髭先生の華麗な生活・番外編  投稿者:北一色


注1:相変わらず、髭の出番は少ないです。
注2:これは、私自身がかなり昔に封印していたSSです。かなりの駄作です。
        でも、「髭〜」自体、駄作として書いてるからいーんです(どキッパリ)。
注3:ここ最近投稿してなかったのは、初の「スランプ」だったからです。
注4:ちょっとポン太さん風味入ってるかもしれません。
注5:元々は「髭〜」になる予定など毛頭なかった、とゆーのはヒミツ中のヒミ
        ツです(だから番外)。

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  昼休み。繭のお腹がくーくー鳴り始める。
「お腹すいた……」
「もう、一人で買って来れるよな?」
「……うん」
  最近の繭の成長は著しい。
  無茶な量を買って来る事もなくなり、込み合う購買で誰かに押されても泣かな
くなった。

  ……と思うのは甘かったのだろうか?
「みゅ♪」
「おぃ……」

  12個。

  それが、繭が買って来たハンバーガーの数だった。
「椎名……お前なぁ……!」
「ちょっと!  あたしの机に置かないでよ!」
「わぁっ、繭っ、なんでこんなにいっぱい買って来るんだよっ!?」

「みゅー……食べれるもぅん……」
「絶対食えん」
「無理に決まってるでしょっ!!」
「繭……お腹壊しちゃうよ?」
「みゅー……」
  繭は不満そうだった。

「……まぁいいだろう。試しに食ってみろ。絶対食えんから」
「♪」

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  ……30分後。
「みゅ♪」
「嘘だろ……?」

  完食(こんな言葉あるのか?)。

  12個といえば、かなり体格のいい育ち盛りの男子高校生でもキツいのではな
かろうか?
  少なくとも、小柄な繭には不可能な量のはずだ。
  
  ……いや、そうでもないのか……?
  浩平の脳裏には、カレー3杯を「ちょっとだけ」と言い切った某先輩の姿が浮
かんでたりする。

「まぁ……食えるのなら……それでいい……のかな……?」
「良くないわよ!!」
  七瀬は机を半泣きで拭いていた。ハンバーガーのソースがあちこちについたら
しい。
「ま、些細な事は置いといて……」 
「ちっとも些細じゃないわよっ!!」
「ほぅ、椎名よりも自分の机が大事だ、と?
  七瀬がそんな奴だとはおもわなかったな。
  実に男らしくない」
「う、そ、それは……。……ってアンタ今、余計な事言わなかった!?」
「気のせいだろ。でもやっぱり、華穂さんには話しといた方がいいかもな」
「うん、そうしようよ」

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  椎名家。
「……という訳なんです」
「そうですか。ところで、折原さんは砂糖いくつにします?」
「ええ、2つ……ってちょぃ待てぃ」
「あら?  ミルクもですか?」
「紅茶じゃなくって!!  椎名の事です!!」
「ああ、繭の事ね。
   最近、家でも良く食べてくれて、御飯の作り甲斐があるんですよ(はぁと)」
「(はぁと)なんてつけてないでっ!!  椎名が心配じゃないんですかっ!!」

「育ち盛りですし」
  晴れやかに微笑む華穂さん。神は天にいまし、なべて世は事もなし、とでも言
わんばかりの天使のような笑顔だった。

「うーがーっっ!!」
  頭を掻きむしる浩平。
  既に血管は決壊寸前だ。このままいけば下流は大洪水、ってなくらいに。

  かくして、何ら得る所なく、椎名家の訪問は終わった。

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  数日後。
  いつも通りに、遅刻寸前で瑞佳と共に教室に駆け込んだ浩平は、自分の机の周
りに人だかりが出来ているのを見た。
「おっ、来たか折原」
「住井……なんなんだ、この人だかりは?」
「……自分の机を見ればわかる」
「……?」

  自分の机の周り。
  すなわち、浩平、七瀬、繭、住井の机にまたがるようにして、「それ」はあっ
た。
「……………………」
  蚕。蛹。絹糸……そんな単語が頭を駆け巡る。

「……繭……?」
  浩平がそうつぶやいた瞬間。

  繭が割れた。

「みゅ♪」
「シャレかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――いっっっっっっっ!!!!」

  ……中から椎名繭が出て来た(……あぁ……書いてて自分でくだらん……)。

「……もしかして、今まで異常なまでに食ってたのは……」
  そう、このための伏線だ。

「みゅ♪」
「しかし……全っっ然、成長してないな……」
  ぱっつんぱっつんのないすばでーでも期待してたらしい。

「じゃあ、別に繭作る必要性なんてどこにも……」

  ごそごそ。

「!?」
  その場の皆が一斉に繭(椎名に非ズ)を振り返る。
  そこには――

「みゅ♪」
「みゅみゅ♪」
「みゅー♪」
「みゅっ♪」

 ……数人の椎名繭。

「ガッチ●ンかぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――いっっっっっっ!!!!」

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  ホームルーム開始直前。
「どうする……?」
「大丈夫よ。髭先生だし。……って、ギャ――――ッッッッ!!」
  七瀬は5人の繭に囲まれていた。
  5人が揃いも揃って七瀬のおさげを取り合っている。

  ガラッ

「んあ〜」
  「髭」こと、渡部茂雄教諭の御登場だ。
「んあ〜、今日は出席を取るか」
(なんでこんな時に限って……!!)
  内心焦る浩平の心情も知らぬげに、出席は取られて行く。そして、

「んあ〜……椎名繭A」
「みゅ♪」
  ……………………………………「A」?
「椎名繭B、椎名繭C、椎名繭D、椎名繭E……」
「みゅっ♪」「みゅー」「みゅみゅ♪」「みゅぅ♪」

「5人とも揃ってるな。さて、今日の連絡事項は……」

「何でじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――っっっっっっ!!!!」

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  余談。椎名家。
「あら、また『Dr.ス●ンプ』見てるの?
  繭は誰が好きなの?」
「みゅっ、ガ●チャン……」

  椎名繭に想像具現化能力がある事が判明するのは、これからずっと後の事であ
る。  

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  いちのせみやこさんにならって書いたリハビリSS。出来の違いは能力の差。
  なんとも気力が湧かない今日この頃。
  本作について「アレはどーなった!?」とか「ここは明らかにおかしいぞっ!
!」とか、イロイロ突っ込みたい事があり方もいらっしゃるでしょうが……。

  知らんふりして下さい(←おぃ)。

  あまりに気力がないので、レスのみ。

★Percomboyさん
>「乙女の秋」の続編
  あ、ゼヒお願いします。何せ、私が考えてたラストは、アンソロジーに先にや
られてしまったモノで(^^)。もはや、続きは思いつきません。
「ギャグにならなかった」とゆー事ですが、一応、シリアスでも続けられるんじ
ゃないかな、と。事実、私もシリアス方面への路線変更も考えましたから。
  もし書き上げられましたら、是非是非お願いします(深礼)。

★変身動物ポン太さん
>へっへっへっ…私は悪い子だから最後まで付き合いますよ。(笑)
  感想読んでる最中に気付いたんですが、「失われた記憶(後編)」って、感想
書いた時点で「悪い子」だと確定してしまいますね(笑)。これじゃまるで、「
感想書くな」って書いてしまった気が……(笑)。
>>殺気だった華穂さん
>…ヨーヨー持ってたりして(爆)
  ……実はそれ、書こうかどうか迷いました(笑)。ハイパーヨーヨーだったか
な、とは思うんですが、自信がなかったモンで(笑)。
  本作のラストは、ポン太さんの某SSにリンクしてる気がするようなしないよ
うななんとかかんとか。