『ここまで・・・のようだな・・・』
敵は、弱い。
とてつもなく脆弱だ。
握り潰せるほどに。
だが、莫大な数だった。
万を超える大軍。
『しかも・・・・その全てが・・・・能力者・・』
人間め・・・・・
我らを、裏切るか・・・
気が付いた時には、このコキュートスの王城まで奴等は押し寄せていた。
全ての城塞は破壊し尽くされ、有能な将達も多勢に無勢、次々と命を落とした。
もう、生き残っているのは自分だけだろうか・・・・
『それとも、自らの疑心暗鬼が、このような結果を生んだというのか・・・・?』
あの三人がいたなら・・・・
『馬鹿な・・・私が彼等を裏切ったのではないか・・・・』
玉座に腰掛けたまま自嘲の笑みを浮かべる。
『私は、愚かだったのだな・・・・』
・・・・両足だった物は、既に不可視の力で押しつぶされている。
腕も、動くのは、右腕だけ・・・。
『ふふふ・・・・ここまでか・・・・』
自分の眼が、捉える。
この部屋・・・玉座に向かって放たれる、膨大な不可視の力が。
そして・・・・。
・・・・・。
第三十八話 「復讐の一撃」
・・・・・。
そこは、わりに広い空間だった。
学校の体育館くらいだろうか?
まあ、体育館はコンクリート張りじゃないよなあ・・・
あたりを見回す。
「ここは、何をするところなんだろう・・・」
この、無意味に広い空間。
これも、信者の『修行』の一貫として必要なのだろうか?
修行自体、何をするのかよくわからないんだけど・・・
「・・・・・・・この出入り口と・・・向こうの出入り口以外、何も無いわ・・・」
確かに。
でも、地下だからしょうがないんじゃないかな・・・。
窓を作れっていうのはちょっと無茶がある。
天井には、ただ空間を明るくするためだけの、照明。
いくつかの、金網のはまった通気口。
そう、それだけだ・・・。
何も無い・・誰もいない・・・・。
「何なんだろう・・・この部屋・・・。」
そういって、一歩を踏み出した時だった。
どがっ!
首筋に、ものすごい衝撃が走り、俺は―――――。
・・・・・。
宙を、舞った。
住井君が。
ど さ っ
地面に叩き付けられた住井君・・・
彼は・・・
私の大事な人は・・・
首が、あらぬ方向に曲がっている。
常人では絶対に傾かない方向に。
・・・素人目にもわかった。
・・・・・・・・・・・・・・・首が折れている。
そして、一瞬の中で私が捉えたものは・・・
『繭』
「あ・・・・嫌あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!」
・・・・・。
・・・・?
なんで・・・俺・・こんなところで寝てるんだろう・・・
頬が、冷たい・・・。
コンクリートか・・?
俺・・・何をしてたんだっけ・・・
もしかして、授業中にまた寝ちまったのか・・?
『住井君っ!!』
な・・なせ・・・さん・・・?
わかったよ・・ごめん・・・今起きるから・・・
『住井君っっ!!!!!』
でも・・・何でか、体が動かねえや・・・
それに・・すごい眠い・・・
今は髭の授業か・・・?
それなら、もう一眠りしたっていいよな・・・
『住井君てばぁっ!!!』
もう・・いいじゃないか七瀬さん・・昨日はあんまり寝てないんだから・・・
別に髭だって怒ったりしないだろ・・・
だから・・・・
・・・・・。
「・・!」
・・・気がつくと、目の前に椎名繭が立っていた。
とっさに、不可視の剣を掲げて頭を守る。
がぎっ、という金属をこすったような音が響いた。
それは、斬り落としたはずの両腕。
金属製の義手・・・・義手か?
・・・違う!!
七瀬留美はとっさに後ろに跳んだ。
その直後、がっ、と自分が立っていた場所に何かが突き刺さる。
・・・鋼線。
いや、違う・・・椎名繭の、腕が変形したものだ・・!?
その鋼線は流れるように椎名繭の腕に集まって、再び元の腕を形作る。
そして、それは今度は巨大な刃物に変わった。
・・・・CGを見ているみたい・・・。
昔見た映画の・・・『ターミネーター2』に出てきたような流体金属・・・
自らの意志でその形を変えられる腕・・・・
巨大な刃物・・・・椎名繭の腕が丸ごとそれに変わったのだ。
刃渡り60cmくらいになった、両腕・・・
・・・・あんなもので斬られたら、痛いじゃすまないわ・・・・
でも・・・・
何とかしないと・・・・
視界の端に入る、住井護。
住井君が・・・!!
<第三十八話 「復讐の一撃」 了>
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住井「なんだかよくわからないけど、最近また投稿ペースが上がってきたな」
住井じゃないか。
みさき先輩はどうした。
住井「川名先輩ならあそこに」
(シャッフルマニパラMAXをパーフェクトでつないでいるみさき)
・・・・何で目が見えないのにDDRがやれるんだよ・・・
住井「なんでも超音波がどうとか。」
コウモリじゃないんだから・・・だいたい、それはこの際問題が違うと思うぞ・・・
住井「俺としては先輩が踊る前にこんなものを食べていたのが気になるんだが」
うん?なんだこれ・・・・ジャム?
でもラベルも何も貼ってないぞ?
住井「オレンジ色だからマーマレードか何かだとおもうんだが・・・ものすごく独創的な匂いがするんだ」
・・・これ、何の匂いだ?
住井「さあ・・・?」
まあ、一口食べてみるか・・・害はないだろ・・・
・・・・
住井「どうだ?」
・・・ぎうぐはっ
神凪了、毒殺される。
住井(良かった・・・食べなくて・・)「ええと・・・感想をくださった皆様方、ありがとうございました。ちゃんと読ませていただいています・・・でも、できればアルテミスは全部つなげて一気に読まないでくださいな(^^;)粗が目立つし」