茜色 投稿者: 倉本草太
俺がこの世界に帰って来てから2年・・・
いろいろなことがあった・・・ほんの小さなことだったけど。
前は当たり前だと思っていた日常茶飯事のことも
今思い返すと 本当に幸せだったんだなぁ・・・と思う。

俺はふいっと横を向く。
俺の隣には 茜がいて、優しく微笑んでいた。

これから先、何があっても茜と離れたくない。
会えなくなるなんて考えたくもない。

でも

もし、今2人が離れたとしても
俺は寂しく感じないと思う。

だって俺達は、固い絆で結ばれているんだ。
あかの他人に、すぐ切られてしまうものではない。

そう思っている。

「浩平・・・今何を考えているんですか?」
「・・・・・・・」
俺は無言だ。
「・・・分かっています。 私も同じ事考えていました・・・。」
「・・・そうか。」
茜・・・

「あっ! 浩平、見てください!」
茜が空を指差した。
「綺麗な夕焼け・・・」
「・・・ホントだ。茜色ってやつかな?」
「・・・そうですね。 茜色・・・です。」
茜がクスッと笑った。

その顔を見て、思う。
俺は今幸せだよ。 本当に幸せだ。
だから、この先どんな事が待ち受けていたとしても この気持ちを忘れずにいよう。
幸せと言う気持ち。 それが俺をこの世界にとどませている証拠なんだ。

「茜」
「はい」
「これから激甘ワッフル食いにいくか?」
「はいっ!!」
茜が笑う、俺も笑う。
幸せって こんな素晴らしいものなんだな。