ずるいみずか 投稿者: 狂税炉
『えいえんはあるよ。』
 今まで何千回と聴いてきた,みずかの声。

 目の前にいるのは,出会った頃のみずか。
 他には誰もいない。
 ここには,瑞佳はいない。

 瑞佳を置き去りにしてやってきた世界。
 いつまでも沈まない,夕日。
 いつまでも頭上にある,真夏の太陽。
 いつまでも鳴き止まない,蝉の鳴き声

 俺が,望んでいた世界。
 俺が,拒み始めた世界。
 記憶の中から切り取られた一枚の視界。


伝えなければならない。俺の気持ちを、みずかに。


「みずかは怒るかもしれないけど,俺はもう永遠はいらないんだ。」
『どうして?』
「一番大事な人のところへ帰りたい。これからを歩んでいける世界に戻りたいんだ。」
『・・・うん』
「ごめんな。」
『じゃあ,これならいいんだね?』

 一瞬,視界が真っ暗になった。

 再び世界が俺の目に映り始める。
 すると,みずかが瑞佳になっていた・・・

「へ?」
 間抜けな声を上げる俺。
 目の前で微笑んでいる瑞佳。
 誰よりも大切な人の,俺だけの為の笑顔。

『これなら浩平はここにいてくれるよね』

      (沈黙)

 誰もいない世界に瑞佳と二人きり・・・?

     (いけない妄想)

「これは・・・かなり幸せかもしれないっ」


 めでたし,めでたし!?

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始めまして。
こんなのもありかな、と魔が差して書いてしまいました。
どっかでかぶってそうなネタで、ごめんなさい。
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