折原少年の事件簿4(その3) 投稿者:
川名みさきから学食お昼消失事件解明の依頼を受けたオレは、遂に犯人を突き止めた。
でも間違いだった。
しかし、オレと椎名はくじけることなく、授業中にも関わらす調査を続行した。


浩 平「うおおおおぉぉぉぉっ!!」
浩平は茜に廊下を引きずられていた。
椎 名「みゅ〜・・・楽しそう♪」
長 森「そうだね。繭。」
七 瀬「悲鳴あげてんのよっっ!」
浩平を追いかける三人。
 茜 「さあ、浩平。早く犯人を捕まえて下さい。」
浩 平「なんで走りながらそんなに冷静に話せるんだああああぁぁぁーーーっ!!」
授業中の廊下に、浩平の叫び声がドップラー効果で響き渡る。
 茜 「秘密です。」


 茜 「着きました。」
茜は学食の前で立ち止まった。
長 森「さ、里村さん、速いよ〜。」
七 瀬「乙女の私が追いつけないなんて・・・。」
椎 名「みゅ〜♪」
三人が茜達に追いついた。
七 瀬「しかし、瑞佳も速いわね〜・・・。」
長 森「うんっ!伊達に毎朝、浩平と走ってないもんっ!」
七 瀬「で・・・その折原は?」
 茜 「皆さんが踏んでます。」
七 瀬「・・・・・えっ?」
三人の足下には、無惨な姿になった浩平が・・・踏まれていた。
長 森「わあっ!ぼろ雑巾と間違えちゃったよ!」
七 瀬「通りで足下が気持ち悪いと思ったわっ!」
椎 名「みゅーっ!(こんな所で寝てたら風邪をひくわよっ!)」
慌てて、浩平の上から降りる三人。
浩 平「ぐふっ・・・人を踏みつけておいてそれかいっ!!」
文句を言いながら立ち上がる浩平。
丈夫である。
 茜 「浩平。早くして下さい。」
浩 平「ああ。分かった。」
といって、なぜか服を脱ぎ出す浩平。
どげしいいいいぃぃぃーーーーーっ!!
七 瀬「このド外道がああああぁぁぁっっ!!」
長 森「なに考えてるんだよーーーっ!!」
げしっ。ぼかっ。ぼきっ。どすっ。
浩 平「ぐっ・・・まて・・・おまえらこそ・・・なに考えて・・・るんだぁ・・・。」
長 森「えっ!?えっ!?い、言えないんだもんっ!!!」
長森は真っ赤だ。
七 瀬「乙女の口からそんなことが言えるかああああぁぁぁっっ!!」
七瀬も真っ赤だ。
ごすっ。がすっ。ぼかっ。ぼきっ。
二人とも何を考えたのやら・・・。

10分後。

長 森「ふう、ふう、ふう・・・・・・・・・。」
七 瀬「はあ、はあ、はあ・・・・・・・・・さあ、待ってやったわよ。」
息を切らして、浩平への攻撃の手を休める二人。
浩 平「ぐふっ・・・実は・・・ハンバーガーを持ってないか探してたんだ。」
ふらつきながら立ち上がる浩平。
なぜか、ちょっと格好よかったりする。
 茜 「なぜ、ハンバーガーなんですか?」
浩 平「愚問だな。今回、登校と同時にみさき先輩から依頼された、消えた学食の新メニュー試作品と言うのが、練乳たっぷりの『てりやきスイートハンバーガー』だったからだっ!!」
長 森「てり・・・やき?」
七 瀬「スイ・・・ート?」
椎 名「ハンバーガー♪(ハンバーガー♪)」
 茜 「ぜひ、食べてみたいです。」
それぞれ複雑な表情をする四人。
長 森「・・・そ、それで、ハンバーガーをどうするんだよ?」
浩 平「ふっ・・・これだから素人は困る。試作品のハンバーガーを盗み出すからには、犯人は相当のハンバーガー好きだ。だから、ハンバーガーを学食のテーブルの上に置いておけば、必ず現れるっ!そこを捕まえるって寸法だっ!!」
椎 名「ほえ?(さすがわ名探偵といったところかしら?)」
七 瀬「・・・で、ハンバーガーはあった?」
浩 平「おうっ!」
浩平は上着のポケットから一枚の板を取り出した。
浩 平「これだっ!!」
浩平が差し出した『それ』は、かつてはハンバーガーだったのであろうが、廊下を引きずられ、そのまま階段を落ち、三人に踏まれ、袋叩きにあったような姿になっていた。
 茜 「・・・使えません。」
浩 平「・・・・・そうか。なら・・・。」
ポンッ。
浩平は椎名の両肩に手を置く。
椎 名「ほえ?(私の出番かしら?)」
浩 平「うむ。長森も手伝ってくれ。」
長 森「うん、わかったよ。」
浩 平「こいつの服を脱がす」
バキイッ!
七 瀬「脱がさずにできんのかっっ!!」
七瀬の鉄拳が浩平の顔面に決まる。
浩 平「ごふっ・・・いいもの持ってるぜ・・・。」
浩平はその場に沈み込んだ。
長 森「さ、繭。あんな変態色欲魔人は放っておいて・・・って、里村さん何してるんだよ〜〜〜っ!!」
茜は椎名の服を脱がし始めていた。
 茜 「私も辛いのですが、犯人を捕まえる事が第一ですから。」
なぜか、ちょっと嬉しそうに言う茜。
七 瀬「あんたっ!早く里村さんにハンバーガーを差し出すのよっ!!あの目は本気よっ!!」
椎 名「みゅ、みゅーっ!!」
茜の手が椎名のブラウスのボタンに伸びた時、椎名はハンバーガーを差し出した。
七 瀬「よくやったわっ!これで、あんたの貞操は守られたわっ!!」
長 森「ううっ・・・間に合って良かったんだよ〜っ!!」
 茜 「・・・皆さん、誤解してます。」
繭の差し出したハンバーガーを受け取りながら、ちょっと悔しそうに呟く茜。
浩 平「よしっ!では、学食で罠を張るぞっ!!」
さっき七瀬のパンチで沈んだはずの浩平が叫んだ。


学食の中。
長 森「・・・・・。」
七 瀬「・・・・・。」
 茜 「・・・・・。」
椎 名(くーっ。)
静かな学食の中、皆、無言でテーブルの影から、中央のハンバーガーを見つめている。(椎名は寝ている。)
長 森「・・・ねえ?」
浩 平「しっ!!」
七 瀬「・・・さっきから気になってたんだけど・・・。」
浩 平「静かにしろっ!!」
 茜 「私も気になってたんですが・・・。」
浩 平「オレの推理では、犯人はおそらく・・・。」
三 人「「「なんで、あのハンバーガーに『てりやきスイートバーガー』ってかいてある」んだよ?」の?」ですか?」
浩 平「みさ・・・・・へ?」
なんとっ!!
テーブルの中央に置かれたハンバーガーには、確かに『てりやきスイートバーガー』の文字がっ!?
浩平が椎名を見る。
他の三人も椎名を見る。
椎 名「う・・・ん・・・・・はえ?」
ちょうどの椎名の目が覚める。
浩 平「・・・椎名・・・おまえ・・・まさかっ!!」
椎 名「・・・・・ほえ?」
長 森「繭っ!なんてことをしたんだよっ!!私はそんな子に育てた覚えはないもんっ!!」
泣きながら繭を責める長森。
浩 平「・・・どんな立場なんだ、おまえは。」
長森にツッコミを入れる浩平。
 茜 「生かしておくわけにはいきませんね。」
長 森「こうなったら、繭を殺して私も死んでやるもんっ!!」
椎 名「うぐっ・・・うああああぁぁぁーーーーーんっ!!ごめんなさあーーーいっ!!」
あまりの事に椎名は泣き出してしまった。
七 瀬「ちょ、ちょっと待ちなさいよっ!!」
椎名を庇う七瀬。
普段は椎名を敬遠しているが、本当は椎名のことが大事なようだ。
浩 平「ふっ。謎は少し解けた・・・。犯人は・・・七瀬かもしれないーーーっ!!」
浩平はビシッと七瀬を指さして叫んだ。
七 瀬「なんでじゃああああぁぁぁーーーーーっ!!」
七瀬の跳び蹴りが、浩平の胸に決まる。
浩 平「ごげふっ!!・・・七瀬は・・・白か・・・・・。」
床に仰向けに倒れながら、呟く浩平。
胸に攻撃を受けたのに、なぜか鼻血も出てる。
七 瀬「あんた・・・なんでこんなことをしたのよ?」
椎 名「ぐすっ・・・うぐっ・・・持ってきてくれたの・・・・。」
泣きながら浩平を指さす椎名。
七瀬、長森、茜の3人は無言で浩平を見つめる。
浩 平「・・・・・うっ・・・そういえば、学食の兄ちゃんが、新しいハンバーガーがあるって言ってたから、倒して奪い取って、椎名にも一つにやったような覚えはあるが・・・。」
七 瀬「・・・・・。」
長 森「・・・・・。」
 茜 「・・・・・。」
じりじりと浩平に無言で詰め寄る三人。
椎 名「♪」
椎名は泣きやんで『てりやきスイートハンバーガー』を食べようとしている。
浩 平「お、オレか?もしかしなくてもオレが悪いのかっ?」
学食が張りつめた空気に満たされる。
浩 平(まずいっ!逃げなくてはっ!!)
浩平は立ち上がり、三人に背を向けドアへと走り出した。
ガラッ。
浩 平「っ!」
しかし、ドアには別の人影が立ちはだかっており、逃げ出せなかった。
 澪 (にこっ)
 澪 『お昼になったの』
澪だった。
浩 平「くっ!」
しかし、浩平も同じ轍は四度も踏まない。
浩平は学食の反対側の入り口に走った。
浩 平「ふふっ・・・今回こそ、逃げ切ってみせるぜっ!!」
ガラッ。
浩 平「っ!」
しかし、そちらのドアにも別の人影が立ちはだかっており、逃げ出せなかった。
みさき「浩平君、自分だけずるいよ〜〜〜っ!!」
みさきだった。
七 瀬「逃がすかああああぁぁぁーーーっ!!」
長 森「お仕置きだもんっ!!」
 茜 「死んでもらいます。」
 澪 『ラーメン食べるの』
みさき「私にも一口食べさせてよ〜っ!」
椎 名「みゅ〜っ♪」


漢字テストに「自業自得」という言葉が出たら、間違いなく書けると思った浩平だった。


−−−−− 余談 −−−−−


その日、みさきは日直だった。
雪 見「ほら、みさき!黒板消して!」
みさき「う〜・・・分かったよ、雪ちゃん。」
雪 見「そしたら、黒板消しをきれいにする!」
みさき「うん。」
ガラッ。ぱんっ、ぱんっ。
教室の窓を開け、黒板消しを棒で叩くみさき。
みさき「・・・けほっ・・けほっ・・・。」
雪 見「馬鹿ね、みさき。黒板消しをきれいにするときは、こうやって手ぬぐいを・・・・・。」
雪見は、みさきの頭に手ぬぐいをかけ、鼻の所で結んでやった。
みさき「ありがとう、雪ちゃん。やっぱり、雪ちゃんは親友だよっ!」
雪 見「オーバーねえ〜・・・。」
雪見はにっこり笑って言った。
ぱんっ、ぱんっ。
みさき「・・・けほっ・・けほっ・・・。」
・・・・・・・。


−−−−− あとがき −−−−−

 雫 「ん。なんとか完成!」
大福男「えらい間があったなあ〜・・・その2は、もう『りーふ図書館』にあるし。」
 雫 「ううっ・・・ドッペル七瀬と遊んでたら、遅くなちゃって・・・。」
大福男「・・・・・それはコレットだろ。」
 雫 「うぐっ!こ、今回は予想以上に長くなってしまったんで、感想は、次回感想ONLYでっ!」
 雫 「それと『白い記憶』の第二章が読んで見たいという奇特な方がいらっしゃいましたら、メール下さいね。お送りします。」
大福男「でも、第二章を読まなくても、話通ってるしな・・・。」
 雫 「ごふっ!!(吐血)で、では、また〜♪」