セピア色の写真は 投稿者: 神凪 了
「おばあちゃん・・おばあちゃんっ」
「死んじゃやだっ!」


愛しい・・孫といっても差し支えのない小さな子供たちの声が聞こえる・・


「姉さん・・」


年の離れた、娘のような妹。


「わたしも・・そろそろお迎えが来たみたい・・」


私は、今『死』というものと対面しようとしている。
逃れようのない死。


「叔母さん・・」


妹の娘・・姪の声。


「私は・・幸せだよ・・こんなにたくさんの人達に見取られて逝く事ができるのだから・・」
「そんな弱気な事を言わないでください!」


姪の旦那の声。


「迷惑を・・かけましたね・・」
「そんな・・・僕らだってずいぶん助けられてきましたよ・・」
「思い残す事は・・・」


一つだけ・・・


「浩平・・結局帰ってきてくれなかったね・・・」


「えっ?」


不思議そうな声を上げる妹。
聞き覚えのない名前だからだろう。


「私・・ずっと待ってたんだよ・・・」





・・・・・。





その言葉を最後に。


私の叔母・・長森瑞佳は息を引き取りました。


享年、七十五歳。死因は心不全。




私は、考えます。


生涯独身を貫き続けた彼女。


相手が見つからなかったわけではなく、どんなにいい条件の相手でも断り続けたそうです。


待っている人がいると言って。




お母さん・・瑞佳叔母さんの妹にあたります・・がどんなに聞いても教えてはくれなかったそうです。


彼女は、一体誰を待ち続けていたのでしょう・・何十年間も・・




最後に遺した『浩平』という名前・・


叔母さんの遺品を整理している際に出てきた、もうセピア色にすすけたその写真には・・


一組の男女が写っていました。




『浩平と、高校入学式の日に』




その走り書きとともに。







そしてその写真を見た時に、





『ごめんな、瑞佳・・』





という男の子の声が、聞こえた気がしました。






・・・・・。






その写真は誰に知られる事もなく、私の宝物として、私の手元にあります。






あの時聞こえた声は決して幻聴や、吹き抜ける風の織り成す偶然などではなかったと信じて。








今も・・・・・・





















以上。

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二発目。
ここらへん、第一作目に戻ったような感覚です。

では、五月六日の感想。


>てやくの様
>光(ギャグ)と影(シリアス)

ちゃんとHI ROSEって言う風にスペース入れておいたらわからなかったな(笑)
広瀬女子校。
神凪としてはシリアスっぽいギャグだとおもいますが・・。
あと、茜が負けているSSってのも珍しいですね。


>うとんた様
>永遠縦断ONEクイズ 第2話

やっぱり面白いですね・・投稿ペースも速いし。
ちなみに葉子さんが二十三歳ネタは危険(笑、何のことかわからないとおもいますが)なので止めときましょう。
あと、一つ揚げ足取らせてください。

天沢郁『未』
名倉由『依』

神凪も間違えていた事ですから(笑)強くは言えません。
これで読み取ってください。


>永遠縦断ONEクイズ 第3話

>このクイズの参加資格は…『CGのある女の子キャラ』

・・あれ?華穂さんも駄目なんですか?
繭を慰めてるCGがあったような・・
広瀬の壊れ具合が面白かったです。
次回から、ようやく本番ですね。


>北一色様
>ONE英雄伝説3〜パタポ星域の会戦〜

髭とみさおが最高にいかしてます(笑)
この話の真の主役です(嘘)。
『鉄壁サトムラ』
確かにそうだなあ・・。
次回、本当に南の活躍はありますか(笑)?


>かっぺえ様
>変わり行く『いつも』−後編−

もう、投稿しないんですか?残念です。
それにしても柚木詩子。
神凪にはうらやましいです。
こいつをここまで『らしく』『上手く』書くことはできませんから・・


>WTTS様
>一方その頃…広瀬(第15投稿)

広瀬素直じゃないなあ、とか髭にこんな趣味がっ、とかほくそえんでます。
楽しいです。
茜と広瀬・・ここでも一波乱ありそうだ。
それにしても広瀬って『いい奴』だったのかもしれませんね。
でも、彼女に一言。これはあるSSからの引用ですが・・

『誰にでも優しいのと、誰にでもいい顔をするのとを取り違えていませんか?』

心を閉ざしている茜ならこれを言ってもおかしくはないはず・・。


>PELSONA様
>全國大食い選手権
>全國甘味王選手権

ええと・・感想の言いようがないです。
ただ・・『真実だ』なんてね。


>パッヘルベルの・・・

お腹を鳴らしてるみさき先輩って想像すると可愛い。
その後の光景は地獄かもしれないけど(笑)。
あと神凪にはタイトルの意味は分かりませんでした。



二発目はここまでですね。