翼を剥ぎ取られた竜の話  投稿者:から丸&からす


 あるところに、翼を剥がれた竜がいました。
 どうして竜は翼を剥がれてしまったのでしょうか。
 それは竜が百日の間、空を飛び続けて地上を焼き焦がしたからでした。
 大天使が竜への戒めとして、その翼を剥ぎ取り、固い岩盤の地中深く封じ込めてしまったのです。
 竜は泣き叫びました。幾日も、幾日も、竜は山にこもって叫び続けました。
 山のふもとに住む人々はその叫びに震え上がり、怒りを象徴する狂竜だと噂しました。
 竜は叫び続けました。しかしある時から、翼を奪った大天使への憎しみを抱き始めました。そして今度は百日の間、地上を踏み荒らして数え切れないほどの村落を襲い、数え切れないほどの人々をその爪と牙の餌食としました。
 そして竜は天に向かってこう吠えました。
「我より翼を奪いし憎き天の奴隷よ、我が面前に現れよ。下僕と化した哀れな翼の持ち主よ、我が自由なる翼を返せ」
 大天使は鎧と大剣を携え、颯爽と地上に降り立ち、竜と拮抗しました。
「愚かなる!愚かなる獣よ!貴様からはさらに四肢の自由を奪ってやろう。永遠の責め苦を受けるがいい」
 大天使は大剣を震い、竜の四肢を切り落としました。四肢を失った竜はもがき苦しみながらも、最後の一撃とばかりに、千里の野をも焼き尽くす恐るべき炎の矢を、大天使に向かって撃ち放ちました。
 大天使は矢の破片を受け、脇腹に火傷を負いました。それでも竜には止めを刺さず、天に帰る直前にこう言いました。
「全能者に牙を剥いた者よ。呪われるがいい。貴様は四肢を失ってもなお生き続け、この世の苦しみを耐え続けるのだ。生きるがいい、愚かなる竜よ。蛇にも劣る邪悪なる者よ。地を這って生きるがいい」
 それから竜は人間達の報復を受けました。四肢を失った竜は戦うことも出来ず、人里を離れ、荒れ野の奥へ奥へと追いやられました。
 そして荒れ野の一角に深い深い穴を掘り、その中に隠れました。竜はこれから永遠に、神への冒涜の言葉を吐き続け、天に向かって決して届かない炎を放ち続けました。
「憎き天よ!憎き全能者よ!憎き天の下僕達よ!我が呪いを受けるがいい、尽きることのない我が呪いを受けよ!貴様らの元に、この炎の矢の届かんことを!!」

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 タクティクスとはまったく無縁です。
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