女の戦い 投稿者:
「う〜ん・・・獣のように眠ってしまったな。・・・さて、帰るか。」
6時間目の授業が終わり、帰り支度をする浩平。
そんな浩平に近寄る二人の姿があった。
「浩平!ぱたぽ屋に寄って帰るんだもん!」
「浩平。今日こそは幻のたい焼き屋さんを見つけましょう。」
瑞佳と茜であった。
瑞佳は浩平の右腕をとる。
茜は浩平の左腕をとる。
「里村さん。浩平は私と一緒に帰るんだよ。」
「違います。私と帰るんです。」
浩平を挟んで、二人の視線がぶつかり合う。
「・・・・・鞄が持てないんだが。」
それは大変だな、浩平。
「里村さんっ!早く浩平から離れるんだもんっ!」
「それはこちらのセリフです。長森さんこそ離れて下さい。」
教室の空気が張りつめた糸のようだ。
「・・・・・早く帰りたいんだが。」
それは無理だな、浩平。
「フゥーーーーッ!!」
「・・・(ギロッ!!)」
瑞佳の背後に牙を剥いた猫が、茜の後ろには目つきの悪いパンダが見えるのは気のせいではない。
二人の闘気が形となって見えるのであろう。
だが、二人が闘うには、双方が掴んでいる浩平の腕を放さなければならない。
この状態で腕を先に放したら、ソニックブームを放ちながら浩平は連れ去られていくだろう。
その考えが二人の頭から離れない。
「・・・仕方ありませんね。・・・詩子・・・。」
ガラッ!
「呼んだ〜?茜。」
まるで、ドアの外で待ちかまえていたが如く詩子が現れる。
「なら・・・佐織っ!!」
ザッ!
「任せて、瑞佳っ!」
なんで、とっとと帰ってなかたのか、佐織が椅子ら立ち上がる。
「茜〜、立ちグラフィックすらない子が、なんか言ってるよ〜。」
グサッ!!
佐織は頭に矢印が刺さっている。
古典的だが、いい感じだ。
立ち直れるか?
「・・・っ・・・ふ・・・ふふふっ・・・・。」
おっ。何とか持ちこたえたようだ。ちょっと妖しいけど。
「勝負は時の運っ!いんふぃにてぃ・あたぁ〜っくっ!!」
佐織は詩子に飛びかかると、そのまま窓へと飛び込んだ。
ガッシャーーーンッ!!
詩子と佐織は窓の下に消えた。
確かに、どちらが勝つか、運に任せた攻撃である。
「詩子・・・役に立ちませんね。」
「はぁ〜・・・佐織たら、里村さんもやっつけてくれなくっちゃ駄目なんだもん。」
・・・・・二人とも言う事はそれだけか?
「では・・・使いたくありませんでしたが・・・南。」
シャキーンッ!
「里村さんの為なら・・・死ねるっ!」
茜が浩平の腕を掴んでいるのが見えない訳じゃないんだろう?南。
「あまいんだもんっ!・・・住井君っ!!」
キラーンッ!
「俺がいれば百人力さ。長森さん。」
瑞佳が浩平の腕を掴んでいるのは・・・・・やっぱり見えないんだろうな。住井。
「ふっ。南・・・貴様と俺では『格』が違う。素直に引け。」
余裕を見せる住井。
「くっくっくっ・・・分かっているのか?住井。ここはSSコーナー・・・格下はお前の方なんだよっ!!」
「!!」
住井の顔に驚愕の色が走る。
「お・・・俺が・・・格下?・・・南より?・・・。」
これはショックがでかい。
「SSコーナーで鍛え(虐待され)た不死身の体に勝てるかな?」
おおっ!今日の南は一味違う!!
シューーーーーッ。
「・・・は、はは・・・格下・・・・はは・・・。」
一方、住井は壊れてる。おまけに手に持っているダイナマイトはすでに火がついてるし。
「って、住井っ!それを捨てろーーーーーっ!!」
ガッシャーーーンッ!!
南は住井に飛びかかり、そのまま窓から下へ。
詩子と佐織が飛び込んだ窓とは、別の窓をぶち破るのは、やはり演出というやつであろう。
ドッカーーーンッ!!
轟音が耳をつんざく。
「住井君、そんなんじゃ、格下だよ!」
「やはり、所詮は南ですか・・・。」
・・・・・き、厳しいね。二人とも。

「七瀬さん!」
「乙女の力を見せてあげるわっ!」
「広瀬さん。」
「まあ、いいけどね。別に。」

ガッシャーーーンッ!!

「葉子さん。」
「・・・・・なぜ?」
「郁美さん!」
「あなたとは戦う宿命なのね!」

ガッシャーーーンッ!!

「川名先輩!」
「うん。お礼忘れないでね。」
「上月さん。」
『がんばるの』

ガッシャーーーンッ!!

「今上先輩。」
「えっ!?俺?しょうがないな・・・。」
「深山先輩!」
「・・・へえ。可愛い子の言うことなら素直に聞くんだ・・・。」

ガッシャーーーンッ!!

「シュン君!」
「・・・影響は与えたくないんだけどね。」
「少年。」
「これが真実かい?」

ガッシャーーーンッ!!

「照八。」
「任せてくれたまえ。可愛いお嬢さん♪」
「華穂さん!」
「あーーーなーーーたーーーっ!!」

ガッシャーーーンッ!!



・・・・・教室の窓の下には、累々と屍の山が・・・・。


「フゥーーーーッ!!」
「・・・(ギロッ!!)」
すでに窓の外は真っ暗である。
「こうなったら浩平に決めてもらうんだもんっ!!」
「そうですね。私に決まってますが・・・・。」
そう言って、二人が浩平の腕を同時に引っ張る。
ガラガラガッシャーーーンッ!!
そこには、制服を着たモップが、バケツをかぶって倒れていた。
「・・・・・。」
「・・・・・。」


その頃。
「椎名。この新発売の『てりやきスイートバーガー』は、ちょっと甘すぎないか?」
「みゅ〜♪おいしいもんっ!」
浩平は繭とハンバーガーを食べていた。


嗚呼!女の戦いとはかくも厳しいものであろうかっ!!

合掌。



−−−−− あとがき −−−−−

 雫 「よかったな。出番があって。」
大福男「出番・・・か?これ。」
 雫 「出番だ。お前の為に書いたんだぞ。(嘘)」
大福男「そ、そりゃどうも・・・・。(ひきつっている)」
 雫 「うしっ!感想GO!!」
大福男「・・・かんそう・・・ごおー・・・。(燃え尽きてる)」


−−−−− 感想 −−−−−

>天王寺澪さん
「NEURO−ONE 9&10」う〜ん、伯爵って誰?葉子さんの謎は解けたけど・・・俺の頭だとまだまだ謎が・・・。(爆)

>偽善者Zさん
「SS温室」叫びが禁止は痛いですね。(笑)
「浩平犯科帳 第三部 第九話」えっ!?本編じゃ語ってくれないんですか?(TT)じゃあ、番外編で。(笑)

>WILYOUさん
「繭ロボ3【終】」渇あああああぁぁぁーーーっ!!(爆)まさに笑い方面では最強レベル!!(笑)詩子の説得には頷くものがありますね。(笑)茜が繭ロボをテレポートしてしまえばいいなんて、野暮なことはいいっこなしですよね。(爆)

>変身動物ポン太さん
「粉雪の舞う舞台で・・・(1)」いい感じですね♪しかし・・・雪ちゃん専用SS作家!(爆)うん、深山先輩はいいよ〜♪(雫は繭属性)凛とした感じがありますよね♪(雫は繭属性)それでいて儚げなものを感じる。(雫は繭属性)年内完成、頑張って下さい♪

>いけだものさん
「お弁当」堂々巡りの考えが楽しいです♪手の込んだお弁当。10点ですね!(当然、10点満点!)

>えいりさん
「私に勇気をくれたひと」主人公は浩平じゃなかったんですね。ちょっとだけ大人なった感じの繭がいいです♪・・・・・繭ーーーーーっ!!(爆)

> パルさん
「永遠の誓い−1&2−」学校から出られない。新鮮な設定ですね♪声の主は・・・やはり○○○?

>吉田樹さん
「やさしい決断(前編)」かっこいい・・・かっこいいぞ、住井っ!!(爆)特に自分で浸るあたりが最高だっ!!(笑)

>瑞希龍星さん
「始まりはいつも最終章 Vol1.0c」ま・・・繭がああああぁぁぁっ!!・・・て、思ったら、ほっ。相変わらず熱いですね!

>ばやんさん
「南君の悩み−完結編」ああ〜いいラストですね〜♪これじゃ大阪湾に沈められないな。浮かべるだけか。(爆)完結おめでとうございます〜♪


 雫 「今回はここまでです。感想下さった方々、ありがとうございま〜す♪今回、感想書けなかった皆様のSSも楽しく読ませて頂いてます!!では、また〜♪」