Pileworld 時の狭間で 第爆章 投稿者: 加龍魔
「さて、それじゃあそろそろ始めるか」
 ここは俺の家。
 今日は忙しい撮影の合間をぬってパーティーをやることになったのだ。
「まずは自己紹介だな。まだ全員そろった事ないだろ」
「そういえばそうね。じゃあまずあたしから」
 七瀬が腰を上げる。
「七瀬留美です。前の作品では夢見る乙女役でした」
 間髪入れずにひやかす。
「なんだ。格闘王目指してたんじゃなかったのか?」
「誰が格闘王だぁ!」
 ゴバキィ!!
 七瀬の鉄拳が飛ぶ。もろに食らってしまった。
「な…七瀬………ナイスパンチ………ゴフゥ………」
 ば、馬鹿な事はおいといて………
「長森瑞佳です。浩平が面倒かけると思うけどよろしくお願いします」
 長森………そこまでして俺を辱めたいか?
「みずかです。またおねえちゃんたちにあえてうれしいです」
 みんなに愛想をふりまくちびみずか。
 子役ながら末恐ろしい奴………
「じゃあ次は、今回初参加の岩水先輩」
 みんなが注目する。先輩は少し恥ずかしそうだ。
「えっと、岩水楓です。あの…その………よろしくおねがいします………」
 撮影中はクールな先輩だが、こういう場所では意外とシャイなようだ。
 俺は顔を赤らめる先輩がかわいく見えた。
「里村茜です。今回は髪型をいろいろ変えてみたいと思います」
 茜………原画さんが泣くからやめておけ………
「じゃあ次、お前」
 俺は柚木を指差す。
「柚木詩子でーす。今日はあたしの為に集まってくれてありがとぉ!」
「おい、誰がお前のために集まったって?」
「えっ、違うの?」
「あたりまえだバカモノ」
「詩子………自意識過剰です」
 俺と茜のダブル突っ込みが飛んだ。
「んじゃ次、澪」
 俺に呼ばれてぴょこんと立ち上がる澪。
 カキカキ…『上月澪です』
 カキカキ…『がんばるの』
 いつものスケッチブックトークが始まる。最近は手話も覚えたらしい。
 たとえ言葉は話せなくても、澪の心は俺達にしっかり伝わっていた。
「次は………」
「ぎゃあああぁぁぁぁぁ!!」
 七瀬の悲鳴。その原因は…
「久しぶりに会ったって言うのに。繭、放しなさいよぉ!!」
「みゅーーー」
 原因は、繭が七瀬のおさげに掴みかかったからだった。
「ちょうどいい。椎名、自己紹介しろ」
「みゅー。椎名繭です」
「だからおさげを放しなさいってばぁ!!」

「そして俺が折原浩平。これで全員だっけか?」
 みんなに尋ねる。
「浩平、香織さんと桜さんの事忘れてるよぉ!」
「………忘れてます」
 そうだった。まだ撮影現場に出ていないからすっかり忘れていた。
「すまんすまん。じゃあ佐野さんから」
 少し不機嫌そうな顔をしている。まぁ当然だろう。
「佐野香織です。高校生役なんで若さを武器にがんばります」
 メインキャラが大学生とはいえ、挑戦的な発言だ。
 気弱な役柄からは想像がつかない。
「朝倉桜です。前は少ししか会えなかったけど、また皆さんに会えてうれしいです」
 桜は前回の撮影終了後、特番用に書かれたシナリオで俺達と共演した。
 そういえばあの時の裏山越えのシーン。
 思わず本気で七瀬を蹴っ飛ばしてセットとは別の壊れないはずの金網を破壊したっけ。
「いやぁ、懐かしいなぁ」
「そういえばあんた、確かあの撮影のとき…」
 七瀬の目が俺をにらみつけていた。

「こんどこそ、全員だな」
「ちょっと待ったぁ!!」
 バン!! と勢いよくドアが開く。
「この高槻様を招待しないとはなにごとだぁ!!」
 全員が一瞬にして沈黙する。そして………
「貴様なんぞ呼んどらんわぁ!!」
 ゴバキィ!!
 俺と七瀬の拳が、正確に高槻の顔面をとらえていた。

 そしてひとときの休息も終わり、また撮影の日々が続くのであった。

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加龍魔「ふぅ、やっと全キャラの自己紹介終わったよ」
秋穂「ねぇ、なんであたしは出てないの?」
加龍魔「お前は名前しか出てこないからね」
秋穂「川名さんは?」
加龍魔「みさきさんはドイツで目の治療中」
秋穂「そういえば、金網のシーンってあの複線のところだよね」
加龍魔「よく分かったな」
秋穂「全シリーズ読んでないと分からないと思うよ」
加龍魔「まぁ、いずれわかる事だ」
秋穂「いいのかなぁ」
加龍魔「さて、そろそろ本編書くか」
秋穂「ねぇ、本当に私の出番ないのぉ?」
加龍魔「ない!!」

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