髭の困惑(後編) 投稿者:
放課後、写真部現像室。
「誰か、あ〜〜〜け〜〜〜て〜〜〜。」
ドン、ドン、ドン。
詩子はまだ閉じこめられていた。
ガチャ。
「・・・大丈夫ですか?詩子。」
「あ・・・茜〜〜〜〜〜っ!!」
ようやく現像室から解放された詩子は、助けてくれた茜に泣きながら抱きついた。
「ううっ・・・きっと茜が助けてくれると信じてたわ〜〜〜〜っ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・当然です。」
なぜ、詩子が閉じこめられていたかは、この場は伏せておこう。
「さあ、詩子。お腹がすいたでしょう。これを食べて下さい。」
茜はそう言って、とって置いた自分専用のワッフルを詩子に差し出した。
「ありがとう〜〜〜っ!茜っ!!」
空腹の詩子は、茜の差しだしたワッフルに手を延ばすした。
が。
「・・・・・。」
その手が、ピタッと止まる。
「どうしました?」
「・・・・・。」
詩子は何か考えてるようだ。
「食べないんですか?」
「・・・・・。」
詩子の頬に、何故か汗が流れる。
「た・べ・な・い・で・す・か?」
「・・・・・。」
茜が詩子をすごい目で睨んでいる。
詩子は・・・断るすべを知らなかった。
「・・・・・・・・・食べさせて頂きます。」
詩子は震える手で、ワッフルを口に運んだ。
もぐ、もぐ、もぐ・・・・・・・・・・。



「髭君。その後の調査はどうかね。」
髭は校長室に呼び出されていた。
「はあ。なにぶん、まだ調査を始めたばかりですので・・・。」
そう答えながら、出されたコーヒーを口に含む。
何故か、ちょっと疲れ気味である。
「実は、新たな情報が入ったのだ。なんと問題の教師が、神聖なる校舎に置いて淫らな行為に及んでいるという・・・。」

ブウウウウゥゥゥーーーーーッ!!

「うわあぁっ!!なにすんだっぺぇーーーっ!?」
髭は、口に含んでいたコーヒーをまたもや校長に吹きかける。
それにしても・・・・・校長の出身は何処なのだろう?
「す、すみませんっ!!」
慌ててハンカチを取り出し、校長の顔を拭く髭。
「持病の労咳が悪化しまして・・・。」
「・・・・・そ、そうか。気をつけた方がいいぞ?」
そう言いながら、ガタガタと椅子を後ろに下げる校長。
「で、では、私は調査に戻りますので・・・。」
急にそわそわしだして、落ち着きのない髭。
「そうか。期待しているぞ。」
髭は立ち上がって一礼をすると、校長室を後にした。



再び茜と詩子。
原因不明の昏睡状態に陥った詩子が目をさますと、軽音楽部室に寝かされていた。
「・・・う〜ん・・・・・あれ?私は何してたんだっけ・・・?」
まだ意識がはっきりしないようだ。
「・・・詩子。」
横になっている詩子を茜が潤んだ目で見つめている。
茜の表情に動揺する詩子。
茜の手が詩子の頬に添えられる。
「・・・茜。」
詩子は添えられた茜の手に自分の手を重ねる。
「詩子・・・・・お願いがあります。」
茜はそう言うと、詩子から手を離し、自分の上着のボタンを外し始める。
「あ、茜、何を・・・。」
そう言いながらも詩子は茜を止めようとしない。

スッ。

茜が上着を脱ぎ捨てる。
詩子の目は、茜から一瞬たりとも離れることはない。
茜の手が自分のスカートのホックに伸びる。

・・・・・スルッ。

しばらくの間のあと、音もなく茜のスカートが床に落ちる。
「・・・・・詩子。」



突然、茜ちゃん軍団01号こと、澪。
『今回はここまでなの』
・・・・・ぐはっ!!
なんという事であろうか!
前回に引き続き、またもや自主規制がかかるとは・・・・・日本の政治は間違っているっ!!
だが、このSSを読んでくれる皆様の為にも、ここで国家権力に屈するわけにはいかないっ!!
と言う訳でカメラは強引に軽音楽部室へ再び戻るっ!!
『だめなの〜〜〜』



「・・・・・詩子。」
下着姿になった茜が、詩子を訴えるような目で見つめる。
「茜・・・やっと私の想いに応えてくれるのねっ!?」
その瞬間、詩子も下着姿になる。
は、速い!!0.3秒くらいか!?
「茜ぇぇぇーーーーーっ!!」
詩子が空中を泳ぐように、茜に飛びかかる。

ひょい。

ズガシャーーーンッ!!

茜は、飛びかかる詩子を軽くかわすと、いそいそと詩子の制服を身につけ始めた。
「・・・詩子は私の制服を着て下さい。」
「きゅううううぅぅぅぅ・・・・・は〜い〜〜〜。」
詩子は自爆して、目を回して、素直に頷いた。
「・・・では、これより、作戦名『いやん☆お・じ・さ・まったら♪』を開始します。」



髭は校長室から出て廊下を歩いていた。
「こっ、このままでは、クビになってしまう・・・なんとかしなくては・・・。」
滝のように流れる汗を拭う髭。
だが、その時っ!!

ヒュンッ!!

「っ!?」

グサッ!!

「・・・・・なっ・・・。」
髭の左胸に棒のようなものが生えてる。
・・・・・それは、一本の矢だった。



髭の困惑 完!!



というのは冗談で・・・続くっ!!



−−−−− あとがき −−−−−

大福男「後編で続くなああああぁぁぁーーーーーっ!!」
 雫 「ふっ。甘いな、大福男。『髭』シリースは後編では終わらないものなのだっ!!(『髭の憂鬱』参照)」
大福男「・・・ほんとは?」
 雫 「・・・・・終わらなかったの。」(TT)
大福男「計画性ゼロだな。それにしても・・・前回の『おしょうがつ』といい、詩子ファンに殺されるな。これは。」
 雫 「ああ。まったくだ。」
大福男「開き直るなーーーーーっ!!」
 雫 「では、感想GOっ!!」
大福男「人の話をきけええええぇぇぇっっ!!」


−−−−− 感想 −−−−−

>パルさん
「空色のクレヨン −5−」えんちゃんがいいですね♪澪はどうしたいのか?浩平は一体どうするべきなのか?その気持に決着をつける、劇が楽しみです。
「遠い空の向こうから 夕焼け2」はう!今度は深山先輩にあやまりにこないといけませんね。(笑)
感想ありがとうございます!詩子は今回も哀れです。(−−;;;

>まてつやさん
「〜光と闇〜<リニューアル>」「最悪の事態を想定していたって、実際に最悪の結果が訪れなければ、どうなるかなんてわからない」だからこそ、勇気を持ってほしい。「ただ自分に『普通』が与えられるのを望んでただけ」皆、その事は分かっているのに、人から言われてはじめて気がつく。そんな、気持ち。まつつやさんの気持ちが伝わってくる、いいSSでした。(TT)
「マーメイド」短い中にも澪の気持ちがこもってますね。(^^)繭はもっと書きづらいです。(TT)

>もももさん
「大海原で遠泳ぐを〜5〜」おおっ!!夕日に星に赤い月!!メルヘンだな〜。(爆)大笑わせて頂きました!!(笑)
「浩平無用in絆<3>」早弁を食べてないのが、食べ終わっただけとは。(笑)浩平のお母さんの名前は沙夜香ですか。(^^)
「浩平無用in絆<4>」コールの回数で重要度を決める。(笑)浩平のお母さんは大物ですね。(笑)

>いけだものさん
「みさき先輩の冬ぐるめ」〜鏡開き〜「まだまだだね」が好きです♪(笑)〜蟹〜笑袋は冗談であってほしいです。(^^;〜豆まき〜こ・・・ここに、渡り鳥茜ちゃんを登場させてもいいですか?(爆)
感想ありがとうございました!!「事件簿153」の感想まで頂いちゃって。(^^;

>ニュー偽善者Rさん
「ONE総里見八猫伝大蛇の章 第十二幕」ぐはっ!た、体験談っ!?(−−;;;輪唱の所が怖いです。・・・・・輪唱も体験談じゃないですよね?(^^;;;
「ONE総里見八猫伝大蛇の章 第十三幕」動揺する浩平がいいですね。(笑)大百足の解説、百年も生きて、雑魚とは。(^^;;;
「感想とかSSとか告知とか(^^)」「悲しいことなんてあるはずないんだ・・・。」そう思いながらも、否定しきれない。だからこそ、そう思うのだと。こういうSS好きです!
感想ありがとうございました!次回、俺もホラーにチャレンジッ!!(笑)

>PELSONAさん
「福引き」「おおっ・・・等と周りからどよめきが起こる」・・・って、周りの人たちは永遠の世界がどういう所なのか、分かってるんでしょうね。(笑)
「innocent world 第四話 『再会』」はぁ〜、郁美がいいですね〜♪FARGOサイドのお話は、誰が出るんでしょうか?
「高山温泉旅行記 第一回」出だしは心理描写つきの説明だったんですね。(笑)浩平も思ってること口に出すし。(笑)詩子は茜と二人でアダルトな夜を過ごせるのかっ!?(爆)
感想ありがとうございました!

>変身動物ポン太さん
「激突!!第二章(第三話)」このシリーズは最高に面白いですっ!!(笑)バイト参謀は、当然、あ○ねですよね?(笑)
「感想SS”感想は溜まる前に書け!”」感想ありがとうございます!俺の感想はあまり気にしないで下さい。その時々で言ってる事が違いますから。(爆)

>壱弥栖
「ちびみずかの「永遠の世界」」初めまして〜♪ジョジョネタですか。(笑)最後の「細かい動作もニガテ」って所が笑えます。(^^)

>YOSHIさん
「はぐれ三匹【恋愛編】乙女チックごーいんぐまいうぇい!」うわ〜、詩子と南が名前で呼び合って、ラブラブ(死語)だぁ〜♪(爆)

>もうちゃん@(裏)さん
「夢・・・」ぐはっ!!も、もももっもうちゃんがシリアスをっっ!!(爆)・・・はっ!よく見たら(裏)が!納得。(笑)テレビのミズエモンはこんな昔からやってたんですね〜。(笑)浩平とみさおのやりとりがうまいですね☆ミ

>吉田 樹さん
「伝えたいこと vol.3」「たよりない援軍だった」は思わず、顔がほころびます。(^^)話がうまくて、最初、みさき先輩が怖いんだって気がつきませんでした。

>まねき猫さん
「雨月物語〜菊花の約〜第一話」ぐはっ!!みさおが住井に嫁いでるっ!?でも「あの人」呼ばわり。(笑)
感想ありがとうございました!「渡り鳥茜ちゃん」は続けても構わないんですけど、次のいけに・・・もとい、悩める乙女がいなくて。(笑)

>WILYOUさん
「青空の重さ(1)」「影」というのがなかなか。まるで、実際に病院にいるようなリアルさを感じます。主人公・・・誰だろ?
「青空の重さ(2)」おうっ!出ると思ってたけど、浩平ですね!?でも、まだ主人公が誰だかわからないです。(TT)でも、本当にリアルっていうか、うまいです。


 雫 「ごはぶっ!(吐血)残念ながら、吐血してしまったので、今回はここまでです。」m(_ _)m
大福男「・・・・・。(床に落ちてるケチャップの容器を拾い上げる)」
 雫 「・・・・・で、では、またっ!!」(^^;;;


−−−−− 予告 −−−−−

いちごうさんとニュー偽善者Rさんがホラーをかいてたのを読んで、雫も書いてみました。チャットで、誰もいないときに書いてたんですけどね。(笑)
シリアスホラー(?)『呼び声』(全三話)を明日から一日一話づつ書き込みますので、よろしかったら読んでやって下さい。
なお、雰囲気重視のため、あとがきも感想もつけませんので、先に言っておきます。(爆)