幼き日に浩平を思う瑞佳の心…
兄を思うみさおの心…
2人の純粋な心から生まれたみずか…
そして、妹を失った悲しみに打ちひしがれる浩平の心…
みずかと浩平の間に交わされた盟約…
永遠の盟約…そして作られた世界………
「………永遠はあるよ…ここにあるよ………」
第九章「思い」
「………やっぱりね」
先輩はみさおの言葉を聞くと、ティーカップを机の上に置いてつぶやいた。
「やっぱり…って、どういうことですか?」
「永遠の世界には心が二つあったわ。一人はあなたの知ってる長森さん。もう一人は…」
「多分…俺が前に見た子供の頃の姿をした瑞佳。みずかだと思います」
俺に助けを求めてきたみずか。おそらくみずかは、瑞佳の消滅を俺に伝えたかったのだろう。
しかし先輩はゆっくりと首を横に振り、
「いいえ。もう一つの心は…みさおちゃん、あなたでしょう?」
じっとみさおを見つめる。
「はい」
問いかけにゆっくりと頷くみさお。
先輩はその言葉を聞くと、長いためいきをついた。そして…
「これですべてがはっきりしたわ。なぜみさおちゃんが急に現れたのかもみずかって子の正体も」
そう、言い放った。
………沈黙。
先輩がコーヒーをすする音だけが部屋に響く。
みさおも、そして俺も一言も発しない。
一秒でも早くその理由を聞きたかった。しかし、聞いてはいけないような気がして言葉が出ない。
みさおはと言えば、両手を膝の上で握りうつむいたまま動かない。
先輩の言葉を待つしかないのだ。
そして…
「あなたが永遠の盟約を交わした相手…みずかって子は子供の頃の長森さんとみさおちゃんの心が生んだのよ」
その一言で、俺は頭の中のもやが一気に吹き飛んだような気がした。
永遠の世界でみずかに感じた懐かしさ。やすらぎ。
今ならはっきりと分かる。あの感じは、ここにいるみさおと同じなのだ。
「そして…その子こそ永遠の世界そのものなのよ」
………みずかが永遠の世界………
なにもかもが思い通りになる世界。みずかと俺しかいなかった世界。
あの日から…永遠の世界は始まっていたんだ………
俺が瑞佳と出会った日から…瑞佳が俺を救い出してくれた日から…
みさおと瑞佳が俺を思ってくれたその日から………
「そしてみさおちゃんは…永遠の世界を消滅させるために現れた」
「!?」
先輩の言葉に顔を上げる。
「私がさっきまで考えていた疑問…どうして長森さんを取り込んだ永遠の世界は消滅しなかったのか」
「永遠の世界を創りだしたのは瑞佳とみさお。だから二人を取り込まないと永遠の世界は消滅しない…そういう事ですか?」
「そうね。みさおちゃんが長森さんの体に入ったのは、おそらく永遠の世界への道が彼女の体の中にあるからだと思うわ」
そこまで話すと、先輩はすっかり冷めてしまったコーヒーを飲み干した。
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加龍魔「3ヶ月ぶりのごぶさたです。〜時の狭間で〜覚えてましたかぁ?」
秋穂「うーん、もうすっかり忘れられてると思うよ」
加龍魔「なんせマシン壊れるわノートのHD吹っ飛ぶわ」
秋穂「そういうの日ごろの行いって言うんじゃないかなぁ」
加龍魔「・・・・・」
秋穂「あ、拗ねた」
加龍魔「まぁ何はともあれPS版も無事出た事だし、発売元は違うけど。あとア」
秋穂「あんまし余計な事言うとまた怒られるよ。襲撃記の事で言われてるんだから」
加龍魔「そうだった。それはさておきこのシリーズも次回でいよいよ最終回!!」
秋穂「復活早々なんていう突っ込みはなしね」
加龍魔「んであまたねんー」http://www.biwa.ne.jp/~karuma/