失われた記憶(後編)  投稿者:北一色


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前書き
  細かい事にこだわらず、いい加減に読んでください。
  マジメに読むと、ばかを見ます。特に、オチは期待しないでください。
  「>折原浩平」とあったら、浩平視点です。何もなければ3人称です。

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教育番組風(?)のあらすじ

  ……日曜日の朝、折原浩平君が目覚めたら、隣に見も知らぬ美女、ならぬ、良
く知ってる幼なじみの美少女、長森瑞佳ちゃんが下着姿で眠ってました。ちなみ
に自分も下着しか身につけてません。
  おまけに2人とも、昨夜の記憶がありません。何があったのか、自分達が何を
していたのか、思い出せないのです。さらには全身が筋肉痛です。まるで激しい
運動をした後みたいに、です。
  どうしようか2人は悩み、瑞佳ちゃんが何かを言いかけた、まさにその時、突
如として電話が鳴り響いたのでした。

  ……何故たったこれだけの事を、あんなにダラダラと書くんでしょうね。更に
言えば、作者の煩悩が爆発してますね。良い子の皆さんは、こんなSS読んでは
いけませんよ。「はーい」
  ……悪い子の皆さんは、もうちょっと付き合ってね。「へっへっへ……」  

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「もし……。もし、だよ。昨日の夜……わたしたちが……その……そういうこと
に……」

  プルルルル!!

  電話が派手に鳴り響いた。

「……誰だ?  ……ったく、こっちはそれどころじゃないってのに……。
  すまん、長森。後で聴くから」
「……う、ううん、いいよ。大した事じゃないから……」
「……そうか?」

  ドアを開けた時、浩平は部屋の内側と外側で、空気の匂いが違う事に気が付い
た。部屋の内側の匂いをかいでみる。
「……ぐあ……」
  ……猛烈に酒くさかった。
  ずっと部屋にいたせいで、嗅覚がマヒして気付かなかったらしい。いわゆる嗅
覚疲労だ。

  その一瞬、昨夜の記憶がフラッシュバックする。
  思い出そうとする浩平の耳に、再び催促するかのように電話が鳴り響き、浩平
は電話に向かった。
  
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>折原浩平

「……もしもし?」
「あ、その声は、折原君?」
「……佐織か?」
「うん」
「ちょっと今いろいろあってな。切るぞ。後でかけ直すから」
「ちょっと待ってよ。瑞佳、いるんでしょ?」
「なっ……!?」
  ……なんで知ってるんだ!?

「ふっふ〜ん♪  やっぱりね。ついに幼なじみの一線を越えちゃったわけね」
「お、おい……?」
「瑞佳、いるんでしょ?  替わってくれない?」
「…………おう……」
  少し考えてから、俺は長森の所に戻った。

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>長森瑞佳

  はぁ……言いそびれちゃったよ……また……。
  わたしが落ち込んでいると、浩平が戻って来た。ひどく浮かない顔をしてる。

「電話、誰だったの?」
「佐織。お前に替わってくれって」
「………………な……何で……?
  浩平、わたしがここにいるって話したの?」
「いや。何故だか知らんが知ってたらしい。洗いざらい吐かせようかと思ったが
……やめた。お前が佐織から出来る限り聞き出してくれ。あと、口止めもな」
「う……うん」

  わたしは電話に出た。佐織なら昨夜の事について、何か知ってるのかも知れな
い。あるいは……真相そのものを。

「……もしもし、佐織?」
「あ、瑞佳?  おめでとー!!」
「べ、別におめでたい事なんか何もないもん」
「いいって、いいって。
  佐織おねーさんは何でもわかってるから。
  今度、お赤飯炊いてあげるね」
「だ、だから、そんなんじゃ……」
「照れない、照れない。
  あ、そうそう瑞佳、お泊りする時は、ちゃんとあたしにだけは言ってくれない
と。昨夜、うちに瑞佳のお母さんから電話がかかって来たわよ」
「えっ……」
「うちに泊りに来てるって事にしておいたから。感謝しなさいよ?」
「うん……ありがとう、佐織」
「うーん、でもまさか、瑞佳に先を越されるとは……あーあ、あたしも彼氏作ろ
っかなー♪」
「べ、別に浩平はそんなんじゃ……」
「はいはい。じゃ、あたしも用事あるから切るね。お幸せにー♪」
「あ、佐織……っ」

  ブツッ☆  ツーッ……ツーッ……ツーッ……

「はうぅ〜……結局何がなんだかわからなかったよ……。
  あ!  口止めしておかなくちゃ」

  プルルルルッ!!

「あ、はい!  佐織!?  あのね……」
「…………………………………………」
「……佐織?」
「……長森さん、か……」
「………………。
  す……すみ……い……くん……?」
  わ――――――っっ!?  ど、ど、ど、どーしよー……!?

「あ、あの、これは違っ……」
「いいって。昨日の夜の事もあるしな。まぁ、そーだろうな、とは思ってたんだ
……」
「え?  昨日の夜?」
「折原、いるよな?  いたら替わってくれ」
「う……うん……」

  わたしが浩平の所に向かおうとしたその時、浩平がこっちに向かって歩いて来
た。

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>再び、折原浩平

「喜べ、長森。昨日の事、少し思い出したぞ。
  確か、昨日は住井と飲んでいたハズなんだ。
  つまり、あいつがなんらかの情報を持ってるかも……」
「……その住井君から電話だよ……」
「…………なんでお前が出てるんだ……?」
「佐織かと思っちゃって……ごめんなさい……」
「……まぁ、なんとかなるだろ……」
  俺はため息をつきながら、受話器を受け取った。

「……もしもし?」
「……折原。昨夜はさぞかしお楽しみだったんだろうなぁぁぁぁぁ…………」
  ……住井の声は、地獄から響いてくるかの様だった。

「誤解だ。そもそも俺達には記憶がない」
「ふっ……見えすいた言い訳を。お前がそんな言い訳なんかをするヤツとは思わ
なかったぞ。昨日、さんざん俺達に仲の良さを見せつけてくれたくせに」
「……ちょっと待て。俺達は昨日何をした?」
「……服が破れてたろう?  それが答えだ。……ぐぅ、頭が痛い……。ここまで
だ。じゃあな」
「ちょっと待て!  さっき『俺達に』って……他に誰かいたのか!?」

   ブツッ★  ツーッ……ツーッ……ツーッ…… 

「……住井君、何て言ってたの?」
「……『服が破れてたのが答えだ』って」

「…………」
「…………」

「……俺はやっぱり襲われたのか?」
「……襲ってないもん」
「もう1度部屋に戻って、じっくり考え直すか」
「……そうだね」

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  2人は部屋に戻ると、協議を開始した。お互いが聞き出した情報を出し合う。
「まず佐織だが……おそらく、長森のお袋さんから電話があったときに、勝手に
俺の家にいるものだ、と思い込んだんだろうな。これで1つはカタがつく」
「うん。後は住井君だね」
「住井は昨日、俺と2人で飲んでた……。長森が来たのはその後のはずだ。覚え
てないか?」
「うん……ごめんね」
「住井の情報によれば、あと少なくとももう1人はいた、という事になる……。
長森と一緒に来たのか、別に来たのかはわからないが」
「住井君と一緒に帰ったのかな……」
「そうだな。この家には見当たらなかったしな。風呂桶の中にもいなかったし」
「……そんなところにはいないと思うよ……」
  お約束、お約束。

「後は俺の服を破ったのは誰か、だな。明らかに刃物は使われてない……女、子
供にできる事じゃない」
「……さんざんわたしのせいにしたくせに(ぼそっ)」
「……なにか言ったか?」
「……な、何でもないもん」
「ともあれ、おそらくは住井と、俺達以外のヤツ……心当たりはないか?」
「……うーん……」
  ……完全な手詰りである。

「ダメだ……全然進まん……」
  浩平は頭を抱えた。

  意を決した様に、瑞佳が口を開いた。
「もし……。もし、だよ。昨日の夜……わたしたちが……その……そういうこと
になってたとしたら……浩平は……どうするの?」
「………………あ?」
「わたし……わたしは……嫌じゃないよ……。
  …………浩平……だったら……」
  頬を赤く染めて、瑞佳はうつむきかげんに、そう言った。

「……長森……」
  浩平は自分が何を言おうとしているのか、わからなかった。
  ただ、今から自分が言おうとしている事は、とても大切な事。
  ずっと前から思っていた感情そのもの。
  本当なら、もっと早く言っておかなければならないはずの事だった。

  浩平は、感情のほとばしるままに、口を開いた。



「……みゅー……」



「「………………はい?」」   

  ごそごそ、と布団が盛り上がり……

「……みゅ?  こうへい、おねぇちゃん、おはよう……」
  繭は、眠そうに目をこすりながらそう言った。
「「お……おはよー……」」
  機械的に返事をする2人。

「……布団の中、は盲点だったな……」
「住井君以外の人って……繭だったんだね……」
「って事は……長森と一緒に来たんだな……」
「うん……わたしが連れて来たんだよ……今、思い出したよ」
「椎名……俺達が昨日、何をしてたのか、覚えてるか?」
「みゅ?  うん」
「じゃ、じゃあ、なんで浩平の服が破れてるのかわかる?」
「……じぶんでやぶってたもぅん」
「……マジ……?」
「うん。『ほくとひゃくれつけん』って……」

「…………」
「…………」

「そ、そー言えば昔、長森と『北斗の拳ごっこ』で遊んでやってたような……」
「……あれ、遊びのつもりだったの……?」
「それ以外の何に思えるんだ?」
「…………。
  あ、そうそう。繭、わたしがなんで服着てなかったのか、わかる?」
  瑞佳はごまかした。

「みゅ?  おようふくは……じぶんで脱いでたもぅん」
「……じ……自分で……?」
「うん。おさけ飲んでて『あついっ!  こんなもん着てられっかぁっ!』って」
「……はぅっ……」  
  絶句する瑞佳。まさか口調まで変わるとは想像してなかったようだ。

  ……その後で2人は乱戦状態に陥り、互いに最強の必殺技を繰り出そうとした
所で酒ビンに足を滑べらせて頭をクラッシュさせ、両者KOとあいなった……と
ゆーことだった。
  ……作者的に、すっごく都合のいい展開だなぁ。
  
「……住井はどうした?」
「みゅ?  2人で窓から外に『つーぷらとん』って言って投げ飛ばしたよ。
  そのまま戻ってこなかったもぅん」
「す……住井君、ごめんなさい〜」
  瑞佳はすでに半泣きだ。

「住井……安らかに眠ってくれ……。お前の犠牲はムダにはせんぞ」
  浩平は外道にも言い放った。

「そうだったのか……。椎名、教えてくれてありがとな」
「ありがとう、繭」
「みゅ♪」

  こうして、全ての謎は解かれたのである。
「ははは、わかってみればあっけなかったな」
「……そうだね」
「みゅ♪」
  安心する浩平、少し残念そうにも見える瑞佳、誉められて嬉しそうな繭。
  3人は楽しそうに笑った。

「……ところで、何か忘れてないか?」
「え?  何を?」

  ……繭が朝になっても帰って来ない事を心配した挙げ句、殺気だった華穂さん
が、門の前にまで迫っている事に、3人とも気付いていなかった。  
  ……浩平が、殺気だった華穂さんを説得し終えるのには、実に2時間を要した
のである……。

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  ……こうして、2人を恐怖のドン底(?)に陥れた一夜は明けた。

  で、翌日。
「瑞佳っ、一線越えたって本当!?」
「折原……貴様、殺す!!」
  などとゆー無数の追求を振り切れたのは、繭という証人がいたからだった。


  一方その頃……(笑)
「住井君が甘いのよ。繭ちゃんもちゃんと連れて帰らないから……」
「すっ、すまん、佐織。まさかあの状況で何もしない男がいようとは……」
「もう……せっかくの作戦が台無しじゃない」
「いいかげん、あのもどかしい2人をくっつけられると思ったんだけどなぁ……
。許せ、佐織」
「なぁなぁ、例の賭け、どうなった?」
「南か。残念ながらお前は負け組だ」
「何ぃっ!?  まさか折原の奴、何もしなかったというのかっ!?
  や、やはり里村を狙ってるのかっ!?」
「いや、それはどーか知らんが……。
  当てたのはたった2人だからな。
  仲介料を除いた全額が、その2人に2分されて配当される。
  かなりの金額になるはずだ」
「呆れた。賭けまでしてたの?」
「儲けにならん事はやらん主義でな。佐織も一口乗りたかったのか?」
「……はぁっ……。なんでこんなの好きになっちゃったのかなぁ……あたし(ぼ
そっ)」
「……何か言ったか?」
「いーえ、別にっ」
「ところで、誰と誰が当てたんだ?」
「ああ、それはな……」

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  ……浩平、瑞佳、繭の3人はファーストフード店にいた。繭はてりやきバーガ
ー(お礼)を幸せそうにパクついている。
「ねぇ、浩平……」
「ん?」
「あの時……なんて言おうとしたの?」
「ぐっ!!(←喉に詰まった)
  ……た、大した事じゃないぞ」
「それでもいいから聴きたいよ」
「ぜ、全然詰まらない事だって!」
「それでもいいから」
「だから大した事じゃ……」
「みゅ♪」

  ……お幸せに。

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「……詩子、今日は山葉堂のワッフル、おごります」
「わぁ、ホントっ!?  ありがと、茜っ」
「……いくらでもどうぞ」
「……うっ……こ、このワッフル〜?(半泣き)」
「心配しないでください。お金はありますから。実はちょっと……」
      ・
      ・
      ・  
「雪ちゃん、今日はおごるよ♪」
「ねぇ……みさき、本当にどうしたのよ?  昨日は借金、全額返済するし……」
「気にしない、気にしない♪  やましいお金じゃないから」
「ううっ……長い付き合いだけど、まさか、みさきにおごってもらえる日が来る
なんて……みさきーっ!!(ひしぃっ!!)」
「ゆ、雪ちゃん、くるしいよ〜。ただ単にちょっと……」

  ちゃん  ちゃん♪

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

  うがぁぁぁっ!!  書いててこっ恥ずかしかったぁぁっ!!
  ……ぜはーっ、ぜはーっ……。
  ……とゆーわけで北一色(ぺーいーそー)です。
  ああ、疲れた……。このまま闇に帰ってしまいたい……。
  でも、明日から学祭(正確にはその準備)なんで……。
  目と頭が痛い……クラクラするぅ……。
  でも、感想書かんと……。4日間の間にすっげー溜りそーだし……。
  とゆーわけで、感想SSの方に取り掛かります。今日中に書けなければ、4日
後……以降になるでしょう。

  このSSについては……イロイロ突っ込みたい所とかあるかも知れませんが…
…知らんフリしてください(←おい)。雰囲気とシチュエーション重視なんで。
  ……あ、でも、「こっちの方がいいぞ」ってのは大歓迎です。
  そうそう、T小学校のM君(わかる人にはわかるよね?)に捧ぐ(笑)。
  今日はなんとか、P雪ちゃん以外の雪ちゃんになったか……ふぅ。
  頭の中でリセットするのがすっごく難しい……。
  うぅ、最近、SSフィールドすら張れんなぁ……(T_T)
  ではでは。
    「『乙女の秋』のラストを誰か考えてくれんかなー、とか考えてる」北一色