偽善の恐怖館 病院編-2- 投稿者: ニュー偽善者R
ガラッ!

「きゃあっ!?」
「どわあっ!?」
ドアを開けた瞬間、女の悲鳴が発せられ俺は不覚にも驚いてしまった。
「い、いきなり出てこないでよ〜」
聞き覚えのある声。俺は暗闇の中、声の主を確認すると・・・
「ゆ、柚木!?なんでまだいるんだ!?」
「えへへ、茜もいるよ」
「・・・こんばんわ」
おいおい、もう消灯時間だぞ。一般の奴が病院に入れるわけがない。
「何でお前等ここにいるんだ?」
「だって夜の病院っておもしろそうじゃない。隠れてたんだ」
「帰れ」
「ひどいよ〜、せっかく来たのに」
「大体な〜、夜の病院で何するんだよ」
「肝試し」
さらりと言う柚木だが、そんなことさせるわけにはいかない。
「駄目だ。帰れ」
「無理だよ。玄関鍵かかってるもん」
「はあ・・・、茜よくお前一緒にいたな・・・・・」
「詩子がどうしてもと言うので・・・」
事情は大体わかった。しかし、看護婦にばれたら大変なことになる。やっぱり帰すしかないな。
「ナースステーションに鍵がある。それで帰れ」
「う〜、仕方ないな〜。じゃあ、折原君もついてきてよ」
「やれやれ・・・」
まあ、目を離して遊び回れたらまずいからな。俺は柚木達についていくことにした。


コツコツコツコツ・・・・・・
真っ暗な廊下に三人の足音が響く。非常灯のぼおっとした光りだけが、足場を照らしている。うーん、こりゃちょっと怖いかも。俺は隣を歩く茜の表情を見た。複数のせいか、それほどおびえた所はない。ま、暗いせいもあるしな。
「うーん、やっぱり肝試しやりたいなー」
「小声でしゃべろ」
柚木は高まる衝動が抑え切れないのかうすら笑いを浮かべている。何か企んでそうだな・・・・・・。
「ねえ、折原君。ここの病院って、何か怖い話ないの?」
「俺は来たばかりだからな。特に聞いてない」
「何だー」
俺達がいるのは三階、ナースステーションは二階にあるので階段を降りなければならない。階段を降り、さらに二階の廊下を進む俺達。だが、俺は不思議なことに気付いた。
「おかしい・・・二階に降りたらナースステーションはすぐのはずなのに・・・」
「覚え間違えじゃないの?」
「いや、看護研修の美香さんに会いに、俺は毎日ナースステーションに来るからな。間違うはずがない」
「・・・美香さんって誰ですか?」
怒気を含んだ茜の声が響く。しまった、余計な説明を・・・。ちなみに美香さんとはなかなか美人の看護研修生だ。住井達が見舞いに来た時はかなりうらやましがっていた。
「と、とりあえず進もうか」
「・・・浩平。弁当の件はなしということで」
「い、いや!別に狙ってるというわけじゃなくて、暇だからさ!話し相手になる人ならどうせ美人の方が・・・」
「・・・美人?」
はうっ!しまった!さらに墓穴を!
「あ、え、え〜と・・・」
「・・・仲がいいんですね。その方とは」
「お、俺はあくまで茜一筋で・・・」
「・・・美香さんに手を出したんですね」
「いや、まだ出してないって!」
「・・・まだ?」
ぐあああっ!さらに墓穴をーーーっ!
「折原君、茜うるさいよ。見つかったらどうするの」
「す、すまん・・・」
「・・・・・」
ふー、たまには柚木も役に立つな。とりあえず後で茜に謝ろう。それにしてもおかしい・・・確かにここは二階のはずだ。俺は病室のプレートを見た。・・・259・・・?
「なあ、病院って普通4と9は使わないよな?」
「・・・縁起が悪いですから」
「これ・・・『じごく』って読めないか?」
「ほんとだ。やな病院だね」
俺は嫌な予感がして次の病室のプレートを見た。・・・249。
「使われないはずの数字が思いっきり使われてる・・・」
「・・・嫌です」
「変な病院〜」
ゾクッ!
突然俺の背筋を悪寒が走った。何かやばいぞ・・・・
キコキコキコ・・・
廊下の奥から車椅子の音。こんな時間に出歩く奴がいるのか?
「やばいよ。誰か来たよ」
「・・・隠れましょう」
「そうだな」
俺達はとりあえず階段の所まで戻ることにした。
キコキコキコ・・・
車椅子の音は確実にこちらに向かってきている。
「ねえ?階段ってこんなに遠かった?」
「いや、そんなはずがない」
俺達は来るときよりも早足で歩いているはずだ。それなのに一向に、階段にはたどりつけない。俺はちらりと横の病室のプレートを見た。・・・259?何だって!?
「おい!?何かおかしいぞ!」
「・・・何がですか?」
「さっきと同じ場所にいるんだ!」
「そんなことあるわけ・・・あるね」
柚木もプレートを見て凍った。どういうことだ?俺達は確かに進んでいるはず。言い知れぬ恐怖が俺を支配した。
キコキコキコ・・・キィー・・・
きしませた音を立てて、車椅子が俺達の手前で止まった。おびえながらも俺は赤いパジャマを着た車椅子の人物を下から見た。まず、足、腿、腹部、胸、そして首・・・がない!?あるはずのものがない所からは血が滴り落ち、パジャマを真っ赤に濡らしている。パジャマは血で染まっていたのだ。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーっっっっ!!!!!!!!」
「きゃあああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーっっっっ!!!!!!!!」
俺と柚木は腹の底から悲鳴を上げた。茜はあまりの恐怖に声を出すのも忘れている。俺達はとにかく走り出した。
足の遅い茜の手をしっかりと掴み俺は逃げる。いくら怖くても茜を放っていくわけにはいかない。周りを確認せずにただ走る俺。手のひらに伝わる茜の温もりだけが、俺を支えていた。ひたすら走っていると先ほどはたどりつけなかった階段に着いた。俺は病室に戻るため三階に上がった。踊り場に出て、一旦俺達は足を止める。
「はあ、はあ、はあ・・・大丈夫か、茜?」
「はあ、はあ・・・な、何とか・・・」
茜はだいぶつらそうだ。
「柚木は?」
だが返事はない。
「お、おい・・・柚木?」
「・・・いません」
何てこった!はぐれるなんて!でも、おかしいぞ?柚木は確かに俺の横を走っていた。至近距離で見失うはずがない。足音だってちゃんと聞こえていた。だが、階段に達した時その音も消えたのだ。
「・・・ここ何階ですか?」
茜の言葉にはっとして俺は踊り場の壁に彫られた階数を見る。・・・4階・・・!?
「4階なんてこの病院にないぞ・・・」
「・・・ほんとですか?」
「ほんと」
「・・・そんな」
茜は膝をがっくりとつき、崩れ落ちてしまった。
「茜・・・」
俺は茜の肩を抱くようにしてしゃがみこむ。茜は泣いていた。
「・・・ごめんなさい」
「いや、怖いのは俺も同じだし・・・それに、俺がついてるしさ」
「・・・浩平」
ぎゅっ
茜が俺の体に抱きついてきた。俺はその体を優しく抱きしめてやる。そんな俺達にさらなる恐怖が襲ってきた。


・・・コツコツコツ


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SS診察室
ちびみずか「うわ、さいごがこわいよ」
やっぱ似合うな〜、ちびみずかの白衣(^^)
ちびみずか「えいえんは・・・」
わ〜〜〜っ!聞いてるって!
ちびみずか「かいせつしようね」
はい・・・じゃ、早速解説いきますか。
ちびみずか「うん」
今回はホラーよりもラブラブ中心。やっぱり瑞佳様にするんだった(^^;ホラーの方はいかがだったでしょうか?今回はあっさりとしてみました。
ちびみずか「わたしはこわかったよ」
次回は多分ギャグなし。ホラー中心です。
ちびみずか「ちょっとやだな〜」
それでは次回をお楽しみに〜!
ちびみずか「さよなら〜〜〜!」

追伸・・・現在ちびみずかSS執筆中。ほのぼのしたやつね(^^)

追伸MK-2・・・ちびみずかに次何着せようかな〜(^^)

追伸Z・・・忙しくなるぞ〜。

血へど吐く思いでかいた感想

まねき猫さん
>ある日の翌日≪後編≫
懐かしいキャラが・・・確かに脇役の鏡ですね。人のためのような、自分のためのようなよく分らない奴ですね住井は(^^)

将木我流さん
>感想SS番外編4『気の早い予告付きでちょっとおトク!?』編
ほんと誰かかいてくれませんかね?ダヨモンディー(^^)ミオルドはぴったり(^^)さて、あと女神は二人・・・。

まてつやさん
>GTO・レッスン1
血へど吐く思いで書きましょう(^^)
>GTO・レッスン2
げっ!ほんとに血へどはいてる!?いや、これ読んだの、1の感想かいた後だから・・・びくっり(^^)

天ノ月紘姫さん
>川の流れに・・・(その6)
ワッフルよりも甘い約束の日・・・甘いんだろうな(^^;俺は、あまり先は予想してませんでした。そっちの方がおもしろいし。

天王寺澪さん
>NEURO−ONE 18
そうか!詩子だったのか!キャラが違うからわからなかった(^^;うーん、ミサイルに突っ込むシーンがなかったのが残念(^^;

いちごうさん
>漢字テスト
ジャンル被ってるじゃん(^^;

PELSONAさん
>innocent world 第一話、始動
いかにも長くなりそうなでだし(^^)長編をかくときのアドバイス、血へど吐く思いで書きましょう(^^)授業中にネタを考えるのは基本です。さらに、遅刻ギリギリまでSSを書きましょう(いや、マジで)。後はつながりが悪くならないように整理しましょう。以上、長さだけは異常なRからでした。続き楽しみにしてます〜〜〜!