BLUE LEAF5〜澪ちゃんの戦い!!〜 投稿者: 北一色
★注)今回も、必ずしも浩平視点とは限りません。例えば、
>デスメタルをシャウトする南明義

とあったら、南視点ということになります(笑)。

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>崖の上の川名みさき

  崖の上を駆け抜ける風が気持ち良い。
  学校の屋上の風とは、また違った匂いを運んで来てくれる。
  浩平君は、私や澪ちゃんを特別扱いしないでくれる。
  でも、できればなにか、食べ物関係のお仕事にしてくれればよかったのに。
  SOS班じゃ、何も食べられないよ。
    
『澪が船を発見したら、みさき先輩が大声で呼びかけるんだ。
  澪のボディランゲージも重要だぞ』  
  
  浩平君はそう言っていた。
  でも、『みさき先輩は、日頃あり余ってるエネルギーを有効活用してくれ』と
も言ってたのが少し気になるかな。
  そんなにエネルギーは余ってないのに。
  朝食だって、魚をほんの36匹しか食べてないし。
  雪ちゃんは、何故か『早く脱出しないと、この島周辺の生態系が危うい』なん
て言って、真剣に悩んでたけど……。
  でも、早く脱出するってところは賛成。
  今のままじゃ、私も遠慮してあんまり食べられないからね。
  カリーレストラン「ピッコロ」の、きのこカレーも食べたいし。

「……それにしてもお腹すいたね。
  もう5時間は何も食べてないからね」
『朝ご飯からまだ1時間もたってないの』
  澪ちゃんが、指で私の手の平にそう書いてきた。
  そうかなぁ。お腹の空き方からいって、5時間はかたいと思ってたんだけど。

  そうだ。浩平君達がつけていってくれた焚き火は大丈夫かな?
  自分で確認できないからね。
「澪ちゃん、焚き火は大丈夫?」
『全然おっけーなの』
  良かった。もし消えちゃったら、澪ちゃんにつけてもらわなくちゃならないか
らね。
  浩平君が言うには、『澪に火を点けさせるのは危なっかしい』そうだし。

「おーい、みさき先輩!  澪!」
  浩平君だ。ちゃんと見回りしてたんだね。 感心だよ。
「ここだよ、浩平君」
  私はちゃんと、いい笑顔になってるかな?  


>崖の上に来た折原浩平

「ここだよ、浩平君」
  お、いたいた。

  ……ん?
  澪はどこに行ったんだ?

  がしっ!
「ずわぁっ!?  ……って澪か」
  うん  うん
  澪はいつもの様に、にこにこ笑っている。

  ……しかし、いつの間に俺の後ろに回り込んだんだ?
  まるで気配も感じなかったし、物音もたてずに?
「見事だ、澪。これなら立派なアサッシン(暗殺者)になれるぞ」
『目指すはレオンなの』
  ……うむ、いつの間にやら成長したな。俺のボケにしっかりついて来るとは。
  ……なんとなく目が本気の様な気もしたが、あえて気付かなかった事にしよう
……。
  
  ……しかし、俺も多少は心配だった。
  みさき先輩が食い物が足りなくて発狂して、崖から飛び降りたんじゃないだろ
うかとか、澪が転んで焚き火に顔面から突っ込んだりしてないだろうかとか、い
ろいろ不安材料があっただけに、無事な姿を見ると、ホッとする。
  
  まぁ、みさき先輩も、あれだけ食べれば満足するだろうし、澪も、そう動かな
ければ大丈夫だと思ったから、任せたんだけどな。
  とりあえず、2人とも何も問題を起こしてなさそうで良かった。

「実は水筒を持って来たんだ」
  何せ、SOS班はその役目上、あまり動き回れないからな。

「じゃあ、しっかり見ててくれよ。
  俺はまだほかの所も見回らなくちゃならないからな」
「うん、また後でね、浩平君」
『しーゆーあげいんなの』

  俺は崖を後にした。残っているのは、「住居」しかない。
  ゆっくりと「住居」に向かって歩いて行った。


>崖の上の上月澪

  折原先輩の後ろ姿が小さくなって行く。
  少しつまらないの。
  もっとここに居て欲しかったの。
  川名先輩もきっとそう思ってるの。

「……澪ちゃん」
  ほら。
「お昼ごはんは何かなぁ」
  ……はぅ、はずれたの。
  思わず少し、水筒の水をこぼしてしまったの。
  ……焚き火の上に。

  慌ててもう一度火を起こそうと思ったそのとき、視界の隅に、「何か」が映っ
た。
  
  船なの!!
  あの船に気付いてもらえれば、スケッチブックがなくなる前に、この島から脱
出できるの!!
  ……でも、今火をつけ直しているヒマはないの。
  ……どうしようなの。
  ……はぅぅ〜、私ってばかなの〜!

  ……はっ。
  『澪のボディランゲージも重要だぞ』折原先輩はそう言ってたの。
  私を信頼してくれてたの。
  信頼には答えるの!

  私はすぐに川名先輩にこのことをお話したの。
「本当!?  大変、早くSOSを知らせなくちゃ」
  誤って火を消してしまったことを、川名先輩に伝えて謝ると、「過ぎた事はし
ょうがないよ」と言って許してくれたの。

『名案があるの』
  今こそ、日頃演劇部で鍛えた技が試されるときなの!
『急いでこれに着替えるの』
「うん、わかったよ!  
  って……この服って、皮製品?」
『そのとおりなの』  
  私も急いで着替えなくちゃならないの。


  さあ、「れでぃーすあ〜んどじぇんとるめん、いっつしょーたいむ!」なの!


「……着たよ、澪ちゃん。もの凄く動きにくいけど」
『それは仕方ないの』
  それがその服の特性なの。
「後はこれを口に入れて、これに乗るの」
「もめめまみも〜」
  多分、「喋れないよ〜」って言ってるの。
「まんまみまもーまも〜」
  多分、「なんか痛そーだよ〜」って言ってるの。
『少しだけガマンするの』
  そうお願いした。


  私の方も準備おっけー、いざ、出陣なの!
  「三種の神器」も揃ってるの。
  ムチ良し、ろうそく良し、ぼんでーじ良し。
  なぜか船の中に積まれていたのを、嵐のときに拾っておいて正解なの。
  多分、住井先輩が持ち込んでたの。
  ……誰に使うつもりだったのか、ちょっと怖いの。
  ……私にサイズがぴったりなの。
  

  崖の上に立って、船を見た。着替えている間に、大分遠くに行きかけてるの。
『始めるの』
  こくこく、川名先輩がうなずいてるの。

  私は、川名先輩の前に両手を向ける。
  その後で、その両手を反対の方向に持って行く。ちょうど「何か」を置き換え
る様に。

  川名先輩は、口に入れていた何か(「ギャグ(猿轡)と呼ばれるものだという
ことは、後で知ったの」)を外して、しばらく考え込んだ後、
「……?
  !!
  『SMの「M」は置いといて』!!?」
  こくこく、正解なの!!
「凄いよ、澪ちゃん、これなら必ず伝わるよ!」
  うんっ!
  でも、そんなに誉められると照れるの。
『この調子でガンガンいくの』
「うん!  ガンガンいくよっ」
  次は「O」なの、がんばるの!

  ……でも結局、船は私達に気付いてくれなかったの。
  でも、負けないの!
  必ずこの島から脱出してみせるの!

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  むむむ〜、そろそろ疲れてきたらしい5作目。

  ちなみに、「カリーレストラン「ピッコロ」のきのこカレー」は、このHPに
アクセスした後で、みさき先輩の画像が少しも出ないうちに、「SSコーナー」
なりなんなりにアクセスして、画像の読み込みをやめさせるとわかります。
  よーするに、みさき先輩が食べてるカレーです。
  知らない人もひょっとしたらいるかも知れないし。
  私はせっかちなので、よく画像の読み込みが終わらないうちにこのコーナーへ
来てしまうのです。

  レオンは映画です。イタリア系の暗殺者と12〜14歳(忘れた)の少女との
、ラヴストーリー(?)。何故か、牛乳が大好き(!)だったりします。
  冒頭のシーンで、20人くらいのマフィアを、次々と音も立てずに殺していく
所は圧巻です。

  澪ちゃんの1人称は、(お気付きの方もいるかもしれませんが)雀バル雀さん
のSS「『お誕生日なの』」の影響を色濃く受けてたりします(笑)。私には、
澪の思考がいまひとつ正確に把握できてない気がしますので。

★かんそー★

★由代月さん
>「佐織vol.3」
  なんか佐織チャンがいーかんじですねー。時計の方をずらすか。
  ちなみに私は逆に、時計が4時で止まってて、「全然早いじゃんか」とか思っ
て遅刻したことがあります(笑)。

★Sashoさん
>「約束」
  はじめましてです〜。
  あんまし私を泣かせんでください(笑)。

★狂税炉さん
>「小曲集〜天使達のラブソング〜」
  実は、第二楽章は私も似たよーなこと考えたことがあります。ここまで洗練さ
れてませんでしたけど。
  最終楽章はムッチャ笑わせていただきました(笑)。

★から丸さん
>「幻想猫の魔法  第4話」
  住井と詩子のかけあいがサイコーですね。
  浩平と瑞佳にもひけをとってないし。
  蹴飛ばされた南、哀れ(笑)。

★サクラさん 
>「七瀬留美・暗殺計画(3)」
  「大回転旋風突き」……七瀬、恐るべし(笑)。
  剣道の試合中に、こんな技使われたら速攻であの世行き確定ですね(笑)。
  私は剣道経験者ですが、剣道は力よりも、スピードと見ための美しさの方が重
視される傾向がありますから、打たれてもあんまり痛くないんです。
  もし七瀬と対戦することになったら、即棄権するしかないな(笑)。

★シンさん
>「空白 〜澪〜」  
  澪の心情ってのはむずかしーですよねぇ。
  書き言葉通りの思考なのか、違うのかだけでも随分悩まなきゃいけないし。
  今回、しみじみと思い知りました。  

★風来のもももさん
>「浩平無用!in絆<23>」
  ぬぅ、住井め、強すぎるぞ……住井のクセに……って人のこといえんか(笑)
。
 ところで、この時期にテスト期間ってことは……(笑)。

★狂税炉さん
>「瑞佳とみずかと episode5」
  瑞佳の苦難、倍増で終わりますか(笑)。
  でもこの終わり方が一番な気もするなぁ……。

  テキサス・ニー・ドロップは多分対ネプチューンキング戦(だったよーな……
)で使ってなかったかな……キン●マングレートの姿で。
  >A・Cって大作家のキャラ
  3人は当たってますけど、残りは違います。
  でも惜しい!

  ……限界。死ぬ。ぷしゅー。         
                                                         北一色