黄昏 投稿者: 神凪 了
・・・。
・・。
・。
「えいえんはあるよ」

「ここにあるよ」



目が、覚める。
「ううっ・・・。」
いやに、体が重たい。
と、いうか指を動かす事すらできない。
いったい・・・。
ゆっくりと、目を開ける・・・。すると
「・・・・!・・へ・!こ・・い!浩平!」
「奇跡だ・・・。」
見知らぬおばさんと白衣を着たおっさんが何か言ってる。
・・・ここどこだ・・?
家じゃないのか・・?


・・・。


二十年の月日が流れた。
今では俺はある中堅会社の課長のポストにつき、愛する家族もいる。
・・・。
後で聞いた話によると、俺は当時幼かった「みさお」という妹とともに
交通事故に遭い、十年以上もの間、昏睡状態にあったらしい。
・・・。
・・・あの世界・・・
長森、茜、七瀬、みさき先輩、繭、澪、住井、深山先輩、由起子さん、
そして、さまざまな人たちの住む世界・・・。
いったいなんだったのだろう・・?
消えそうになって、必死で絆を求めて、それが無駄な努力に終わって・・。
・・・。
みさおは、俺を現実の世界に引き戻そうとしていたのだろうか・・?
永遠は、妄想の中ではなく日々進み続ける現実にあるといいたかったのか?
あの時、誰かともっと深い絆で結ばれていたら俺はあの世界に残れたのだろうか・・?
・・・・馬鹿馬鹿しい。
俺の今の幸せはまぎれもない、『今』にある。
もうこんなことを考えるのはよそう。
コツコツコツ・・・。
そして、俺は再びアスファルトの上を歩き始め、
あの輝く季節の事を思い出す事はなかった。

<了>

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お初お目にかかります。これがデビュー作の神凪 了です。
先に断っておきます。僕はONEというゲームが大好きです。
決して悪意からこんな話を書いたのではありません。

これは実は「みさお」のエピソードを見たときに、
「実はこれはこういう物語だ!」と邪推しまくった結果です。
感想、苦情、技術の指導など書いてくださると狂喜乱舞です。