く。
これが私の日常。
・・・毎日毎日繰り返す。

始業の鐘が鳴る。
黒い板に白い文字が描かれる。
皆、一斉に同じ文字を書き始める。
かちゃかちゃ・・・。
今度は皆、一斉に赤いペンを取りだす。
黒板に書かれた赤い文字を赤いペンで写してゆく。
みんなみんな同じ事をしている。
・・・繰り返される日常。

ふと窓の外に目をやる。
薄くて白い雲が青い空を流れて行く。
風に乗って・・・どこまでも。
私もあの風に乗れるかな?
・・・翼を広げて。

じっと窓の外を見て暇な時間をすごす。
そんなことをしていると授業はあっという間に終わる。
皆が立ち上がり前に立つ者に対し礼をする。
・・・いつまでも続くと思ってた日常。

昼休み。
鞄から取り出した弁当箱を見つめる。
あの人と一緒にお弁当食べた思い出。
楽しかったな・・・。
「七瀬さ〜ん、一緒に食べようよ」
この人は憶えていないのだろうか。
大事な人の存在を。
・・・ほんの少し歪みが生じた日常。

「起立!礼!」
今日のここでの日常が終わった。
・・・ふと、すぐ後ろの席を見やる。
誰もいない机と椅子。
唯一残されたあの人が存在した証拠。
でもこの証拠からあの人がいた事に気づく者はいないだろう。

幸せとは失ってから気づくもの。
だから、その時を一生懸命生きなきゃいけない。
一生懸命輝かなくちゃいけない。

自分の持つ翼を信じて。
自分の持つ翼を広げて。

いつまでも、どこまでも。
高くそして遠くまで飛んで行こう。
あなたがいなくなっても、わたしは飛ばなければ・・・。

だけど、失った季節を思い出すと涙が止まらない。
あなたの言葉、仕種・・・そしてあなたの笑顔。
そんなことを胸に秘め、あなたを探して飛び続ける。
でもね・・・、1年という時は長すぎるよ・・・。

「もう、飛べないよ・・・もう、羽が痛いよぉ・・・」

早く帰ってきて・・・浩平。

@@@@@@@@@@@
ちわっす、しーどりーふです。
これ、今考えると七瀬じゃなくてもよかったかなぁ。
でも今週は『七瀬すぺしゃるWeek』だし(なんだそれ?)
そうだ!来週は『茜すぺしゃるWeek』ってのはどうだろうか?
だめ?え?しーどりーふは茜ネタがもう無い?
くそ!最後の最後に落とし穴が待ってるとは・・・。