リレーSS第13話 投稿者: かっぺえ
浩平と長森はセットを片付けていたおじさんと向き合っていた。
「どうしたんだ、君達。チョコパマン対キムチマンのショーは終わっちまったぞ」
「いえ、人を探してるんです」
「人を探してる?」
「はい。頭にリボンを付けた女の子を見ませんでしたか?」
「ああ。その子ならチョコパマンに『お嬢ちゃん。パフェは食べたくないかい?』って誘われて車でホテル街の方に・・・」
「ほら見ろ、長森。やっぱりホテルに入るべきだったんだ。そこで俺と長森は結ばれ、十月十日(とつきとおか)後には澪が『おぎゃあ』と生まれてくるんだ」
「浩平っ!!何、わけの解んない事言ってるんだよ!ホテル街なんだよ!澪ちゃん本当に誘拐されちゃったかもしれないんだよ!」
「確かに本気でヤバイな。冗談はこれぐらいにして行くぞ長森!」
「うん。あっ、おじさん、ありがとうございました」
ばたばたと、去って行く二人を満足そうに見ながら、おじさんは懐から携帯電話を取り出した・・・

そのころ、堕ちるとこまで堕ちた二人はホテルの前で問答をしていた・・・
「・・・さあ。早く入りましょう」
「ちょ、ちょっとまって里村さん・・・」
「・・・長森さん。私じゃ・・・駄目ですか?」
住井は長森に化けた南に「私は住井君じゃないと駄目なんだよ」と言われて以来、ぶっ壊れたままだった。彼女いない暦17年で、その手の精神防御力が弱い彼にとって、それはあまりに衝撃的な事だったからだ。
「ちっ違うんだよ。私だって里村さんと・・・あああっ!じゃなくてぇ住井、違うんだあっ!!」
一方、南はなんとか理性を保っていた。何故、先に堕ちてしまった南が理性を取り戻したかというと、それは皆さんが南君救済SSを書かれているからである。
「・・・違う?何がですか?」
「俺達の目的は折原に復讐する事だっただろ!今、俺達は踏み込んではいけない領域に踏み込もうとしているんだぞ。住井、頼むよ。正気に戻ってくれっ!」
「・・・折原に復讐・・・」
「そうだ。なぜか、異様にもてる折原に復讐するのが俺達の目的だったろう!」
「・・・異様にもてる折原・・・」
住井の瞳に理性の輝きが戻る。
「・・・そうか。そうだったな。俺達は折原に復讐するんだったよな」
「おお!正気に戻ってくれたか」
「ああ。こんな事やってる場合じゃなかったな。一緒に折原に天の裁きを下そうぜ」
「それでこそ、住井だ」
二人はがっちりと肩を組み合う。
二人が禁断の場所からの帰還した瞬間であった。
「行こう。憎き折原に復讐するために!」
「おうっ!!」
と、その時住井の持っていた、携帯電話が鳴り響いた・・・

−−−つづく−−−
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