Pileworld 投稿者: 加龍魔
Pileworld 〜時の狭間で〜 第NG章

#その1
浩平「………俺は…瑞佳を………殺してしまった………」
加龍魔「はいカーーーット!!」
 俺の声が辺りに響く。ここはパイルワールド撮影スタジオ。
 今は浩平が死んでしまった瑞佳を抱いて泣くシーンの撮影中だ。
加龍魔「長森さん、もう起きていいよぉ」
長森「………ぐー………むにゃむにゃ………」
浩平「駄目だ。寝てやがる」
加龍魔「疲れてるんだろう。そのままにしておけ」
長森「………うーん………おなかすいたよお………」
浩平&加龍魔「みさき先輩かぁ!!」

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加龍魔「ってなわけで今回は嗜好を変えてNG集なんぞやってみました」
秋穂「わーい、おねえちゃーん」
岩水「秋穂ー!」だきいっ!!
加龍魔「こらこら、クールなイメージが崩れる」
岩水&秋穂「それでは続きをどうぞ!」
加龍魔「俺のセリフを取るなぁ!!」
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#その2
長森「早く、早く!」
浩平「ちょっと待て長森、チャックにパンツが引っ掛かって…」
 ジャリッ!!
浩平「#$&%*#‘!”#$%?‘*!!」(挟んだらしい)
長森「こ…浩平………大丈夫?」
浩平「袋が………ふくろがぁ………」(爆笑)

#その3
加龍魔「それじゃあ七瀬くん。準備して…3…2…1…GO!!」
 ダダダダダダダダ
浩平「長森、お前がもっと早く起こしに来ればこんな事には…」
長森「浩平、前!!」
 スカッ!!(外れた)
浩平「へっ?」
七瀬「とっとっとっとっと…」(勢い余ってそのまま駆け出す)
 ガサガサガッシャンシャーン!………コイン
(ゴミ捨て場に頭から突っ込んだ挙げ句、降ってきた空缶が頭にぶつかっている)
浩平「七瀬、みごとな体当たりだ」
七瀬「ひょへるはぁ!!(よけるなぁ!!)」
 口に魚の骨を咥えながら七瀬が叫んだ。

#その4
加龍魔「それじゃあよーい………スタート!!」
浩平「………みさき先輩がここにいたら、俺達なんかあっという間に食われちまうかもな」
長森「……………」
柚木「……………」
七瀬「……………」
里村「それは………嫌です」
加龍魔「カーーーット! 里村さん、いい演技してるよぉ!!」
柚木「あたしたち、川名さんに食べられちゃうのかなぁ」
七瀬「ちょっとは間違いに気付かんかぁ!!」バキイッ
加龍魔「いてててて………俺、なんか悪いことしたかぁ」

#その5
浩平「………な………瑞佳!!」
 瑞佳のもとに駆け寄り、抱きしめる浩平
長森「浩平、どうしたの? なんで…泣いて…」
 ドサドサドサドサドサー!!
 突如2人の上へ降ってくる荷物(ハリボテ)
加龍魔「こらー! 大道具ちゃんと作っとけよ!!」
大道具「俺達じゃないっす。こいつが………うぎゃー!!」
 ずんずんずんずんずん!!(大道具踏み潰される)
加龍魔「暴れ主か………見なかったことにしよう」

#その6
加龍魔「それじゃあ長森さんが消えるシーン…スタート!!
浩平「………お前………」
・・・・・
浩平「馬鹿!!…そんな事より………」
・・・・・
浩平「………瑞佳!!」
・・・・・
柚木「特殊撮影のシーンってさ…はたから見てるとただの馬鹿だよね」
七瀬「確かに………言えてるわね」
・・・・・
浩平「瑞佳! 俺はお前のこと、絶対に忘れないからな!!」

#その7
 ぬいぐるみのスイッチを入れてみる浩平。
 ……………
 電池が切れているようだ。新しい電池に入れ替えてみる。
ぬいぐるみ「おっす! おら○空!!」
加龍魔「誰だぁ! ぬいぐるみにいたずらした奴!!」
里村「……………」ニヤリ

#その8
 岩水先輩の顔には明らかに怒りが満ちている。
 ………そして………
岩水「折原君! 七瀬さんはどうしたの!!」
浩平「……………」
浩平「………七瀬は…熊殺しを完成させるために山篭りに行きました………」
七瀬「だれが熊殺しだぁ!!」どげしいっ!!
加龍魔「困るよ七瀬くん。本番中に入ってきちゃあ」
七瀬「あんたもNGに気付かんかぁ!!」ゴバキイッ!!

#その9
岩水「忘れていると思ったの? あたしが、長森さんの事」
浩平「………はい………」
 ゴスッ!!
浩平「ぐはあっ!!」血を吐きながらうずくまる浩平
加龍魔「だめだめ岩水さん!。そこは平手打ちなんだから」
岩水「そうなんですか? 私はボディーブローに変わったって聞いたんですけど」
加龍魔「………誰に?」
七瀬「クックックッ」(犯人)

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加龍魔「というわけでお送りしましたNG集。いかがだったでしょうか?」
秋穂「おねえちゃーん」ごろごろ
岩水「秋穂ー」しゅりしゅり
加龍魔「ええいっ、そこ! じゃれあうんじゃない!!」
岩水「それでは、ここでこれからの極秘ストーリーを一挙大公開!!」
秋穂「VTRスタートぉ」
加龍魔「こらー! 勝手に映像流すなぁ!!」
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「………か………みずかぁ!!………」
 そこに立っていたのは、まぎれもなく瑞佳だった。
「生きて…生きているんだよな!!」
 抱きしめた瑞佳の身体は、さっきまでとはまったく違う。暖かさがあった。
 しかし………
「………違うよ………あたしは…瑞佳さんじゃないよ………」


「………いいよ………お兄ちゃん………」
 みさおは俺の手を取り、自分の胸に押しつける。
「みさおの代わりにお兄ちゃんの側にいてくれた人だもん。瑞佳さんは」
「でも………」
 瑞佳とみさお、2人を天秤にかけるようなものだった。
 ………だけど…俺は………


「そうよ! あの先輩よ!!」
 詩子が突然大声をあげる。
「先輩って………岩水先輩の事か?」
「そう。あの人『困ったことがあったらいつでも相談してね』って言ってたじゃない」
 そうはいっても、一度しか会ったことがない先輩である。
 長森の事を覚えているとは到底思えない。
「相談してみましょう! どうしてあたし達以外長森さんの事を忘れかけてるのか」
「そうだね。あたし達だけで悩んでてもしょうがないもん」
 長森も、少し明るさを取り戻したようだ。
 あまり説得力はなかったが、それでも詩子の言葉は頼もしかった。


 長森が行方不明になって3日目
「浩平。長森さんは病気ですか?」
 気になったのか、茜が長森の事を聞いてきた。
「いや、俺にもよく分からない。いつもなら毎朝迎えに来るんだが」
 本当にどうしたんだろう。
 俺がいなくなった事はあっても、長森がいなくなるなんて………
「まさか………消えたのか………」

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プチッ
加龍魔「はぁはぁ、調子に乗って違うストーリーまで流すんじゃない!!」
秋穂「いいじゃない。予告編だと思えば」
岩水「秋穂ー。ちゅーーー」
加龍魔「ああっ、この2人をいっしょにするんじゃなかった」
秋穂「おねえちゃーん。ちゅーーー」
加龍魔「すんなっ!!」
岩水&秋穂「ぶーぶーぶー」
加龍魔「岩水さん。頼むからギャグに走るのやめてくれ………」