これは、チャットルームへ行っても誰もいなかったときに、時間つぶしで書いている即興小説です。(人が来てもそのまま書き続けることが多いけれど・・・)
ほぼ、そのままを再現してあります。
ただし、説明文の所はチャットルームでは[ナレーター]という人物が喋っていることになっています。
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それはとある暑い夏の夜。彼らは肝試しをするべく街のはずれ、山のふもとにある墓地にやってきていた。
浩平「よし、じゃあ ペアと順番を決めるぞ。ジャンケンで負けた奴から順番に2人づつな」
彼らは全部で8人。浩平、住井、長森、茜、みさき、繭、澪、七瀬という構成だ。
全員「ジャーンケーン・・・・」
ぽい、と出した手の中で、一つだけ残してみんなパー。そしてその一つの主はぐっと握った自分の手を見つめながらつぶやく。
住井「俺だけ仲間はずれか・・・」
浩平「気を落とすな、住井。確かにこのメンバーの中でお前だけは浮いているけどな」
七瀬「折原、それじゃ追い打ちじゃない」
住井「いいんだ、七瀬さん。おれはどうせ脇役さ・・・!」
そう言い残すと住井は墓地の中へだっ、と走り去った。
瑞佳「あっ、住井君・・・」
浩平「長森、行かせてやれ。住井は自分の行き場所を見つけたんだ」
瑞佳「何わけかわからないこといってるんだよ!」
茜 「・・・そんなことより早く順番をきめましょう」
浩平「おお、そうだった」
そんなこと呼ばわりされた上に忘れ去られた住井。
もちろん誰も追いかけてやろうなどとは思いもしないのだった。
もう一度ジャンケンを始める彼ら。今度は何事もなく順番とペアが決まった。
浩平「えーと、最初が先輩と瑞佳、次が俺と七瀬。んで次が茜と繭で・・・澪が一人になっちゃったな」
浩平がそう言って繭を見ると、泣きそうな、というよりもう半分泣いていて目が潤んでいる澪が、いやいやと首を振って浩平を見つめている。
みさき「浩平君、澪ちゃんひとりじゃかわいそうだよ」
浩平「そうだな・・・」
七瀬「折原、だったら私たちと一緒につれていかない?」
浩平「よし、そうだな。澪、俺達と一緒にくるか?」
澪 (うんうん)
澪はおもいっきり大きくうなずいた。
浩平「それじゃ決定だ。じゃあさっそく先輩と長森、行ってくれ。この先の山のふもとまで行けばそこに小さな休憩所があるから、そこに集合な。
瑞佳「うん」
みさき「わかったよ」
浩平「じゃあ15分たったら俺たちも出発するからな」
二人はうなずくと、墓地の中へと歩いていく。すぐに角を曲がって、二人の姿は見えなくなった。
しかし、この先に待ち受けている”奴”を彼らはみんな忘れ去っていたのだった・・・。
長森とみさきは墓地の細い道を歩いていた。
瑞佳「うーん、こわいよう。・・・川名先輩は平気なんですか?」
みさき「”みさき”でいいよ。そうだね、私は意外と平気かな? いつもとあんまり変わらないからね」
瑞佳「そうですか・・・。私はやっぱり怖いなぁ、暗いだけじゃなくてお墓だってこともあるし」
みさき「私はお墓にぶつかっちゃうんじゃないかって事の方が怖いかな?」
瑞佳「ふふ、じゃあ手をつないでいきません、みさき先輩。そうすれば二人とも怖くないんじゃないかな」
みさき「いい考えだね」
二人は手をつないで歩き出した。
しばらく歩いていくと、また角がある。そこを曲がってしばらく進めば休憩所だ。
みさき「意外と短いね」
瑞佳「みさき先輩と一緒だからあんまり怖くなかったです」
長森はそう言ってにっこり笑った。しかしまだ敬語が抜けきらないしゃべり方だ。(作者の文章力が足りないわけではない・・・ことを祈る)
しかし、その角には恐るべき刺客が待ち受けていた。
住井(ふふ・・・きたな。おっ、最初は長森さんと川名先輩か。よし、思いっきりおどかしてやるぞ)
住井(思いっきりおどかして・・・・どさくさに紛れて抱きついちゃったりしてな・・・)
住井は男なら肝試しなどで必ず思いつくようなことを、やはり考えていた。
住井はまず、古典的方法として、白いシーツをかぶって待ちかまえていた。それで急に飛び出すつもりのようだ。
だんだんと二人は、住井が待ちかまえる角へと向かってくる。
そしてついに、二人が角を曲がろうとしたその時だ。
住井(しろいおばけ?)「ばあ〜!」
瑞佳「え、え、え、・・・・・・・き、きゃ〜!」
二人の前に立ちふさがった白いものに、瑞佳は悲鳴を上げた。
住井(うし、驚いてる驚いてる・・・)
しかし次の瞬間、長森の手が大きく振りかぶられた。
住井(え?)
瑞佳「いや〜!!」
ばき、といういい音と共に、瑞佳の拳が白いシーツに命中した。それは見事に住井のあごの位置だった。
住井(そ、そんな・・・それは長森さんじゃなくて七瀬さんのキャラじゃ・・・)
−−続く−−
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と、いうわけで途中ですが、ここまでです。
また次にチャットルームに行ったとき誰もいなかったらこの続きを書きます。
それでは。