おしょうがつ 投稿者:
お正月。
日本人がそれぞれの想いをお賽銭に託すめでたい日。


「お正月よね♪」
お正月とえいばお宮参り。
この詩子さんだって、ちゃんと神社に行くのよ。
去年は散々だったのよね。茜は結構冷たかったし・・・・・。
でも、私は諦めないわよっ!!そして、今年はもう一つ大きな野望があるのよっ!!
今年は・・・今年は・・・今年は澪ちゃんとも親密な仲にっっ!!

ポロンッ・・・・・。

「・・・・・わかります。」
「っ!?」
詩子が振り返ると、白いギターを弾いて、茜が立っていた。
「・・・・・あ・・・茜?」
ポロンッ・・・・・。
「たとえ人からなんと言われようとも・・・詩子は詩子の道を行く・・・でも私にはそんな趣味はありません・・・。」
ポロンッ・・・・・。
まるで、最後の一言は、駄々をこねる子供に言って聞かせる母親のように、結構きつく語る茜。
「やっ、やーーーねーーーーーっ!!ななななっなに言ってるのかしらっ!?茜ったら〜〜〜っ!!」
本人は至って冷静なつもりの詩子。
「では、私は用事がありますので、これで・・・。」
ポロンッ・・・・・。
茜はギターをひと弾きすると去っていた。
「・・・・・あ、茜?」
後に残されたのは詩子だけだった。



そして、お正月当日。
「さあっ!!お願いするわよっ!!」
賽銭箱を前に、気合い満々の詩子。

ちゃり〜〜〜ん。

がらがらがらっ。

ぱん。ぱん。

「・・・・・・・・よしっ!!これで、バッチリよっ!!」
何をお願いしたのかは、詩子のみぞ知る。
「さて。じゃあ、帰ろっかな。」
詩子が帰ろうと、振り向いたとき、その目の中に澪の姿が映った。
「澪ちゃんじゃな〜い!神様・・・ありがとう〜〜〜っ!!」
後ろに待ちかまえていた黒い影(参拝客)をなぎ倒し、一直線に澪の元へと走る詩子。
澪の側には、浩平と瑞佳も一緒にいた。
「澪ちゃ〜〜〜んっ!!明けましておめでとう〜〜〜っ!!」
(びくっ!!)
ささっ!
詩子の姿を見て、浩平の後ろに隠れる澪。
「・・・・・み、澪ちゃん?」
(えぐっ、えぐっ)
何故か、心底嫌がっている澪。
「柚木・・・澪にはそういう趣味はないんだそうだ。だから、もう澪に近づくんじゃないぞ。」
後ろ手で澪を庇いながら言う浩平。
「浩平!何もそこまで言わなくても・・・柚木さん、私は個人の趣味で人を差別するような事はしないんだもんっ!!」
おそらく、全然フォローになっていないフォローをする瑞佳。
「なにっ!?お前は、そっちはOKなのかっ!?」
「そっ、そんな事ないもんっ!!私はノーマルだもんっ!!」
「・・・・・あ、あの・・・みんな、なに言って・・・・・。」
心当たりがあるのかないのか、思わず顔が引きつる詩子。
「そうか。それで、恋人がいないんだな?」
「ちっ、ちがうもんっ!好きな人だってちゃんといるんだもんっ!!」
「・・・・・いったい・・・なんで・・・・・。」
すでに、詩子の耳には、浩平達のやりとりは届いていない。
傷心の詩子の前に、澪が怖々近づいていく。
(えぐっ)
『いいお友達でいたいの』
・・・・・とどめかな?
「・・・・・・・・・・う・・・・・うわああああぁぁぁーーーーーんっ!!」
詩子は泣きながら走り去って行った。


「だったら、そいつの名前を言って見ろ!」
「だ、駄目だよっ!!秘密なんだもんっ!!」
浩平と瑞佳は詩子に構わず相変わらずであった。



お正月。
日本人がそれぞれの想いをお賽銭に託すめでたい日。
だからと言って、必ず願いが叶うとは限らない。


ポロンッ・・・・・。
「・・・・・いい事をした後は、気持ちがいいです。」


白いギターを携えて、幸せ運ぶ渡り鳥。
今日も、いけに・・・もとい、悩める乙女を求めて、東へ西へ。
嗚呼、渡り鳥茜ちゃんは夕日の中に消えてゆく・・・。


「詩子・・・・・あなたはふられたんです。」



−−−−− あとがき −−−−−

 雫 「出してしまった・・・詩子ファンの恨みが怖くて封印していたのに・・・。」(−−;;;;;
ポロンッ・・・・・。
 茜 「・・・最近、詩子に対して酷すぎるようです。」
 雫 「はっ!渡り鳥茜ちゃん!?(爆)ちっ、違うんだ!これは愛なんだっ!!世の中にはいろんな愛の形が・・・。」
ポロンッ・・・・・。
 茜 「歪んでます。」
 雫 「・・・・・・・(不定出来ない)。詩子ファンの皆様っ!!ごめんなさ〜いっ!!」m(_ _)m
ポロンッ・・・・・。
 茜 「・・・さっさと感想いって下さい。」
 雫 「は、はひいいいいぃぃぃっ!!か、感想ですっ!!」(−−;;;


−−−−− 感想 −−−−−

>PELSONAさん
「ヒトはそう簡単に変われる物じゃないんだっ!」初めまして〜♪いや〜コンスタンスに各キャラ書いてますね〜。(^^)繭がこのセリフを言う時には背景が黒くなってたりして。(爆)
「innocent world 第三話、『真相』」おおっ!小説的展開っ!(爆)小説版のその後って感じですか?

>ニュー偽善者Rさん
「ONE総里見八猫伝大蛇の章 第九幕」「ズササササササササササッッッ!!!」が凄く感じが出てますね。(^^)吹を殺させる流。その真意はっ!燃える展開です!
「ONE総里見八猫伝大蛇の章 第十幕」凪の背に乗る浩平。うむ〜確実に必要なキャラが出てきますね。(笑)
「偽善の恐怖館 病院編−3−」できれば理由も欲しかったですね。しかし・・・詩子と茜はどうなったんでしょう。それと「2」の方は笑わせて頂きました。それはもう、会社で笑いを堪えきれず、にやけ顔しながら、席を立ってしまいました。(何故に会社!?(爆))

>変身動物ポン太さん
「忘却者達の鎮魂歌(5)」え?もう一人のオレ?うむ〜謎だ。最後の「絆はここにある」というセリフが好きです。(^^)
「忘却者達の鎮魂歌(6)」はう〜。お見合いだったんですか。(^^;;;誰も選ばなかったのに美香さんを選んだ(各ヒロインの方が思い入れがありますから)理由は何なのでしょう。

>天王寺澪さん
「NEURO−ONE 19」ぐはっ!LOOKーーーっ!!(爆)シムの中(?)で)過ぎていた時間は何を意味するんでしょうか?現実とシムの中を平行する緊迫感がたまりません!それと、ちと遅くなりましたが・・・ニンジャ南、最高ーーーっ!!し、痺れるぜ、虎鉄・改!!(爆)

>パルさん
「空色のクレヨン その4」えんちゃんがいい味だしてますね〜。(^^)澪はどんな結末を迎えるのでしょうか。
「遠い空の向こうから 夕焼け」「私を一人にしないでよ!」は思わず胸が痛みました。

>天ノ月紘姫さん
「いんたぁみっしょん2」七瀬・・・騙されてる。(笑)乙女は澪だったんですね。

>まてつやさん
「GTO・レッスン3」いや〜、斬新な設定ですね〜!(^^)狂育者・折原のレッスンは七瀬と広瀬の心を溶かすことができるんでしょうか?(特に広瀬。(爆))

>YOSHIさん
「はぐれ三匹【恋愛編】住井の場合〜その6〜」「踊る」という表現がいいですね〜。「はっ! まさか柚木は女王さま!?」は思いっきり笑ってしまいました。しかし・・・第一話から、誰がこのような展開を予測できたでしょうか?凄いですっ!!
「はぐれ三匹【恋愛編】乙女チックごーいんぐまいうぇい!〜その1〜」ぬふっ!!続きとは思えないこの軽さっ!!(笑)住井が幸せあれば南と南森なんかどうでもいいですっ!!(爆)

>ここにあるよ?さん
「ONE〜輝く季節へ〜始まりその7」佐織にもっと活躍してもらいたいですね(^^)

>いけだものさん
「頼りになります!折原浩平3」ハイパー乙女モード恐るべしっ!!(爆笑)でも、七瀬の相談はなんだっったんでしょう?(笑)


 雫 「残念ながら、今回はここまで。」m(_ _)m
ポロンッ・・・・・。
 茜 「・・・次回こそは、私のとっておきのナンバーを聴かせてあげます。」
 雫 「・・・・・・・・いや、今度こそ、もうないと思うんだけど。」(^^;;;
ポロンッ・・・・・。
 茜 「・・・残念です。」
 雫 「では、またっ!!」