乙女の秋(中編)  投稿者:北一色


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あらすじでまんねん(トン●ラー風に)

  空き地で雨に打たれる茜の姿に「乙女の秋」を見た七瀬。
  自らも「乙女の秋」を実践するため、今、立ち上がる!!  
  浩平を引き連れて!!
  浩平連れてる時点で多分ムリだと思うが、がんばれななぴー!!

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「とりあえず、秋にはいくつかの種類があるな」
  逃走を断念したらしく、説明する浩平。さっさと終わらせるに限る、と正しい
判断を下したらしい。その前で七瀬が、ふんふんと頷きながらメモをとっている
。
「一般に言われている秋は、『食欲の秋』、『スポーツの秋』『芸術の秋』、『
読書の秋』ってところだな」
「その4つと、『恋の秋』は外せないわ」
  熱く語る七瀬。殺る気……もとい、やる気は充分だ。
(1回目の変換で「殺る気」に変換された(^^))

「では早速、実践開始だ!!」

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○ミッション1『食欲の秋』

「これはもう、学食で決まりだな」
「なんでいきなり食欲からなのよ?」
「そりゃあやっぱり、わかりやすいネタは早めに終らそうっていう、作者のあさ
はかな考えだろ」

  それは言うな。

<学食>
「おーい、みさき先輩」
「その声は浩平くんだね。こんにちは」
「……あいかわらずすごい量だな」
「そんな事ないよ〜、いつもより2皿も減らしたんだよ」
「なるほど……『木の葉を隠すなら森に隠せ』ってやつだな」
「違うと思うけど……合ってるのかしら……?」
  こめかみを押さえる七瀬。

「あれ?誰かいるの?」
「ああ、こいつは七瀬留美。俺のクラスメートだ。七瀬、この人が川名みさき先
輩。お前に『乙女の秋』のなんたるかを教えてくれる人だ」
「よろしくお願いしますっ!!」 
  おじぎをしながら、七瀬はみさきを観察した。

  緑なす黒髪。
  楚々とした容貌。
  全身から日本人形の様な美しさがにじみ出ている。
  いかにも「乙女」の名にふさわしい。
  ……とりあえず七瀬は、テーブルを埋め尽くす皿の事は考えない事にした。

「で、具体的にわたしは何を教えればいいのかな?」
「それはいずれわかる。ところでみさき先輩、お近付きの印に七瀬がおごるそう
だ。思いっきり食べてくれ」
「ちょ、ちょっと折原!!」
「何だ?  これで『秋』がわかるなら安いもんだろ?」
  七瀬はテーブルを埋め尽くす皿の方を見た。これだけ食べた後なら、そう大し
て食べられないだろう。

「わかったわ。先輩、どうぞ好きなだけ食べてください」
「じゃ、みさき先輩、七瀬、俺はちょっと用があるから」
「うん、またね」

  立ち去る浩平の耳にみさきと七瀬の声が聞こえた。
(「すみませーん、これとこれとこれ…………以外のメニュー、全部お願いしま
ーす」)
(「それくらいなら……ええええぇぇぇぇ――――――っっっ!!??」)

  浩平は心の中で、そっと合掌した。

<数分後……>
「どうだ七瀬。財布の中が程良く『秋』になったろう?」
「秋も冬も通り越して、氷河期に突入したわよぉっ!!
  ……ひんっ……今月のお小遣いがぁ……」
「そーか。じゃ、やめるか?」
「な……なんのこれしきっ……!!」
  『ちっ……』心の中で舌打ちしつつ、作戦を第2段階に移す事にした。

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◯ミッション2『スポーツの秋』

「これは教室だな」
「え?  スポーツなのに?」
「これは屋内でもできるスポーツだからな。今年の流行りだぞ」

<教室>

「ここで何を…………って、ぎゃ――――――っっっ!?」
「みゅー♪」
「よしよし椎名、よく『スポーツの秋』しているな。感心だぞ」
「みゅー♪」
「はーなーしーてー!!」

<数分後>
「どっ……どこが今年の流行りなのよっ!?」
「何だ七瀬、知らんのか?  今度オリンピック競技になるというのに」
「なるかっ!!」
「それじゃ、やめるか?」
「や……やめるもんかぁっ……!!」

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◯ミッション3『芸術の秋』

「……これは演劇部の部室だな」
「演劇……まぁ、芸術といえば芸術かな……」

<演劇部の部室>
  
  がしっ

「ずわぁっ!?  って、澪か。相変わらずの見事な隠形の術だな」
『目指すは、やいとや又衛門なの』
「『必殺仕業人』か……」
  <わかんない人は雀バルさんのHPにある、「炎のヒマ人さん著『ONE必殺
季節人』」を読もう!!  あれを読めば、必殺シリーズのなんたるかがわかるぞ
!!  私も「銀英伝編」作りかけた事があったっけ(笑)>

「まぁ、それはいいとして、だ。七瀬に『芸術の秋』のなんたるかを教えてやっ
て欲しいんだが」
『具体的にどうするの?』
「そうね、まずは今やってる劇の事でも教えてくれない?」
『おっけーなの』

  澪によると、こーゆー事だった。
  ……なんでも、今回はミュージカルらしい。澪は口の聞けない女の子の役だと
か。しかし、あの澪にミュージカルはハードなのでは……。

『部長に、「筋がいい」ってほめられたの』
「なるほど、ミュージカルね……ダンスは乙女の必須事項よね」
  納得する七瀬。おそらく、昔の少女マンガでも思い出しているのだろう。

「で、どんなダンスなの?」

  えーと……

『見てもらった方が早いの』
「なるほど。そりゃそうだ」

『ミュージックすたーとなの』
  澪が書き終わるや否や、どこからともなく音楽がかかり始める。誰かが潜んで
いたらしい。  

  それは、不思議な音楽だった。
  心の奥深く、魂の深遠に差し迫るかのような曲。
  脳髄に染みわたっていくかのような曲。
  人の真実に迫るかのような……

  ……いわば、狂気の音楽だった。

  澪のダンスが始まり―――浩平と七瀬の思考はここでピタリと静止した。

<数分後>

「「ふんぐるい・むぐるうなふ・くとぅるう・るるいえ・うがあなぐる・ふたぐ
ん!!」」
  演劇部部室にて、イッちゃった表情で、そう唱え続ける浩平と七瀬が、確かに
確認されたそうである……。  
  今度のミュージカルは、クトゥルー神話をモチーフにしたものだったらしい。
  ひょっとしたら、今日の澪はちょっぴりダークサイド入ってたのかもしれない
……。しかし、「筋がいい」って一体……。

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◯ミッション4『読書の秋』

「あー……ひどい目にあった……。まさかこの俺をダンスで幻惑するとは……」
「うう……まだ頭がぼーっとしてるわ……」
「仕方がない、次にいくか……。覚悟はいいか?」
「……なんで覚悟する必要があるのよ?」
「あるんだよ、それが……」

<演劇部部長室前>
 
「何よ、この『演劇部部長室』ってのは……?」
「何故か演劇部だけ、部長室があるんだよ」
「……この学校一の弱小部なのに?」
「……昔の演劇部部長が、泣いて頼んだって話だが……多分、泣いたのは当時の
校長達だろうな……」

<演劇部部長室>

  室内には、大量の蔵書があった。何百年前の物かわからないもの、何語で書か
れているのかもわからないようなものまである。
  例えば、「屍食教典儀」「妖蛆の秘密」「ネクロノミコン断章」「黄衣の王」
「ルルイエ異本」「ナコト写本」……。今度のミュージカルの資料だろう。

  その蔵書に埋もれるようにして、深山雪見部長がいた。
「あら、どうしたの、折原君?」
  振り向く雪見。硬直する浩平。
  ぐるぐる眼鏡に白衣。そう、それはまさしく……。

「あ、七瀬、俺ちょっと長森に電波で呼ばれてるから」
「え、ちょっ……」
  浩平は、止める間もなく走り去った。

<数分後>

  凄まじい悲鳴があがり、七瀬が部長室から飛び出して来た。
  階段の曲り角で待っていた浩平が七瀬に、
「どうだ?  程よく心が『秋』に……」
「秋も冬も氷河期も通り超して、絶対零度に突入したわよぉっっ!!?」

  ……どうやら、真の恐怖というモノを味わってきたらしい。改造でもされかか
ったのだろーか?

「なぁ、七瀬。そろそろ諦めた方が……」
「ま……負っけるもんかぁっ……!!」

  浩平は少し感心していた。
  どうやら、七瀬の「乙女の秋」を目指す心意気は本物らしい。
  単なる思いつきや気まぐれでは、ここまでの真剣さは見えないだろう。

(本気で付き合ってやるとするか……)

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  さてさて、七瀬は乙女らしい『秋』を堪能する事ができるのか!?
  残る『恋の秋』とは!?
  作者はラストを全く考えてないぞっ!!(おい)
  どーゆーラストになるのか、それは神のみぞ知るっ!!

  作者は、あんまり見守りたくない気がする。 

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  うーむ、1週間以上空いてしまった……。 
  最近、体調の悪化から、死ヌかもしれんとか考えてる北一色です。

  うぇーと、ぢつは2人以上の方から、昔書いてた「ONE英雄伝説」ってSS
の続きを書いてくれ、って言われてるんですが……どーしましょ?
  一応、短くしてでも完結させた方がいいのか、歴史の闇に埋もれさせた方がい
いのか……(ってそんなたいそーなモンでもないけど……)。
  まぁ、余力があったら書くかもしれませんが、読み飛ばしちゃって全然オッケ
ーです。半年近く前のやつ(だったよーな気がする)ですから。

★かんそー★

☆Matsurugiさん
>中崎町防衛部 Vol.3 <Aパート>
  おお、続きだ!!  このシリアスとギャグの絶妙なブレンドがいいカンジです
ねー。住井とか南はマジなのに、浩平達は敵を置いて去るとは……。<Bパート
>も速く書いてくださいね♪(←催促)
>「くー」
  繭……この状況で寝るか……。

☆神凪了さん
>アルテミス  第四十六話「合流」
  おお、JOJOってる(笑)。お、次回はコトの真相が語られるのか……(ワ
クワク)。続きに、期待大です〜。

☆壱弥栖さん
>落ちたくまさんクッキー
  5、50代って……そんな前から存在してたのかっ!?  しかもこっちもJO
JOってるし(^^)。真希ちゃん、フォーエバー(さらっと外道)。

☆まてつやさん
>だよもん病
  う〜ん、私は風邪薬のシロップの方がイヤでしたけどねぇ。変に甘ったるくっ
て。しかし繭、そこまで「だよもん言葉」がイヤなのかっ!?

  おお、今日は感想が早く終わった。(なら内容濃くしろよ……)
  前回、感想SSで、一気に片付いたからな〜。
  では、後編でお会いしましょう。…………………………たぶんね。
                                                       「授業サボって書いてる」北一色