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注意:この話を読む前に、夏の日@〜Bを読んで下さい。りーふ図書館にあるはずです。
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プールの近くにある喫茶店「MANAMI」は若い夫婦が経営する感じの良い店だ。なんでも店の名前は奥さんの名前からとったとか。
「いらっしゃいませ」
浩平と瑞佳の二人が店に入ると、髪の短いバイトの女の子がやって来て、二人を空いている4人席に案内した。二人は向かい合うように席に着く。
「ご注文がお決まりになられましたら、お呼びください」
女の子が行ってしまうと、さっそく二人はメニューをひろげて何を食べようか選び始める。
「うーん、何にするかな・・・長森はどうする?」
「そうだね、私は・・・キノコのリゾットにしようかな」
「・・・長森、それはやめとけ」
「え、なんで?」
「いいからやめとけ、嫌な予感がするから」
「うーん、それじゃそうするよ」
浩平は窓の外を上機嫌に歩いていく長い黒髪の女性から目をそらした。
「よし、俺はミートスバゲティだ」
「私はシーフードスパゲティにするね。あと、バニラアイスもつけようかな」
そして浩平がウエイトレスを呼ぼうと、店の中に目を向けたとき、入り口の所に見覚えがある2人組を見つけた。
「あれ? あれって里村さんと柚木さんだよね」
瑞佳の言葉に浩平はうなずく。確かにそこに立っているのは茜と柚木だった。二人とも浩平と瑞佳と同じように水着の上から上着を羽織った格好だ。
「おーい、茜! 柚木!」
その声に気がついた二人は浩平達の席まで歩いてくる。そして柚木が机を挟むようにして座っている浩平と瑞佳を見比べた後、口を開く。
「どうしたのよ、折原。もしかしてデート? だったら邪魔しちゃ悪いかな?」
「・・・おい、そんなこと言いながらもう勝手に座ってんじゃないか」
「なによ、ダメなの?」
「いや、別にかまわないけどな」
柚木は瑞佳の隣。茜は浩平の隣にちょこんと座る。
二人はそれぞれメニューを見て自分の好きな物を選んで、浩平たちと一緒に注文した。
「んで、やっぱりお前らも暑さに耐えかねてプールにきたんだろ?」
浩平が口に氷を含みながらしゃべる。
「うん、それもあるけど・・・ほら、今年から新しくできたプールあるじゃない、それにきたのよ」
「へ? 新しいプール?」
「あれ、知らないの? 敷地内の一番奥にあるんだけど」
「全然しらん」
「あ、そうなんだ。じゃ、後で行ってみない? 私たちもこれから行くところだったんだ」
「うーん、そうだな。行ってみるか。いいよな、長森?」
浩平が話をふると、さっきから茜とバニラアイスについて熱く語り合っていた瑞佳はうんとうなずく。
「それじゃまずは腹ごしらえだな。そろそろ注文が来てもいい頃・・・」
浩平がそこまで言ったところで、タイミング良く注文したものが運ばれてきた。
テーブルの上に置かれていく皿をみていた浩平は、ふと、茜の前に置かれていく料理に気になり口を開けた。
「あ、茜・・・お前それ一人で食べるのか?」
「・・・はい」
ショートケーキにチーズケーキ、チョコケーキにアップルパイ、抹茶ムースにヨーグルト、様々な色のアイス数種にミルクセーキとオレンジジュース・・・。
「一体どこに入っていくんだよ・・・」
「甘い物は入るところが違うんです」
「・・・・・・」
げんなりとした三人の視線をものともせず、茜は本当に全部を食べきったのだった。
続く
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静村 「・・・・・・・・・・・・」
郁未 「・・・・・・・・・・・・」
静村 「あれ、郁未さんじゃないですか」
郁未 「・・・何が”郁美さんじゃないですか”よ! あんた一体今まで何やってたの!」
静村 「・・・まあ色々と・・・」
郁未 「へぇー、そんなに何ヶ月もかかるものなの、その「色々」ってものは?」
静村 「いや、一個一個はそれほどでもないんだけで、結構たくさん重なっちゃったもんで」
郁未 「・・・それ、いいわけでしょ?」
静村 「うん」
郁未 「・・・・・あんたねぇ」
静村 「いや、だって、ほら、ゲームやったり、漫画読んだり、小説読んだりしてるといつの間にか時間がなくなっちゃうんだよ」
郁未 「だからって連載物抱えてるのにこう何ヶ月間も休んでいいと思ってるの!? もうあんたのことなんてみんな忘れちゃってるんじゃないの?」
静村 「うーん、そういえばこのSS、確か書き始めが夏の始めで最後にアップしたのが8月中だったような・・・」
郁未 「・・・もう2ヶ月近く話が止まってるんじゃない・・」
静村 「あはは、ほんとだね。「夏の日」って題名なのに、もう秋すぎて冬になりそうだし」
郁未 「笑い事じゃないでしょ!」
静村 「一応話は全部できあがっていて書くだけなんだけどね。今回も本当はラストまでいっちゃうつもりだったんだけど」
郁未 「じゃ、なんで書かないのよ」
静村 「・・・郁美さん、それは聞いちゃいけない約束だよ・・・」
郁未 「私はあんたとそんな約束してないわよ」
静村 「・・・郁美さん、よく思い出してみてください。本当に約束してないですか?」
そういって静村は懐からなにやら用紙を取り出す。
そこに印刷されているのはどこかで見たような郁美の○○○な画像だった。
郁未 「な、それはっ」(赤面)
静村 「いや、前回MOON.をやってるときにちょっと画面を取り込んで印刷しちゃったんだ」
郁未 「・・・・・・・(不可視の力で殺っちゃおうかしら・・)」
静村 「おおっと、不可視の力は使わない方がいいよ。僕にもし何かあったときは仲間がこの画像を手あたり次第にメールで送りつけることになってるからね」
郁未 「・・・・この外道」
静村 「何か言った?」
郁未 「・・・・・・いえ」
静村 「うん、よろしい」
郁未 「それにしても・・・このあとがきの書き方って藤井 勇気さんのあとがきのマネじゃあ・・」
静村 「う、痛いところをつくなぁ・・。でもそうだね、実際、藤井 勇気さんのに影響されて書いてるからなぁ」
郁未 「まずいんじゃない?」
静村 「うー、どうかなぁ。藤井 勇気さん、どうでしょうか。もし気に入らなかったら申し訳ありませんです(ぺこり)。ほら、お前も頭下げて」
郁未 「何で私まで・・・・」
静村 「ほら、いいから」(ぐいっと郁美の頭を押さえつける)
郁未 「うう・・・・(いつかほんとに殺ってやる!)」
静村 「さて、それじゃそろそろここらへんで・・・」
郁未 「あれ? 感想は?」
静村 「・・・・申し訳ございません!」(がばっとひれ伏す)
郁未 「え?」
静村 「実は感想を書く余裕が今の私にはないんです。全員はとても無理だし、かといって特定の人だけにというのもなんですし・・・。全部の作品はちゃんと読ませてもらっています。ちょっと読むのがここのところ遅れ気味ですが・・」
郁未 「ほんと、あんた駄目ね・・・」
静村 「本当にすいません。みなさんとっても面白いです」
郁未 「まったく、しっかりしないと。で、次回はそんなに待たせないんでしょうね」
静村 「うん、そのつもり。せめて本格的な冬になる前には終わらせます」
郁未 「ちゃんとやりなさいよ」
静村 「わかってますって。それじゃ、みなさん、またお会いしましょう〜」
郁未 「またね〜」