折原少年の事件簿4(その2) 投稿者:
川名みさきから学食お昼消失事件解明の依頼を受けたオレは、何の手がかりも得られないまま次の休み時間を迎えた。
しかし、オレと助手の椎名はあきらめることなく調査を再開した。


浩 平「ふう。酷い目にあった・・・。」
でも、生きている浩平。
椎 名「みゅーっ!!(自業自得よっ!!)」
浩 平「う゛。き、気を取り直して・・・椎名!まずは現場付近の聞き込みだな。」
椎 名「みゅー。みゅー。(極めて論理的な行動だわ。犯人が犯行現場に再び現れる可能性も低くはないしね。)」
浩 平「よしっ!学食へ行くぞっ!!」
椎 名「みゅーっ!!(任せてっ!!)」


学食。
浩 平「うむー・・・・誰もいない。」
昼休みじゃないんだから当然である。
浩 平「どうしたもんかな。椎名・・・って・・・あれ?」
椎名はいなかった。
浩 平「・・・・・はっ!さすが椎名!早速有力な手がかりを見つけ、調査に向かったなっ!!」


その頃、椎名は。
椎 名「みゅ〜・・・・・。」
長 森「いい、繭。浩平になんかされそうなったら、走って逃げるんだよ?」
七 瀬「あんたも、一応、女の子なんだしね。」
椎 名「みゅ〜・・・・・。」
長森達に説教されていた。


再び学食。
浩 平「・・・しょうがない。第一発見者であり、依頼人でもある、みさき先輩でも呼ぶか。」
1人なのになぜか説明的なセリフを言う浩平。
ガラッ!
浩平は学食の窓を開けた。
浩 平「明日は・・・いい天気だな。」
まだ、昼前である。
みさき「そっか、今日は夕焼けなんだ。」
しかし、ちゃんと現れるから、意外と律儀なのかも知れない。
それと、念のために言っておくが、まだ昼前である。
浩 平「みさき先輩・・・一つ訊いてもいいか・・・。」
浩平は躊躇した後、思い切って口を開いた。
みさき「なに?」
浩 平「・・・・・・どうして、頭に手ぬぐいをかぶって、鼻の所で結んでるんだ?」
みさきは、なぜか頭に手ぬぐいをかぶって、鼻の所で結んでいた。
みさき「・・・・・あ、別にあやしいものじゃあないよ。」
おもいっっっきりあやしいものである。
浩 平「それと、朝一で、学食からお昼がなくなったのを、なぜ、みさき先輩が知っているんだ?」
みさき「・・・・・なっ、内緒だよっ!」
浩 平「その『間』はなんなんだ?」
みさき「め、めめめめ目の錯覚だよっ!!」
浩 平「どもってるぞ。」
みさき「たっ、大変っ!!掃除当番さぼちゃったから、雪ちゃんが怒ってるよ!早く行かなくちゃっ!!」
だから、まだ昼前なのだが・・・。
みさきは学食から速攻で逃げ出した。
浩 平「・・・・・あやしすぎる。」
浩 平「しょうがない。そろそろ、俺も教室に戻るか。」
浩平が学食を出たとき、1人の人影が現れた。
 髭 「んあー、折原。こんな所で何をしている。」
浩 平「あっ。髭・・・じゃない先生。」
人影は髭であった。
浩 平「学食のお昼がなくなったっていうで、調査しているんです。」
 髭 「んあー、そうか。しかし、なくなったといっても、新メニューで出そうとした、試作品だけだぞ。」
浩 平「へ?そうなんですか?」
みさきは浩平に、この世の終わりとばかりに説明していたので無理もない。
浩 平「で、先生・・・その新メニューっていうのは・・・?」
 髭 「んあー、詳しくは知らんが・・・・・。」


浩平は教室に向かって走っていた。
浩 平「そうか・・・そういうことだったのかっ!!」
ガラッ!
浩 平「はあ、はあ、はあ・・・・・。」
浩平は教室のドアを開け中に入る。
長 森「あっ。浩平が戻ってきたよ。」
 茜 「・・・・・色欲変態魔人ですね。」
七 瀬「また、変なまねしたら、本気で殺すわよ。」
酷い言われようである。
椎 名「みゅ?(なにか有力な手がかりはつかめたのかしら?)」
浩 平「ああっ!謎は・・・全て解けたかもしれないっ!!」
キラリーン!
浩平の歯が光る。
椎 名「はえ〜っ(なんですって〜〜〜っ)」
浩 平「犯人は・・・この中にいるかもしれないいいいぃぃぃーーーーーっ!!」
みんな「っ!!」
数々の困難を助手の椎名とともに乗り越え、遂に犯人を突き止めた浩平。
教室中のみんなが浩平に注目する。
浩 平「犯人は・・・・・お前だああああぁぁぁーーーーーっ!!」
浩平が決めゼリフを叫びながら犯人を指さす。
その人物は・・・・・。
 茜 「・・・・・。」
茜だった。
 茜 「違います。」
浩 平「茜・・・なぜこんなことを・・・って、えっ?・・・違う?」
 茜 「はい。違います。」
浩 平「・・・・・。」
浩平は困った。
犯人というものは、名指しすれば悪事をべらべらと話すはずであった。
浩 平「は・・・犯人は・・・・・沢口だああああぁぁぁぁーーーーーっ!!」
浩平は南を指さした。
 南 「おれは南だぁぁぁーーーっ!!」
南は泣きながら走って教室から出ていった。
浩 平「は、犯人は・・・・・住井だああああぁぁぁーーーーーっ!!」
住 井「友情の印に餃子の皮をむいてくれたのは偽りだったのかぁぁぁーーーっ!!」
住井は泣きながら走って教室から出ていった。
浩 平「は、犯人は・・・・・佐織だああああぁぁぁーーーーーっ!!」
佐 織「どうせ私は名字で呼んでもらえないわよぉぉぉーーーっ!!」
佐織は泣きながら走って教室から出ていった。
浩 平「は、犯人は・・・・・。」

浩 平「はあ、はあ、はあ・・・なかなか・・・当たらんものだな・・・。」
教室には、浩平、椎名、長森、七瀬、茜の5人を残すだけとなった。
七 瀬「あんた・・・友達なくすわよ。」
しかし、広瀬を犯人呼ばわりして教室から追いだしたのは七瀬だったりする。
浩 平「これで振り出しに戻ったか・・・。」
椎 名「みゅーっ!!(ぜんぜん、謎が解けてないじゃないのーっ!!)」
長 森「ねえ、浩平。なんで、最初に里村さんが犯人だと思ったの?」
長森がナイスなアシストで話を戻す。
浩 平「ん?それは、学食からなくなった新メニューといのが、練乳たっぷりの・・・・・。」
ぴくっ。
茜の頬が動く。
 茜 「浩平・・・・。」
浩 平「な、なんだ、茜?」
がしっ!
 茜 「今すぐ、犯人を捕まえて下さいっ!!」
茜は浩平の襟首をつかむと、教室から走り出た。
浩 平「うおおおおぉぉぉぉっ!!」
引きずられて教室を後にする浩平。
七 瀬「ちょ、ちょっとっ!!」
長 森「待ってよ浩平!!」
椎 名「みゅ〜♪」
三人も茜に引きずられた浩平を追って教室を後にした。


ガラッ!!
 髭 「んあ〜。・・・・・なんで誰もいないんだあ〜?」



−−−−− あとがき −−−−

犯人を追いつめておきながら、『実は犯人じゃなかった』という些細なミスを起こしてしまった折原少年。
果たして事件は解決するのか!?そして、髭の授業の行方はっ!?
生徒の消えた教室に、髭の推理が冴えわたるっ!!ってゆうか、そっちの推理が冴えわたってどうするっ!?
次回『折原少年の事件簿4〜学食お昼消失事件〜』遂に完結っ!!
さらに、感想も次回っ!!(ヲイ(−−;))