失われた記憶(前編)  投稿者:北一色


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前書き
  細かい事にこだわらず、いい加減に読んでください。
  マジメに読むと、ばかを見ます。特に、オチは期待しないでください。
  「>折原浩平」とあったら、浩平視点です。何もなければ3人称です。

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>折原浩平


  悲しいことがあったんだ。
  楽しい日々がずっと続くと思っていたのに。
  永遠なんて、なかったんだ……。

  僕が泣きながらそう言った時、きみは言った。

「えいえんはあるよ」

  君の小さな掌が僕の頬をはさむ。

「ずっとわたしがそばにいてあげるよ、これからは」

  ちょこん、と一瞬だけ寄せられた唇……。
  ………
  ……
  …
  あれ?
  「一瞬だけ」のわりに、えらく長くないか?
  しかもこう、なんか感覚がリアルな気がする……。
 
  夢なのに。

  そう、今、俺は夢を見ているはずだ。
  心理学用語でいう、覚醒夢というやつだ。

  それと、もう1つ気になることがある。

  何故か、右の掌にも感覚がある。
  なんと言うか、薄い布越しに、何か柔らかいものに触れているかのような……
。それが、なんとも気持ちいいような……?

  「きみ」の胸……なわけはない。それは一目瞭然だ。確実に、大きさが違う。
  じゃあ、これは一体、なんなんだ?
  ……ちょっと動かしてみたらどうなるんだろうか?

「……ん……んんっ……」

  ……ちょっと鼻にかかったような、甘い声が聴こえた気がした。
  俺は、睡魔の誘惑に抗いながら、かろうじて目を開けた。

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>まだ折原浩平

  目を覚ました俺が最初に見たものは、目の前いっぱいに広がる……誰かの顔だ
った。……それも、とても見なれた……。

「……長森?」
 
  つぶやいたつもりだったが、言葉にはなってなかった。

  ……長森の唇で、俺の唇が塞がっていたから。
  ……なお、俺の右手は長森の左胸の上に置かれていた。
  ……おまけに、長森は下着姿だった。

  状況を整理してみるに、どうやら俺が長森の上にのしかかるようにして、同じ
ベッドで寝ていたらしい。
  さらには、昨夜の記憶が全くと言っていい程なかった。

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  さて、ここで問題です。貴方なら、どうしますか?
  @選択肢を選んでください
  1:……よくわからんが、「いただきます!」がっばあぁっ!
  2:とりあえず、硬直しとく。いろんなトコが(笑)。
  3:……これは夢だ。寝直そう。ぐぅ。
  4:……これは夢だ。夢ならナニをしてもいいわけで、がっばあぁっ!
  5:「……ぐはぁっ……!」一瞬で悩殺され、色々な体液(涙、鼻血、その他
      (笑))など撒き散らしつつ、ジ・エンド。
  6:自家発電開始。その後で一言、「オレは……最低だ……」
  7:「こんなに立派に育って……お父さんは嬉しいぞ!」と男、いや漢泣きに
       泣く。
  8:とりあえず、ガウンを纏い、ワイングラス片手に煙草をふかしてみたり。
  9:壊れる。「ぽっぽっぽー、はとぽっぽー……」
10:自決。腹かっさばいて責任をとる。
11:既成事実もデキちゃったわけだし、プロポーズの言葉、結婚式のスピーチ
      から、子供の名前まで将来設計する。
12:男はいつでも冷静沈着。「おい、長森。起きろ、朝だぞ」
13:その他  <(好きなように書いてください)>


  ……まぁ、それはともかく。

「俺は……長森に襲われたのかっ!?」

  この状況でこーゆー発言が出る所が、我らが折原浩平のスゴい所であろう。
  「スゴい」と「偉い」はイコールではない所がポイントだ。
  ちなみに、12を選んだ人は問答無用で極刑である。

  これからどうしたものか、と考えたが、唇がやたらと痛い。頭痛もする。おま
けに全身筋肉痛だ。まるで、激しい運動をした後のように……。
  浩平はとりあえず、痛みを忘れる事にした。深く考えるのは危険な気がしたか
ら。

「一応、長森を起こしとくか……」

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>長森瑞佳

「……森。長森……、……ろ」
  
  聴き慣れた声がする。
  少しぶっきらぼうな感じのする、でも優しい声。 

  浩平だ。

  間違いないよ。私が浩平の声を聴き間違えるわけないもん。
  でも、これは夢なんだよ。それがわかってるのが、ちょっと寂しいけど。
  ……夢なら、いいよね?

  わたしは浩平の側に駆け寄ると、そのまま抱きついた。
  ………
  ……
  …
  あれ?
  肌と肌が触れ合う感覚が妙にリアルな気がするけど……?  
  猫達かな?  でも毛皮の感覚とは違うような……? 

  わたしは睡魔の誘惑に抗いながら、かろうじて目を開けた。

「……起きたか?」

  その声は、ビックリするくらい近くから聴こえた。
  ……わたしは、浩平に抱きついていた。

「……わあああああああぁっ!?」
「耳もとで大声だすな!」
「な、な、な、なん、なんで……!?」

  完全にパニックを起こしながら、わたしは浩平から離れた。
  頬がやけに熱い。たぶん、真っ赤になってるよ〜。
  そ、それに勢いとはいえ、抱きついちゃったし……!
  さ、さすがに浩平も、わたしの気持ちに気付いちゃったかも……。

「……何か、怖い夢でも見たのか?」
  ……全然気付いてなかった……。一応、心配してくれてるみたいだけど……。

「う、うん。まぁ……ね」
「ふっ。怖い夢ごときにビビるとは。長森もまだまだ子供だな」
「…………はぁっ……」
  ……良かったような、残念なような……。

「……それにしては幸福そうな寝顔だった気もしないではないな……?」
  ……うっ……。
  浩平は真剣に悩んでるらしく、時々、首をひねって………………寝顔!?

  ね、寝顔を見られちゃった……!!
「ちなみに、悩み事など何もなさそーな寝顔だったぞ」
「ほ、報告してくれなくてもいいよ〜」
  
  ……そう言ったわたしは、事ここに至って初めて気がついた。
  浩平も、わたしも下着姿だ、ということに。
  さらに、全身筋肉痛になってる。まるで、激しい運動をした後のように……。
  
  ここはどこ?
  ……浩平の部屋。

  わたしは何でここにいるの? 
  ……わかりません。

  わたしはいつここに来たの?
  ……さあ?  昨日の土曜日は部活があったから、昨夜以降だとは思うけど。

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>再び、折原浩平

  長森は、惚けたかのように、ぼーっとしてしまった。
「おーい、長森ー。1人で現実逃避しないでくれー」
「……はっ……き……昨日……何があったの……?」
「……長森も記憶がないのか。当てにしてたんだが……。
  そういうわけで、導き出される結論は1つしかないな」
「な……なに?」
「長森、お前……俺のカラダが目当てだったんだなっ!?」
「な、なんでそうなるんだよっ!?
  わたしが浩平を襲ったりするわけないもんっ!」
「うそつけっ」
「うそじゃないもんっ」
「長森、何もこんなマネをしなくても、俺はだなぁ……」
「ちがうもんっ!  うーっ」
「ふかーっ!!」
「うーっ」
「思えば昨夜、泣いてイヤがる俺の服を、力ずくで引き裂いて……」
「そんなわけないもんっ!  大体、そうだったら引き裂かれた服が……」

「…………」
「…………」

  本当に、引き裂かれた服があった。長森の服は破れてなかった。

「…………」
「…………」
「……まぁ、猫にでもひっかかれたものと思う事にするから……」
「…………」
「……長森?」
「…………」
「……おーい、長森さーん?」
「……う……ひっく……ぐす……」
  ……ヤバい。苛めすぎた……!

「お……落ち着け。状況を整理しよう。な?」
「……う……うん……ぐすっ……」

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  ……わかった事はわずかだった。
・瑞佳が浩平の家に来たのは、昨夜以降から今朝以前である。
・どうも由起子さんは、昨夜はいなかったようだ。
・2人とも、昨夜以降の記憶は、ほぼゼロに等しい。
・他に誰かがいたかどうかは、2人とも確たる自信はない。
・多分なにもなかった……と思いたいが、確証はない。

  結論。
「……何もわからん、と言えなくもないな」
「うん……」
  2人はそれぞれ、俯いて考え込む。

  ……突然、瑞佳の顔が赤くなった。何故か視線をそらしている。
  浩平は、先程の瑞佳の視線を追い、ある事に気付いた。
「……こ、これは朝だから健康な男ならこうなるのが当然であってだな……」
「……う、うん……と、とりあえず服着ようよ」
  慌てて2人とも服を着た。
  再び、考え込み始める。
  しかし、彼らの考えている事は違っていた。

  ……やや時間が経った時、何かを決意したかのように、瑞佳が口を開いた。
「ねぇ、浩平……」
「……ん?」
「もし……。もし、だよ。昨日の夜……わたしたちが……その……そういうこと
に……」

  プルルルル!!

  電話が派手に鳴り響いた。

  (to be continued...)

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はじめに
  このSSは土曜日に書いたものです。ところが土曜日には何故かネットに接続
できず、本日の投稿とあいなったわけです。
  ……で、何が言いたいか、とゆーと……

  別に、はにゃまろさんの「太陽は黄金の林檎」をパクったわけじゃないんです
よ〜(泣)。

  今日、読んでビビり、知らないフリしようかなと思う事3回、やっぱ投稿は控
えようかなと思う事2回、電波のせいにする事7回、人生の無情について思いを
馳せる事6回、現実逃避する事2回、比べられたら勝てないからヤだなと思う事
3回……とゆー経緯を経て、こーゆー風に言い訳付きでの投稿となりました。
  ううっ、ワザとじゃないんです。そもそも大筋は全然違うし。
  知らないフリしてくれたら嬉しいなぁ、なんて考えてます。

  もう1つ。
  前回書いた「うぃるす!!」で、「みゅー連」と書きましたが、実は「みゅ〜
♪連」でした(泣)。「みゅ〜♪連」の方、済みません〜(泣)。&教えて下さ
ったWTTS師匠、ありがとうございます。
  あと、「リボ核酸」はRNAの事でした。偉そうに書いといてこの始末、私の
アホさ加減がバレますね(泣)。

  ……懺悔(?)も終わった所で。
  このSSは作者の煩悩が大爆発してます。らぶらぶ系は書いた後でこっ恥ずか
しさに自殺したくなるってゆー弱点がありますね(笑)。
  
  ええっと、御質問の答えです。
>から丸&からすさんへ
  SS神社への行き方……雀バル雀さんのHPに行く→新館へ→新館の一番下の
「ポニ子バナー(「♪」のトコ)」をクリック→SS神社へ→お参りする
  ……で行けます。ここに書く事じゃなさそーな気もしますが(汗)。
  SS神社に月イチのお参りは欠かせませんぜ、ダンナ。SS神社は「聖地」で
すから。月イチどころじゃないヤツ(笑)もたまにいますが。
  聖地にしてはみんな行いが悪い気もしますが(←他人の事言えないヤツ)、気
にしちゃダメです(←おい)。

  気力が尽きてるんで、「今回は」レスのみ

☆犬二号さん
>…その通りです(泣)
  ……ごめんなさい。あんなものは忘れてやってください。

☆WTTS師匠(←段々違和感がなくなって来ましたね(笑))
>たとえこのフレーズが“替えてない箇所”だとしても、
  替えてる所は半分くらい、かな?  師匠にそーいっていただけるとは……感涙
です〜♪
>澪にしては大胆な印象がありますけど。(笑)
  ……ぎ、ぎくっ!  あ、あまり気にしないでくださいね(汗)。
>あ…自分で判っているなら結構です。(^^;;
  あ、あはは……(汗)。

☆変身動物ポン太さん
>あははははは・…七瀬、お前は『趣●の園芸』じゃなくて「万国◯ックリ人間
>ショー」に出れるぞ。(笑)
  し……しまったぁぁっ!!  そっちにすればよかったぁぁっ!!
>…ついでに「髭」も(ぼそっ)
  ……がふっ……。わ、忘れてくれてると思ったのにぃぃぃぃ……。
>で、演劇部長雪ちゃんに…って、プロフェッサー状態やん!(笑)
  ……実は最近、プロフェッサー以外の雪ちゃんが想像できなくなっちゃったん
ですけど……ポン太さんのせいだい(またまたなすり付け)。気がついたらプロ
フェッサー化してるし(笑)。

  ところで、こんなのはどーでしょう?
  〜もういっちょ不況おね〜

  「……澪、最近スケッチブック使わないな」
    澪は半泣きで、財布をひっくり返してぱたぱた振った。
  「そ、そこまで……?」

    完

  う〜ん、やっぱポン太さんみたくうまくは行かないか……(泣)
  
  では、これにて。私は闇に帰ります……。
                             「いまだに『乙女の秋』のラストが決まらない」北一色