折原少年の事件簿2(その3) 投稿者:
 髭から制服密売オークション事件解明の依頼を受けたオレは、何の手掛かりも得られないまま放課後を迎えた。
 しかし、俺と助手の澪は・・・・・捕まっていた。
浩 平「・・・なぜだ?・・・なぜいきなり捕まっているんだあぁっ!」
浩平と澪は両手と両足を縛られて体育館にいた。
体育館には何十人もの男子生徒がおり、中には浩平の見知った生徒もいた。
なぜ、いきなり捕まっているかというと・・・・・もう、(その3)だからである。
住 井「悪く思うなよ、浩平。せっかくのオークションを邪魔されたくないんでな。」
浩 平「思いっっっきり思うわぁ!住井・・・おまえが犯人だったとはな!」
住 井「?・・・勘違いしているようだから言っておくが、このオークションは俺が開いたんじゃないぞ。」
浩 平「信じられるかっ!なら、なぜオレが調査しているという秘密を知っているんだ!」
住 井「おまえが昼休みに、教室で力いっぱい説明してたからだ。」
浩 平「・・・・・。」
 澪 (じいっーーー)
浩 平「・・・さ、さすが住井だ!」
住 井「・・・・・。」
 澪 (じいいいっーーー)
浩平が不信のまなざしにさらされているなか、不意にオークションの開催を知らせる声が聞こえた。
その声は・・・。
みさき「みんなーーー。今日はよく来てくれたね!」
浩 平「み、みさき先輩!」
 澪 (!)
体育館の壇上にはマイクを持った川名みさきの姿があった。
みさき「今日は私が着ている制服をオークションにかけるよ。恥ずかしいけど・・・買ってね!」
おおーーーっという声が体育館に響きわたる。
住 井「始まったようだな・・・。」
なぜか悦にいる住井。
5万円から始まって、6万、7万と値段が競り上がっていく
浩 平「10万っっっ!」
住 井「・・・おい。」
浩 平「みさき先輩の制服・・・誰にも渡さん!!」
浩平はすでに当初の目的を忘れている。
 澪 (はうっーーー)
だがその時、体育館に突然、ノイズのようなヘヴィメタルが響きわたった。
浩 平「こ、この曲は・・・・・七瀬のテーマっ!!」
体育館の入り口にスポットライトがあたり、竹刀を持った七瀬留美が現れた。
七 瀬「乙女の命とも言える制服を売買にかけるなんて・・・たとえタクティクスが許しても、この七瀬留美が許さないわっ!」
そして、スポットライトを操作しているのは・・・。
長 森「ねえ?何で私たちがこんなことしているのかな?」
 茜 「なんでも100万以上の値段が付くとまずいとか・・・。それに、クレープをおごってくれるそうですから。」
長森瑞佳と里村茜の二人だった。
七瀬は次々と男子生徒をなぎ倒し、浩平のもとにいた住井も一撃で倒した。
住 井「ぐふっ・・・いい竹刀さばきしてるぜ・・・。」
浩 平「住井っ!・・・女房おもいのいい奴だった・・・。」
住井はやっぱりいい奴である。
 澪 (?)
七瀬は浩平を見つけると、ビシッと指さして叫んだ。
七 瀬「やっぱり・・・あんたが親玉ねっ!」
浩 平「この格好のどこをどう見ればそうなるんだぁっ!」
浩平は縛られたままである。
長 森「浩平・・・なんて事をしたんだよ。」
 茜 「・・・見損ないました。」
いつのまにか、長森と茜の二人もやってきていた。
浩 平「おまえら・・・。」
長森は澪に気が付くと、縛られていた縄をほどいてやった。
長 森「大丈夫?」
 澪 (にこにこっ)
 澪 『だいじょうぶなの』
澪はようやく戒めから解放され、スケッチブックを手に笑顔で答えた。
浩 平「・・・はっ!みさき先輩はどうした?」
長 森「みさき先輩って、3年の?」
浩 平「そうだ!みさき先輩が犯人だったんだ!」
七 瀬「よし!追っかけるわよ!」
浩 平「おそらく、みさき先輩の行き先は・・・地下10階にある図書室だ!」
 茜 「行きましょう。」
浩 平「図書室の入り口は隠し扉になっている。注意して探すんだ!」
七 瀬「行くわよ!」
七瀬を先頭に、長森、茜、澪が後に続いて体育館を飛び出した。
浩 平「・・・・・。」
浩平はまだ縛られたままである。

30分後。

七 瀬「駄目だわ。地下10階の図書室なんてどこにもなかったわよ?」
長 森「こっちもだよ。」
 茜 「私もです。」
 澪 『つかれたの』
全員、体育館に戻ってきていた。
浩 平「うむーーー。冗談だったんだが・・・。」
ばきっ!ざすっ!げしっ!どすっ!ぺしぺしっ(スケッチブックで叩く音)・・・。
浩平は縛られたまま袋叩きにあっていた。
しかし、そのお陰でようやく浩平を縛っていた縄がほどけた。
浩 平「ぐふっ・・・計算・・・通りだぜ・・・。」
計算通りな割りにはぼろぼろになって立ち上がる浩平。
浩 平「・・・先輩が行くとすればただひとつ・・・屋上だ!」
浩平は屋上へと走り出し、全員が後に続く。
階段を駆け上がり、折曲厳禁の立て札を蹴り倒し、屋上の扉を開けた。
浩 平「・・・あれっ?」
長 森「はあっ、はあっ・・・誰もいないよ?」
 茜 「そうですね。」
屋上には誰もいなかった。
浩 平「・・・待て。犯人は・・・この中にいるぅぅぅ!!」
浩平はビシッと屋上の排水パイプを指さして叫んだ。
 澪 『まっくらなの』
七 瀬「こんな所に入れるかぁーーーっ!」
しかし、その時突然みさき先輩が現れた。
みさき「見つかっちゃったね。」
七 瀬「いっ、一体どこから?」
みさき「排水パイプの中だよ。」
七 瀬「どうやってぇっ!」
みさき「がんばれば不可能じゃないよ。」
 澪 『すごいの』
長 森「さすが、上級生だね!」
 茜 「そうですね。」
七 瀬「・・・・・。」
七瀬以外は感心していた。
浩 平「・・・みさき先輩・・・なぜ、こんな事を?」
みさき「・・・実は・・・今月は貧乏なんだよっっっーーー!」
泣き崩れるみさき。
浩 平「・・・しかし、いくら貧乏だと言っても・・・。」
みさき「それが・・・借金しちゃって・・・『お金が返せないなら制服でも売って返せ』って・・・。」
長 森「なんてひどい・・・。」
 澪 『そうなの』
みさき「極悪人だよ・・・。」
 茜 「本当ですね。」
浩 平「いったい、誰がそんな事を・・・。」
みさき「・・・浩平君だよ。」
全員の視線が浩平に集中する。
浩 平「えっ?・・・そういえば、学食で先輩がお昼を払えなかった時に立て替えてそんなことを言ったような覚えはあるが・・・。」
七 瀬「・・・・・。」
長 森「・・・・・。」
 茜 「・・・・・。」
 澪 (・・・・・)
じりじりと浩平に詰め寄るみんな。
浩 平「お、オレか?またオレが悪いのかっ?」
屋上に張りつめた空気が流れる。
浩 平(まずい!逃げなくては!)
浩平はみんなに背を向け、ドアへと走り出した。
浩 平「っ!」
しかし、ドアには別の人影が立ちはだかっており、逃げ出せなかった。
椎名だった。
椎 名「みゅーっ!」
七 瀬「またおまえかぁーーーっ!」
長 森「信じられないよ!もうっ!」
 茜 「最低です。」
 澪 『ひどいの』
みさき「カレーライス20杯食べただけだったのに・・・。」

この日、浩平はこの世界との絆が消えるのを確信した。

 −−−−− あとがき −−−−−
 またしても浩平の活躍により、事件は見事解決!しかし・・・ぐわっーーー長い!更に長くなってしまったぁーーー!SSなのにぃーーー!・・・すみませんでした。

 感想です。

 渡部いちごう様 ぜんぜん煽ってません。ただ・・・私が書き込もうとすると、なぜか「日常ものがたり」があって、創作意欲をかきたてるのです!
 それと・・・すみません!レスの名前間違ってましたぁ!ああっーーーオレって最低だぁーーーっ!どのぐらい最低かと言うと・・・桜の咲く公園で渡部いちごうさんがアイスクリームを持ったまま「冗談・・・だよね・・・?」というぐらい最低だあーーーっ!申し訳ありませんでしたぁっ!

 ぎぃ様 くうっ!マニュアルですか。やられましたね。

 西山英志様 ○木家特製キノコ・リゾット!茜が食べたら・・・いつもと変わらなかったりして。

 GOMIMUSI様 「きっぱりと拒否」のところで、「うおおっ!まちがいなく茜だぁーーー!」と叫んでしまいました。