最終章「永遠の崩壊」
ゴオオオオォォォォォ!!
真っ暗な闇に不気味な音だけが響く。
「瑞佳! 俺だ、浩平だ!! 瑞佳!!」
「瑞佳さーん!!」
ゴオオオオォォォォォ!!
得体の知れない音のせいで、俺達の声もかき消されてしまう。
「くそうっ、一体瑞佳はどこにいるんだ」
永遠の世界へ来てどのくらいの時間が経ったのだろうか。
俺たちはこの真っ暗な空間で瑞佳を探しているが、一向に見つからない。
「………!! お兄ちゃん、あれ!!」
下を探していたみさおが不意に大きな声を上げた。言われて下を見る。
「瑞佳! それにみずかも!!」
俺達の足元のさらに下、距離にすれば200メートル位だろうか。二人はそこにいた。
「行くぞ、みさお!」
みさおの手を取って瑞佳達のもとへ向かう。
「!!」
「瑞佳さん!!」
二人は確かにそこにいた。
しかし、その体はまるで塗り込められたかのように闇に埋まっている。
胴から下と両腕の自由を奪われ、まるで胸像のように佇む瑞佳とみずか。
「折原君、二人は永遠の世界に取り込まれかけているわ。早く助けてあげて」
先輩の声が響く。
「助けるってどうすれば………」
闇に埋まった二人の体。
引き離そうにもしっかりと埋まっている為、下手をすれば二人を傷つける事になりかねない。
「みさおが…行くよ」
そういうと、みさおはゆっくりと二人のもとへ進みだした。
「みさお、待て!」
「大丈夫だよ。この世界はみさおが望んだ世界なんだから」
俺の制止も聞かず、どんどん二人のもとに近づいていく。
「みさお!、危ない!!」
二人の体を縛っていた黒い霧の一部がみさおの体を包み込む。
しかし、みさおは少しも慌てる気配はない。
「みさお!?」
「瑞佳さん…みさおとお話しよう。ねっ」
少しの沈黙。そして、みさおの言葉に頷くように瑞佳達の体を覆っていた闇はゆっくりと晴れていった。
「……帰って」
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なんで今頃なんでしょう?
しかも最終章前編って…http://www.biwa.ne.jp/~karuma/