地元紹介記 投稿者: 静村 幸
 浩平達は東海地方、静岡県の県庁所在地、静岡市にやって来ていた。

浩平「・・・なぜだ?」
瑞佳「やだなぁ、浩平忘れちゃったの? 学校の宿題でいろんな地方の事を調べる事になったんじゃない」
浩平「そうだったか?」
瑞佳「そうだよぉ」
浩平「そうか・・・」

 静岡、そこは有名なお茶の産地である。全国生産量1位。静岡といえばお茶と言われるほど有名だ。

浩平「・・・なんか地味だな」
みさき「浩平くん、お茶にはカテキンという成分がたくさん入ってて、カテキンはガン予防になるんだって」
瑞佳「へー、川名先輩物知りですね」

 ・・・なぜ学校の宿題に卒業したはずのみさき先輩が参加しているのか。それは永遠の謎である。

浩平「他になんか有名なものってあるのか?」
瑞佳「えっとね、お隣の清水市ではバラの生産量が日本一なんだって」
浩平「・・・それって有名なのか?」
瑞佳「・・・・・・・・・・」
澪『それは言っちゃいけない約束なの』

 実際、静岡にはこれといった特産品はお茶ぐらいしかない。ミカンなど果物も多く収穫されるが、他県に日本一を奪われて久しい。

瑞佳「あ、浩平ここ行ってみようよ」
浩平「ん、どこだ?」
瑞佳「ここだよ、『登呂遺跡』だって」

 瑞佳がガイドブックに指さした「登呂遺跡」とは、弥生時代の土器などの出土した場所である。
 どんな社会科の教科書にも一度は出ているはずなので、もし手元に社会、歴史の教科書があったら見てみるのもいいかもしれない。

浩平「で、やって来てみたが・・・」
七瀬「何もないわね・・・」

 実際の登呂遺跡には本当に何もない。復元された『たて穴式住居』というわらぶき屋根の家と『高床式倉庫』という倉庫が2個ずつ、それに博物館が一つあるだけだ。

瑞佳「あ、ほら、浩平鳩だよ!」
繭「みゅ〜♪」
浩平「そんなに鳩がめずらしいか?」

 一般的な公園とほとんど変わらないので鳩がこれでもかというほど集まってきている。これはどこの公園でも同じだろうが。

浩平「長森、飽きたぞ。なんか他に行く場所はないのか?」
瑞佳「うーんとね、あ、それじゃここなんてどうかな?」
浩平「どれどれ・・・『久能山』?」

 久能山。その頂上には徳川家康が祭られている「久能山東照宮」がある。しかし作者はそこに行ったことがなかった。
 また、久能山のふもとでは「石垣イチゴ」がつくられている。岩を積み重ねた「石垣」の間からイチゴが生えていて、1回500〜1000円程度で食べ放題のイチゴ狩りをやっている。

みさき「おいしいよ浩平君!」
茜「・・・おいしいです」
七瀬「あ、おいしい、これ」
澪『おいしいの』
瑞佳「ほら、スケッチブック汚れるよ。そんなにあわてて食べなくてもなくならないから書くか食べるかどっちかにしようよ」
浩平「・・・いや、なくなるかも」
みさき(ぱくぱくぱくぱく)
瑞佳「・・・・・・・・・・」
繭「みゅ〜♪」

 この後、一生懸命育てたイチゴが全滅してしまった農家の人がどうなったのか、知る者はいない・・・。

浩平「さて、次は・・・」
瑞佳「どうしようか? おもちゃ工場とかあるよ?」

 おもちゃ工場。それは日本がほこる(?)田宮模型の本社だ。ミニ四駆やRCカーで有名だ。桃太郎電鉄では「静岡のおもちゃ工場」として売買されている。

浩平「うーん、そろそろ休憩にしないか?」
みさき「そうだね、それじゃどこかで何か食べようよ」
浩平「さっきイチゴをあんなに食べたのに・・・」

 休憩場所として浩平達が選んだのは町中にある小さな茶屋だ。

浩平「あれ? メニューがないぞ?」
店の親父「すいませんねぇ、うちは1品しか置いてないんですよ」
浩平「へぇ、それじゃその1品しかないやつ、もらえますか」
店の親父「はい、それじゃ・・・」

 店の親父はおろむろにお茶を入れだした。時間を掛けてゆっくりと。そしてしばらくしてお茶とお茶うけにようかんが浩平達にだされた。

浩平「こ、これだけ?」
店の親父「はい、これだけです」
浩平「なんか、期待はずれだな・・・」
茜「・・・でも、とってもいい匂いです」
みさき「うん・・・私お茶好きだからよく飲むけど・・こんなにいい匂い初めてだよ」
浩平「それじゃとりあえず飲んでみようかな・・(ずずずずっ)」

 全員しばらく沈黙。

浩平「う、うまい!」
瑞佳「おいしいよ!」
茜「・・・おいしいです」
みさき「すごいよ、こんなの飲んだことないよ!」
七瀬「(呆然)」
澪『おいしいの!』
繭「みゅ〜♪」
店の親父「ふぉっふぉっふぉ」

 この店は静岡のお茶のなかで特に厳選したものを、完全な入れ方で入れてくれるという店だった。1番茶、2番茶、3番茶とお茶うけがついて600円ほどだ。実在する。

浩平「なんか・・・心があったかくなるな」
七瀬「何似合わないセリフ言ってんのよ・・・まあ、わからなくもないけどね」

 お茶に親しんでいる静岡人でもびっくりするおいしさである。

瑞佳「あ、もうこんな時間だよ。そろそろ帰らないと」
みさき「それじゃおみやげ買いに行こうよ」

 静岡の土産物。食べ物に限って言えば3つほど上げられる。(それ以外に思いつかない。あるんだろうけど)

茜「・・・やっぱり静岡といえば『うなぎパイ』です」
みさき「『安倍川もち』これにしよかな?」
澪『ひよこが可愛いの』

 茜が選んだ「うなぎパイ」。説明のいらないほど有名である。しかしこれは静岡市の特産品ではなく浜松市の特産品だ。
 みさき先輩が選んだ「安倍川もち」。とにかくうまい。柔らか餅ときなこがグッド。静岡に来たらぜひ食べて欲しい。
 澪が選んだのは「こっこ」。パッケージが黄色の上ひよこの絵が描かれている。中身は卵をたっぷりと使ったスポンジケーキにクリームが入っている。茜が喜びそうなお菓子だ。しかしどこかで見たような感は拭えない。

みさき「静岡っておいしいね」

 結局全部のお菓子を大量に買い込み、帰りの電車の中で食べるみさき先輩がこの旅を一言でまとめるのだった。



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 ども、3週間近くご無沙汰していた、静村 幸です。
 夏の日の続編(覚えている人、いるのか?)は書きかけですが、ちょっと何か投稿したいな、と思ってこれを書きました。
 が、・・・・いいのか、これ?
 「浩平達がもしこっちの世界の地元に遊びに来たら」って感じで書こうと思ったのですが、何故か地元紹介になってしまい、もう開き直って完全に地元紹介にしました。(爆)
 しかし、何も資料を見ずに、自分の記憶だけで書いたので間違っているとこもあるかも・・・。
 もうどうしようもないですね。
 もし目障りでしたら除去します。みなさんの反応をしばらく見させてもらいます。

 さて、感想を書こうと思いましたが・・・
 私には3週間分の感想を書く度胸も気力もないので、すいませんが割愛させていただきます。
 一応全部読んでいるんですが、やっぱみなさんうますぎです。
 なんか、本当に私が投稿していいのか、悩んでしまいますね。

 それでは、また。                   −BGM_ゆず「ゆずマン」−でした。