せつぶん 投稿者:
節分。
鬼を払い、福を招く、日本古来の伝統行事の日。


「節分だわ。」
みさきが浩平君の家でみんなで豆まきするから、「雪ちゃんもおいでよ」って言ってたけど・・・あいつにも誘われてたりするのよね。
・・・・・べ、別にあいつの事なんかどうでもいいんだけど、あいつ、友達少ないみたいだから、あくまでも、クラスメートとして、仕方なく、気まぐれ程度に、行ってあげても・・・い、い、いいかな、なんては思ってるけど・・・。
でも、みさきに言ったら、あることないこと言って冷やかされるのは間違いないわ。・・・絶対。
浩平君の豆まきにちょっと顔をだして、それから、行ってみようかな。

ポロンッ・・・・・。

「・・・・・わかります。」
「え?・・・あなた、確か・・・浩平君と同じクラスの・・・?」
雪見が振り返ると、白いギターを弾いて、茜が立っていた。
ポロンッ・・・・・。
「いつも喧嘩してばかりのあいつ・・・でも本当はその腕に抱かれたい・・・どうして私は素直になれないの・・・。」
ポロンッ・・・・・。
まるで、目に星の輝く少女漫画のナレーションのように、悄々と語る茜。
「なっ!?ななななっなんの事っかっかっかっかっしらっ!?」
誰が見ても、はっきり言ってばればれなまでに動揺する雪見。
ここまで分かり易い人も珍しい。
「では、私は用事がありますので、これで・・・。」
ポロンッ・・・・・。
茜はギターをひと弾きすると去っていた。
「・・・・・はっ!?私、口には出してなかったはずなのに・・・なんで分かるのっ!?」
後に残されたのは、悩み続ける雪見だけだった。



そして、節分当日。
「鬼は〜そと〜、福は〜うち〜。」
浩平の家で、豆まきが行われた。
ぱくぱくぱくぱく・・・。
「浩平くん、福豆って美味しいね。」
「そうだな・・・って先輩、福豆は年の数だけ食べるのが良いんだぞ。」
「それじゃあ少ないよ〜。」
「・・・これは腹をふくらます食べ物じゃないってば。」
いつもと変わらない、浩平とみさきのやりとり。
『おいしいの』
澪もいる。
「みさきったら・・・それじゃ、お嫁のもらい手がなくなっちゃうわよ?」
そのやりとりを見て、笑いながら話す雪見。
普段なら、ここでみさきが「雪ちゃんがいじめるよ〜。」とか言うのだろうが・・・これは、渡り鳥茜ちゃんシリーズである。
「・・・雪ちゃんは、貰い手が決まってるからいいよね。」
思いっきり、にやにやしながら言うみさき。
「なっ!?ななななによ!それはっ!?」
突然のみさきの反撃に慌てる雪見。
「確か、クラスメートの人で・・・。」
浩平もにやにやしながら雪見に言う。
「だっだっだっだだだ誰の事かしらっ!?」
自慢の演技でとぼけてみせる雪見。
演劇部部長は伊達ではない。
『結婚式には呼んでほしいの』
澪もにやにやしてる。
「こ、上月さんまでっ!?」
愕然とする雪見。
「深山先輩はどこまで進んでるのかなあ〜・・・。」
「う〜ん。雪ちゃんって、奥手だし〜・・・。」
『でも、キスぐらいしてると思うの』
浩平、みさき、澪の三人は輪を作り、ひそひそ話し合う。
当然、雪見に聞こえるようにだ。
「みみみ、みんな何の事を言ってるのよっ!!あいつとは、全然、そんなんじゃないのよっ!!」
必死にいい訳をする雪見。
「きゃあ〜〜〜っ♪『あいつ』だって!!」
「ほう。そんなに深い仲だったのか。」
『ほんとは『あいつ』じゃなくて『あなた』なの』
ほとんど、近所のおばさん状態の三人。
「ちょっと待ってぇぇぇっ!!私の話を聞いてぇーーーーーっ!!」
必死に言い訳をする雪見。
「お熱いお話しなんだよね。きっと。」
「いや〜、熱いな〜〜〜。クーラー出さなきゃ。」
『ごちそうさまなの』
だが、誰も耳を貸そうとはしなかった。
「だーーーかーーーらーーーっっ!!」
・・・・・雪見の言い訳は深夜まで及んだ。
当然、別の所に行く時間などない。



節分。
鬼を払い、福を招く、日本古来の伝統行事の日。
だからと言って、必ず福が来るとは限らない。


ポロンッ・・・・・。
「・・・・・いい事をした後は、気持ちがいいです。」
白いギターが夕日に吠える、愛の狩人、渡り鳥。
救いを求める、スケープゴ・・・もとい、子羊探し、北へ南へ。
嗚呼、渡り鳥茜ちゃんは、深夜なのに夕日の中に消えてゆく・・・。



−−−−− あとがき −−−−−

ポロンッ・・・・・。
 茜 「・・・作中に出てきた『あいつ』って誰ですか。」
 雫 「作中に名前が出ないといったら、軽音楽部で深山先輩のクラスメートにして、消えた茜の幼なじみという設定の、あとがきでお馴染み『今上大福男(こんじょうたふお)』君さっ!!(爆)」
ポロンッ・・・・・。
 茜 「・・・しかも、いけだものさんのパクリです。」
 雫 「はっはっはっ!!いけだものさんの『節分』を読んだら、渡り鳥茜ちゃんを登場させたくなっちゃってな!(汗)」
ポロンッ・・・・・。
 茜 「・・・前回、雰囲気重視とか言って、かっこつけてるから、感想が溜まってます。さっさと、感想行って下さい。」
 雫 「イ、イエッサー!!(^^;;;では、感想GOっ!!」


−−−−− 感想 −−−−−

>天ノ月紘姫さん
「川の流れに・・・(その7)」詩子を救う為とはいえ・・・辛いですね。先が読めない展開です!
「Remember Mistress(No1)」な、なぜに詩子がっ!?意外な展開ですね。続きが楽しみです!

>ここにあるよ?さん
「ONE〜輝く季節へ〜始まりその1〜4」総集編ですね!新たな読者獲得?(爆)
「ONE〜輝く季節へ〜始まりその8」約束の日。いつもと変わらない日常に変化が!?

>変身動物ポン太さん
「激突!! 第二章 (第四話)」瀬戸内海で華穂さんどうするのかな〜と思ってたら、そのままタクシーで来てるううううっ!?(核爆)面白いですっ!!(笑)
「激突!! 第二章 (第五話)」ヨーヨーで衝撃はを止めるとは・・・華穂さん、恐るべしっ!!(爆)「娘の大切な人に傷はつけさせません!」浩平、ちゃんと喜ぶように。(核爆)最強の刺客は・・・由起子さんだああああぁぁぁっ!!(『呼び声』書いたばっかりだから。(笑))
「激突!! 第二章 (第六話)」ぐはっ!感想UPする前に第六話が!(爆)由起子さんの後ろ盾には俺がああぁっ!!(核爆)R&シスコン!!(爆)理屈抜きで笑えますねっ!!(笑)
「感想SS”中部SS作家座談会−開催記念”」あははっ!!笑えますね〜!!(笑)でも、最後のネタはやめておいたほうが良かったような気が。(^^;;;感想ありがとうございます!

>YOSHIさん
「はぐれ3匹【恋愛編】乙女ッチックごーいんぐまいうぇい!〜その4〜」「男にとって答えるのが難しい質問ベスト5」は爆笑です。(笑)ここが実体験?(笑)

>スライムさん
「上月家の食卓 (おやつ編) 第二幕」出ましたねっ!(笑)「ウエハースを捨てなければやられていた」(爆)澪とチョコパの手に汗握る攻防が楽しいです。果たして次回、澪の出番はあるのか!?(爆)

>もももさん
「浩平無用!in絆 <5>」詩子のバスガイドぶりがいいです。(笑)
「浩平無用!in絆 <6>」茜の切り替えが見事ですね。(笑)面白そうな展開に。(笑)
「浩平無用!in絆 <7>」精進料理が笑えました。(笑)
「浩平無用!in絆 <8>」目が笑ってない。(笑)思わず想像してしまいます。(笑)

>ニュー偽善者Rさん
「ONE総里見八猫伝大蛇の章 第十四幕」姿が見えないだけで、妖怪の居場所をみやぶるとは・・・浩平恐るべしっ!
「ONE総里見八猫伝大蛇の章 第十五幕」おおっ!面白い展開ですね!!騙されてるとは気がつきませんでした。珠玉の役割はなんなんでしょう?
「ONE総里見八猫伝大蛇の章 第十六幕」はう〜カラス天狗殺っちゃいましなね〜。話も聞かないで殺すのは、浩平もちょっとやりすぎですかね。
「ONE総里見八猫伝大蛇の章 第十七幕」う〜ん。ちょっと妖怪の命が軽くないですか?「すまねぇ」の一言だけとは。(あくまでも個人的主観)しかし、天狗の魂をどうするんでしょう?これが物語の鍵となるのか!?
「ONE総里見八猫伝大蛇の章 第十八幕」こ、これは怖いかも。いや、マジで。(−−;;;

>綾瀬あいなさん
「奇跡へのプレリュード(前編)」「同棲」は手に入らないんですよ〜。(TT)恵ちゃんの内気な感じが出てますね!

>天王寺澪さん
「NEURO−ONE20」ギギギと振り返る浩平が目に浮かぶようです。(笑)茜が見た記憶とは・・・?
「NEURO−ONE21」え?兄?・・・がはっ!!タカツキ殿っ!?(爆)「修羅場だったから入れなかった」とか「若い浩平もいいね」とか、読んでて楽しいです!でも・・・繭がああああぁぁぁっ!?(爆)
感想ありがとうございます!懲りずにまた書いてみました。(爆)髭の続後編も近い内に。(^^;

>いいんちょさん
「闘えっ!!七瀬改第4話その3」つ、遂に七瀬改の正体がっ!?(笑)言われてみれば似てたもんな。(爆)
「金持ちなだけじゃ駄目かしら1」「ますます気に入った」が笑えます。冷静に見てますね。(笑)
「金持ちなだけじゃ駄目かしら2」中崎はなかなか侮れないですね。(笑)浩平と張りあえるかも。(笑)
「金持ちなだけじゃ駄目かしら3」「さりげなく発揮される知性」中崎君、騙されてるぞっ!!(爆)
「茜ちゃん忍法帳 第1話」たい焼きが目の前にあれば、確かに早く登れるかも。(笑)
感想ありがとうございます!最後の一言は、GOMIMUSIさんに読んでもらったときにそういう感想を頂いたので、茜のセリフに直して追加したんですよ。(爆)

>PELSONAさん
「キロロ」ぐはっ!!アイヌ語!?(爆)七瀬の心情SSですね。こうやって読むと、瑞佳が可哀想です〜。(TT)でも、仕方ないけど。(爆)
「愛猫家」2行SS!?(笑)テスト頑張って下さい。感想ありがとうございます!

>吉田樹さん
「伝えたいことvol.4」浩平の気持ちがうまいですね!家族構成なども、無理なく分かるようになってて、流石です!!
「伝えたいことvol.5」浩平と長森のやりとりがうまいです!思わず、にやりとしてしまいます。(笑)それにしても、深山先輩はうまい説明しますね。浩平には伝わらないけど。(笑)
感想メールありがとうございます!嬉しいです〜!!

>いけだものさん
「雪の降った朝は(猫は布団で編)」すっごくいいですっ!!いつもと逆になる浩平と瑞佳。(笑)でも、結果はいつもと変わらないんですね。(笑)瑞佳のお母さんも一癖ありますね。(笑)ほのぼのです。(^^)
感想ありがとうございます!

>もうちゃん(裏)さん
「そして」幸せだった頃。楽しい日常と、ラストが対象的ですね。すごいぜ、もうちゃん!
「想い出」忘れたいほど辛いこと。確かにありあすよね。本文中で浩平がどちらを選ぶのか分からないところがいいです。シリアス三部作、完結お疲れさまでした!!最後のギャグも笑えました。(笑)

>まねき猫さん
「雨月物語〜菊花の約〜第二話」髭がいないのは、本当になにかの陰謀なんですか?(爆)原作知らないけど、すんなり読めますね!

>パルさん
「空色のクレヨン −6−」「貴方が知っているだけじゃお話しできないよ」ぐはっ!!た、確かにっ!!なかなか、考えさせられますね!!
感想ありがとうございます!

>かっぺえさん
「雨のち晴れ」「お釣りがくるぐらい楽しい事が待っている」なるほど〜。そう思って待てれば、辛さが少なくなるかもしれませんね。

>幸せのおとしごさん
「笑顔になるまで」はじめまして〜♪みさき先輩のプレゼントは歌ですか。(^^)目が見えない分、わずかな声の調子とかでも、浩平の様子が分かるんでしょうね。愛かな。(笑)

>WTTSさん
「閃く限り続行!?(投稿 8th)」「画鋲で早起き」(笑)「漢字は優秀御堂と村田」(大笑)「詳細不明の親族由起子さん」(核爆)はっはっ腹痛ぇぇぇ〜〜〜〜〜♪大笑いさせて頂きました。(^^)後半は心にきますね。特に繭。(爆)
感想ありがとうございます!「荷物撤収」ぎゃふんっ!!い、いや〜忘れてるからやむなく・・・。(−−;;;で、でも、ほら、毎日仕事で忙しいのに、ちゃんと朝ご飯用意してるし!!(^^;;;


ポロンッ・・・・・。
 茜 「・・・いつになったら、私のとっておきのナンバーを聴かせられるんでしょうか。」
 雫 「・・・・・・・・いや、永遠にないと思うんだけど。」(^^;;;
ポロンッ・・・・・。
 茜 「・・・残念です。」
 雫 「では、またっ!!」