虹の向こうへ 投稿者: しーどりーふ
雨。
もうどれだけ降り続けているのだろう。
いつまで降り続けていられるものなのだろう。
やむ気配は・・・ない。

自分。
もうどれだけここにいるのだろう。
いつまでここにいるのだろう。
もう・・・わからない。

涙。
もうどれだけながしたのだろう。
いつまでながすことができるのだろう。
そう・・・かれるまで。あの日を忘れるまで・・・。

12月。
クリスマス。
ぼくはみさおの病気がよくなることをサンタさんにお願いした。
いっぱいいっぱいお願いした。
おかあさんが少し悲しい顔をした。

正月。
白い部屋。
何もない部屋。
こんな静かなお正月ははじめてだ。
みさおもおかあさんも少しやせた気がする。
このとき、雨が降っていたのを今でも覚えている。

3月。
みさおの誕生日。
白い部屋でささやかなお祝い。
おかあさんは先生のところにいったまま帰ってこない。
なにか話が長引いてるようだ。

「ちちおや参観日にしようよ、今日・・・」

「はぁぅっ・・・くるしいっ・・・くるしいよ、おにいちゃんっ・・・」

みさおの最後を僕はみとどけた。
なにもできない自分が情けなかった。
なにかしてあげたかった。
自分の無力さを知った。
兄として。・・・なにも、・・・できなかった。

ずっとみさおといられると思っていた。
そう。ずっと、ずーぅとだよ・・・。
なんでだろう。
なんで・・・。
なんで身体がふるえるんだろ。
なんで目が熱くなるんだろ。
なんで涙がでてくるんだろ。
・・・なんでみさおはいなくなったの?

僕はこの町を去った。

4月。あの子にあった月。
「僕、青が好きなんだ」
「なんで?」
「晴れた空の色だから」
・・・雨はきらいだから。
「ふーん」
「みずかは?」
・・・・・・。

今。
あの子と仲良くなった。
あの子と一緒にいると楽しい。
でも、思い出す。雨の日はいろいろと・・・。

ひとりが恐い。
ひとりでいると恐い。
狂ってしまいそうで。
またこの場所に来た。雨の中。
いつもあの子と遊んでいる公園。
2人で遊ぶブランコ。
キーコ。キーコ。キーコ。

いるわけないのに・・・。

ころころ・・・。
手のうえでころがしてみる。
舌をぺろぺろ出すかわいいカメレオン。
みさおにあげたプレゼント。みさお、うれしそうだったな。
「う、ううっ・・」
どうしてそれを僕がもっているんだろ。
どうして、どうして、どうして、どうして・・・・。
涙が雨とまざりあう。
雫。地球の引力に引かれ、・・・落ちていく。

「かぜひいちゃうよ」
「え?」
雨のカーテンの向こう側、赤い傘が見える。
「みさお?」
みさおだ。
赤い傘。降り止み始めた雨のなかに浮かび上がる。

「みさお・・・」
「なに言ってるの?かぜひくよ!」

みさおはいないんだ。もういないんだ。

「うん・・、ごめん。ありがとう・・・、みずか」
「もう!どうしてあんなところにいたの?」
「・・・みずかと遊びたかったから」

・・・だれかに会いたかったから。
・・・妹に似たきみに会いたかったから。
・・・でも似ているだけだから。・・・でもうれしかった。

雨はやんだ。

「あっ、虹!きれいだよ!」
前、住んでいた町の方だ。
「・・・うん」
この虹を渡っていけばあの町に行けるだろうか?
・・・あの頃に帰れるだろうか?

@@@@@@
どーも、しーどりーふです。
はじめてこんなのかきました。どうでしょうか?
みさおの誕生日は3月ですよね?間違っていたらごめんなさい。
そうだ!そういえば偽善者Zがなんかすごいの書いてるみたいです。(話飛びまくり)
たのしみだなぁ。ではでわ。