幼なじみ 投稿者: から丸
//七瀬ストーリー最中の長森瑞佳創作サイドストーリーです。
  *18歳未満の方は読んではいけません


「わああああーーーん!!」
 どうしてこんなに悲しいんだろう。
「うわあああーーーーん!!」
 わかっていたはずなのにどうしてこんなに悲しいんだろう。
「うわあーーーーーん!!!」
 七瀬さんと浩平が。
「ううう・・・ぐすっ・・・」
 浩平に、大切な人ができた。
「・・・うわあああーーーーーん!!」
 私よりも大切な人ができた。
「うわーーーーん!うわあーーーーーん!!」
 一番近くにいるのは、もう私じゃない。
「うわああーーーーーーーん!!」
 ずっと一緒にいたのに、浩平のことを大切に思ってきたのに。
「わあああーーーーーん!!」
 私じゃ、だめだった。
「うわああああーーーーーーーーん!!」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 冬休みの終わった翌日、久しぶりに学校に行ったその当日。
浩平と七瀬さんの間の雰囲気が一転していた。
浩平の七瀬さんを見る眼が、それまで誰に対しても
向けられたことのない優しいものだった。
もちろん、何があったのかはすぐにわかった。
 私だけじゃなくてクラスの皆も感づいたようで、
まるで弟をとられた姉を気遣うように沙織たちが
心配してくれたけれど、私は別になんともないよって強がるだけだった。
 わかっていたことだった。
でも、未練たらしく最後まで希望を捨てきれないのが私の悪い癖だ。
それが決定的なものになって初めて、
まるで信じられない事実を突きつけられたかのようにひどく悲しくなるのだ。

「きっとその人は七瀬さんのことが好きなんだよ。」
 その気持ちを一番認めたくなかったのは私だ。
「私、浩平みたいに鈍くないからわかるんだ。」
 二人の距離が狭まる度に私はどれだけそれにびくびくしていたか。
「意外と、運命の出会いなんじゃない?」
 後になってどれだけ、二人を引き離したいと思ったことか。

「うわああーーーーーーーーーーん!!」
 演技なんてしたくなかったんだ。
「うわああああああーーーーーーーん!!」
 でもそれが務めだと思って。
「うわああああああああーーーーーーーーーん!!」
 それは間違ってなかったかも知れない。でも、そんな言い訳で諦めきれるほど
私の思いは弱くなかった。
「うわーーーーーーーーーーん!!」
 本当は他の女の子と付き合って欲しくなんてなかった。
できることなら、浩平のことを独り占めしたかったんだ。
「うわあーーーーーーーーーーん!!」
 手遅れになる前にほんの少し勇気を出していれば、変わっていたかもしれない。
「うわーーーーーーーーーーん!!」
 どうしてもそんなことを考えてしまう。
「うわあーーーーーーーーーん!!」
 私はなにもしないまま、諦めなければならないのだろうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 毎朝の決まった光景。
浩平を半ば叩き起こして、急いで準備させて、
通学路を全力で走って、遅刻寸前で門をくぐる。
今まで当たり前だった、そしてもう決して戻ってこない日々だ。
 同じようにすることはできるだろうけど、もう今までとは違う。
 もう終わったのだ。浩平と二人で集めてきたいろんな記憶。いろんな幸せ。
もう二度とは戻ってこない。浩平の心の中には、もう別の人が生きているから。
 だから最後に、二人で過ごしたその記憶に証が欲しくなったのだ。

「浩平・・・」
 いつもと同じ浩平の部屋。いつもと同じ時間。
いつもと同じ姿形の私。
 ただ今日は、カーテンを開けなかった。
「浩平、起きて。」
 ベッドから布団をはがして、
浩平の体をゆさゆさと揺する。
「んん・・・なんだ長森・・・新手の起こし方かぁ・・・?」
「・・・」
「カーテンも開けてないのか・・・」
「・・・」
「おい、長森?」
 こんなときどうすればいいのだろう。なんの抵抗もなく
部屋に入れてしまったし、向こうはなにも警戒していない。
 自分の心臓の音だけが、うるさいくらい頭に響く。
「もしかしたらこれは夢か。」
「違うよ。」
「おお。じゃあ寝よう。」
「待って・・・」
「えーい、俺にどうしろってんだ。」
「・・・」
「おい、長森。」
「・・・」
「なあ・・・ってうお!?な、なんだ??」
 私はなにも考えないことにした。目をつぶって、
浩平の胸元に飛び込んでそのまま浩平の
背中に腕をまわして抱きしめた。
 いつも側にいたけれど密着することはまずない。
浩平の体温と懐かしいような匂いが
たまらなく心地よくてつい、ぼうっとしてしまった。
「な、長森。もう起きてるぞ。
それにもっと力を込めないと苦しくない・・・」
「あ・・・」
「なあ、長森・・・?」
「浩平。」
「ん?」
「七瀬さんと、付き合ってるんだよね。」
「あ、ああ。なんだよ、知らなかったのか?」
「知ってたよ。浩平が七瀬さんのこと好きだってことも、結構前から。」
「俺自身より先に気づくな!でもそれならどうしたんだ?」
「やっぱり、行っちゃうんだね。」
「どこに。」
「私から離れていっちゃうんだね。」
「誰もお前からは離れないぞ。」
「私より大切なひとができたんだね。」
「あ・・・?」
「私じゃだめなんだね・・・」
「・・・・・・」
「私は今でも、浩平を一番大切に思ってるよ。」
「・・・」
「それでも行っちゃうんだね。」
「長森・・・」
「浩平。私、いままで浩平の面倒見てきたお礼が欲しいな。」
「なんだよ。」
「なんでもいい・・・?」
「言ってみろ。」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「なんだよ。早く言え」
「抱いて・・・」
 私と同じように、浩平も私のことを抱きしめた。
私の腕はさっきから浩平の下になっているので、ちょっと痛くなっている。
「抱いたぞ。」
「そういう意味じゃなくて。」
「なんだよ。」
「だから・・・」
「・・・・・・っておい!待て!!」
「やだ。」
 逃げようとした浩平を放さないように力を込める。
「お願い。」
「待て待て待て。長森、お前初めてだろ。」
「・・・うん。」
「だめだ。そんなこと・・・」
「初めてだから、浩平がいいんだよ。」
「う・・・」
 浩平の動きが急に止まった。
「でも、待てよ。そんな簡単に・・・」
「私は真剣だよ。」
「なんで・・・」
「離れて行っちゃう前に、伝えておきたいんだよ。」
「それなら口で」
「それに証が欲しいんだよ。浩平の一番近くに私が居たっていう証。
私の最初で最後の我が侭だよ。恋人にしてなんて言わない。
一瞬でいいから私のことを愛して、それと一緒に私の気持ちも受け取って・・・」
「長森・・・。」
「浩平。」
 浩平が急に体の向きを変えて、私を下にした。
「言っとくけど・・・俺も初めてだぞ。」
「ほ、ほんとう?」
「当たり前だ・・・」
 私が浩平にとって初めてのひと。
よくわからなかったけど、胸の中に何か誇らしいような感動が広がった。
「長森・・・」
「浩平・・・ん・・・」
 浩平は苦いような表情をすると、そのまま私と唇を合わせた。
 ファーストキスの余韻にひたるまもなく、浩平は私の上着を脱がしにかかった。
ブラウスのボタンをひとつひとつ、少し震えているような手つきで外していく。
「長森。顔が真っ赤だぞ。」
「こ、浩平だって同じじゃない。」
 ブラウスがはだけて白い下着が露になる。浩平は休まずに私の
下着を上にずり上げると、手で触れてきた。
「あ・・・」
「お、大きいな、意外と。」
「そう・・・?」
 しばらくの間手でもてあそぶと、今度は顔を近づけてきた。
浩平の舌先が胸の中央を舐め上げる。
「う、あ・・・」
 口に含んでわずかに吸い上げる。その未知の感触に、
私の頭は真っ白になってしまった。
「こ、浩平・・・」
「なに不安そうな顔してるんだよ。」
「不安なんかじゃ・・・」
「信頼しろって。」
「うん・・・」
 浩平の手が私の腰に回ってなにやらまさぐりはじめた。
「ま、待って。スカートは脱がさないで。」
「なんだよ。」
「お願い。」
「わかったわかった・・・」
 スカートをそのままにして浩平の手が直接中に入ってくる。
太腿のあたりを撫で付けるように触ると、素早く両足の中央に手を滑らせた。
「あああ・・・!」
 恥ずかしさのあまり正面から目をそらすと、
無防備になった首筋に浩平が顔を寄せて唇で触れた。
思わず切ないような声を漏らしてしまう。
「浩平・・・あ、あう・・・」
 下腹部に回っている浩平の手が、私の部分を執拗に責めたてていた。
さっきまできつく閉じていた両足からは完全に力が抜け、されるがままになっていた。
 私のそんな様子を確かめると、浩平は下着の中に手を入れてきた。
指の感触が直に伝わる。
「ふ、う、ぐす・・・」
「泣くなよ。・・・ってどんな心情なんだ?」
「な、なんだか。巣立ちする小鳥みたいな気分・・・」
「笑うぞ・・・」
 腰の辺りから痺れるような感覚が走る。顔中が熱くなって、
いや頭の中も何かが満たされているような感じがして、とにかく熱い。
 それにさっきから耳鳴りがすごい。そんな私の非常事態をよそに
浩平はさらに行動を起こした。
「わあ、ちょっと待って。」
「待てるか。」
 止めるまもなく、浩平は私の下着を脱がしきってしまった。
そのまま今度は私の両足を上にあげた。恥ずかしい格好で
私の部分が浩平の前に露になる。
「や、や、やだ。」
 必死で抵抗したけれど、浩平に押さえつけられて何もできなかった。
 浩平が身を屈める。
「やぁ・・・あ・・・嘘・・・」
 浩平が舌先で私に触れる。さっきからの行為ですっかり敏感になってしまったんだろう。
瞬間、びくっと震えてしまった。
「長森・・・もういいな?」
「な、なにが?」
「えーっと・・・」
 浩平がチャックを下ろした。
「!!!」
「鈍いやつだ・・・それにまた目をそらしたな。」
「そ、そんなの入るの?」
「当たり前だ。ほら、楽にしろよ。」
 さっきと同じ姿勢のまま、浩平自身が私に触れてきた。
「行くぞ。」
「うん・・・」
 浩平が私を押しのけるように入ってくる。
少し無理やりな気のするものが少しずつ、でも決して休まずに入ってくる。
「ふ・・・」
「大丈夫か。」
「う、うん・・・」
 途中で、一度つかえて、ひどい激痛が襲った。
思わず気が遠くなる。
「長森。」
「う・・・浩平ぃ・・・」
 目の前に浩平が居ることを確認した。
 私の中に入ってきているのは浩平だ。私が、一番近くに行きたいって望んだんだ。
一瞬だけど浩平が私のことを愛してくれるんだ。だったら、がんばらなきゃ。
「浩平・・・」
「長森。」
 何かを突き破ったような感触がした。そのまま一気に、
浩平が私の奥まで到達する。
 今までで最大の激痛が身を焦がす。でも、この痛みは浩平と一つになれた証拠だ。
だったら、痛くない。
「はぁ・・・浩平っ。」
「長森・・・」
 浩平が私のことを抱き上げてくれた。最愛のひとが、いま一番近くにいる。
世界の中で誰よりも近くに、浩平の近くに居るんだ。
浩平が私の中で動いた。
「長森、愛してるぜ。誰よりも愛してる!」
「私もだよ。浩平、大好きだよ・・・」
 浩平が私の中で動く。痛みはもうどうでもよかった。
この瞬間をなにより大切にしたかった。
「浩平。浩平。浩平・・・」
「な、長森。もう放せ・・・」
「どうして・・・」
「げ、限界が・・・」
 浩平が私を持ち上げて離れさせようとしたのを、私は浩平の首に抱きついて阻止した。
ここまで来て、最後に離れることなんかできない。
「な、長森・・・」
「お願い。浩平、そのまま・・・」
 浩平のから熱いものが放たれる。私の中が一瞬でいっぱいに
なる。私は浩平を、どうしても最後まで受け止めたかった。
 二人は硬直が解けるまで、そのままつながったままだった。
その間もずっと、浩平は私のことを抱きしめ続けてくれた。
私も浩平を抱きしめた。その感触が永遠、消えずに残るように。

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 勢いでしてしまったのかも知れなかった。
それが正しいことじゃないってこともわかっていた。 
 でも、これでよかった。
 後になればなるほど手遅れになる。気持ちを伝えて、
その上で二人だけの絆がどうしても欲しかったのだ。
 もしかしたら、寂しさを紛らわすためにそれを求めただけなのかも知れない。
 それでも私は後悔していない。それは永遠に消えない二人の絆。
二人が最高に触れ合った証拠。私と浩平の思いの証明だったからだ。

全てが済んだ後、二人は特に格好を改めないまま同じベッドに入っていた。
 それまでずっとぼうっとしていた浩平がようやく口を開く。
「な、なんで全裸の長森が俺のベッドの中に・・・???」
「とぼけたって無駄だよ。それに全裸でもないけど。」
 浩平が確かめるように私の方を見る。ちなみに浩平の腕は私の肩にまわっている。
「ゆ、夢じゃなかったのかよ・・・」
「当たり前だよ。」
「朝起きて、長森が抱き着いてきて・・・ああ、そこでなにかがはじけ飛んで・・・」
「うんうん。」
「な、長森を・・・信じられない・・・」
「私も少し信じられないよ。」
「うう・・・そうだよなあ・・・」
「でも、一度きりだから。」
「・・・ああ・・・」
「でも子供できちゃったらどうしよう。」
「あああそう言えば!!」
「冗談だよ。今日は大丈夫だから。」
「あ、そう・・・」
「それにしても浩平。本当に初めてだったの?ずいぶん手際がよかった・・・みたいだけど。」
「男ってのは朝は無条件に元気なんだよ・・・それに急だったから逆に何も考えなくて・・・」
 浩平は大袈裟に天井を仰いで頭を抱えた。
「ふーん。」
「それに比べてお前は冷静だなあ。」
「浩平、愛してるって言ったよね。」
「ああ・・・」
「今は?」
「一度きりって言ったよな?」
「もう一回。」
「あー、好きだぜ。長森。」
「ふふ・・・」
 横から浩平に抱きついた。そんな私にあわせてくれたのか
浩平は片腕で私の髪を撫でてくれた。今度は緊張ではなくて、
うっとりするような安心感が体を包んでくれる。
「浩平。私のこと好きだった?」
「どうだろうな・・・」
「あ、いいや。言わなくて良いよ。」
「そうか?」
「うん。もう十分だから。」
「そっか・・・」
「浩平。」
「ん?」
 最後に、すべての終わりに私は浩平の唇を求めた。
これが済んだら、もう浩平は私から離れていってしまう。
切ない思いで一杯だった私を、浩平は抱きしめていてくれた。
 この時間が永遠に続けばいいのに、最後に送られた浩平の匂いと温もりを
かみしめながら、そんなことを思ったとき
浩平があの優しい目をしてくれたような気がした。
世界でたった一人、一番大切な人にしか向けられないあの優しげな目。
 浩平に抱きしめられながら、私は心の中で思いを広げた。
 ありがとう、浩平。
 あなたに出会えたことを、二人を包んでくれた全ての時間を、
様々な場所で見つけたいつまでも輝くその宝物を、私は強く抱きしめた。

<終わり>
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 ごほごほごほ、ぐふっげふ!はあはあはあ・・・あはははははは・・・
 はっはっはっはっは・・・あははははふはははははは・・・
 あははははははは・・・あーあ・・・・・・
 どうも、18歳未満のから丸です。えー、仮にも「ONE」は18禁のゲームですから
 ここに私のような極悪人以外は18歳未満の方はおらんと思います。
 どうでもいいことですが、「ONE」を購入したのは中学生の時でした。
 あーあ、なんつう無法国家だここは。
 読んでくださった方、ありがとうございました。
 そういう描写を入れるのは初挑戦で、自分で後から読んでみるとすっごくわかりにくい・・・
 それでも読んでくれた方、どうでしたでしょうか?
 感想をくれますとかなり嬉しいです。
 古株の方からは抗議もありましょう。書いてください。
 なお、主に強制削除される可能性もないことはないのであしからず。
 
 皆さんにならいまして、私も作品に感想をいれておきます。
 
>まてつやさん
 ・車の中でヌイてもらえ!
  ・・・あ、はははは・・・

>ポン太さん
 ・白日夢
  複雑だ・・・最後だけはわかりました。
 ・壺
 OTBってなんでしょ?
>狂悦炉さん
 なるほど。続きがぜひ読みたいです。
>PELSONAさん
 ・Majiでキレる5秒前
  浩平にエールを送ろう。
>高砂さん 
 ・これも一つの「絆」のカタチ
  その「某他社作品」とは一体なんなんだ!?
>うとんたさん
 ・遭遇
   そういえば二人はゲーム中に会うことがありませんね。
   二人の戦いの決着が気になりまが、みさき先輩が
   勝った場合茜はどうなるのでしょう・・・
>雀バル雀さん
 ・一窮さん その4
  途中まで、なにがどうなってんだあ!?って気分でした。
  すみません。その123読んでないです。
  相変わらず雀さんの作品には活力が満ちてますねえ・・・

  全然足りてないけどこれくらいで勘弁して下さい。
  なにせ投稿率が半端じゃない・・・