あの日から一体何度巡ってきた雨の日だろう。流れつづける雫はわたしの心を洗い 流してくれることもなく、未だに振り切れないでいる気持ちをあざけるようにシトシ トと世界を薄暗く塗り替えるだけ。 そしてわたしは、その中を磔にあった囚人よろしく、または地縛霊かのように約束 の場所へ足を運ぶ。約束も何も交わしていないのにもかかわらず、 『ただいま』 ずぶ濡れになった“あの人”のそんな一言が聞きたくて… 結局今日も変わらずココにいた。いつもの様に目立つピンクの傘を差して、独り空 き地にたたずんでいた。はたから見れば、青空を隠す暗雲で瞳を曇らす姿は滑稽に違 いない。 雨はいつまでも降りつづけ、わたしもまた帰らぬ人を待ちつづける。 終わることを知らない二人の旅路は、誰かがすべてを壊してくれるまで― あれからどれくらい経ったのだろう。新しい一歩を踏み出したはずのわたしはまた 約束の場所にいる。 けど今度は以前と違った。“かれ”には“あの人”とはちがう、生きる意思が感じ られた。それに…“かれ”はわたしを待ってくれた。降りしきる雨の中を傘も差さな いで、約束なんてしていないのにもかかわらず。 だからわたしも、信じて待ちつづけようと思った。ただ、 『…バカ』 ばつの悪そうな“かれ”にその一言が言いたくて…。 周りからすれば、きっと覚えていないのだろうけれども、無駄なことだと見るに違 いない。 その答えを知っているのはわたしと、わたしをよく知る雨の精だけ― ▼後書きみたいなの うみゅうみゅ、一番乗りですぅ。けどなんか恥ずかしいな(ポッ) とりあえず思いつくまま書いてみましたが、どうでしょうか? 本当はみさき先輩でいこうかなって思ってたんだけど、いつのまにか茜に。 どちらもお気に入りのキャラクターなんで、二人のSSを書いてみようかなっ?て考えてます。 …まだまだ未熟者ですネ、もっと修行しなきゃ。 ▼お・ま・け 白状します。実は葉っぱなSSの合間に書いてました(笑)http://www.alphatec.or.jp/~snowbell/