偽善の恐怖館 病院編-1- 投稿者: ニュー偽善者R
カシャアッ!

いつものようにカーテンを開く音とともに、目の奥を貫くような陽光。
「折原さん、もう起床ですよ」
そして俺を起こす幼なじみの声・・・じゃないぞ?俺は不思議に思い眠たい目を開け、周りを見た。そこはいつもの雑誌が散乱し、ゴミの散らかった俺の部屋ではなかった。それどころか素っ気ない程整頓された白い部屋。
「そろそろ食事時間ですから」
開けられたのはカーテンではなく仕切りであった。それを開けたのは清潔感を感じさせる白衣のナース。あっ、そうかここは病室だ。こうして俺の病院での入院生活が始まる。ちなみに6人部屋なのだが、使っているのは俺とよぼよぼの爺さんが二人。計3名である。顔を磨いて朝食。それから・・・することはない。暇だ。
なぜ俺がこんな所にいるかというと、もちろん病院に泊まっているわけではない。れっきとした理由がある。それは・・・盲腸だ。ちなみに盲腸が発覚したのは次のようなことがあったせいである。

それは平和な昼食時のことであった。俺は中庭で茜と楽しく弁当を食べていた。

「茜、弁当食べないのか?」
「・・・はい、前の時間調理実習でしたから」
例のごとく茜はほとんど弁当に手をつけていない。もちろん俺はパンのみである。
「よーし、俺がもらってやろう」
「・・・どうぞ」
やはり茜も俺が食べることを予想していたらしい。俺は懐から割りばしを取り出し、たいらげに入った。
「それじゃあ、いただきまーす!」
「・・・」
今日のおかずは、アスパラのベーコン巻き、マカロニ、家庭の味にはかかせない卵焼き、そしてご飯。なかなかうまそうではないか。
「もぐもぐ・・・」
「・・・」
やはり茜は料理が上手いな。茜の愛情(?)がおかずを噛むたびにしみだしてくる。
「もぐもぐ・・・茜、今回もうまいぞ」
「・・・本当ですか?」
「ああ、いつ嫁に出してもいいぐらいだ・・・もぐもぐ・・・」
「・・・」
茜の表情が少し照れたのが横目でわかる。やっぱこういう顔の方がかわいいよな。そんなことを考えながら半分ほど弁当を食べたときである。
ピキーーーン!
「うぐっ!?」
「・・・?」
突然俺の腹部に雷鳴が鳴り響いた。俺は震える声で茜に確認する。
「あ、茜・・・これ毒は入ってないよな?」
「・・・入ってるわけありません」
「い、いや・・・柚木辺りがしかける可能性が・・・・」
ちなみに俺の声は震えている。
「・・・大丈夫ですか?」
「た、多分・・・」
多分所ではない俺を襲う戦慄はますますひどくなっていた。強烈な痛みとなって。
ピキーーーン!
「あ、あいたたたたたたっっっ!」
「浩平!?」
俺は弁当を取り落とし、芝の上に倒れ込んだ。
「あ、弁当が・・・」
「弁当所じゃないです・・・!はやく保健室に・・・!」
「い、いや大丈夫・・・」
ピキーーーン!
「ぐあっ!・・・だ、駄目かもしんない・・・」
薄れ行く意識の中で俺は茜の声を聞いた。


こんなわけで病院に担ぎ込まれた俺だが、診断の結果盲腸。うーむ、俺はてっきり茜の弁当に毒がしかけてあったのかと・・・。
「・・・違います」
「あれ?茜」
どうやら俺の考えは口に出ていたらしい。それにしてもお見舞いに来たのだろうが、何で私服なんだ?それにまだ昼前だぞ?
「茜学校は?」
「・・・今日は日曜日ですよ」
呆れ気味の声。
「うーむ、ずっと寝て暮らしてたからな、日付の感覚が」
「・・・うらやましいです。寝てられて」
「そうだよー、わたしが学校行っても折原君いないんだもん」
「待て・・・何で柚木がここにいるんだ・・・?」
茜の後ろからひょっこり柚木が顔を出した。
「お見舞いだよ」
「土産置いて帰れ」
「ひどいよー、それにお土産なんてないよ」
「じゃあ、何しにきたんだ・・・?」
「わたしの笑顔で十分だよ」
こ、こいつ・・・
「あっ!フルーツだ!もらうよ〜!」
待てや、おい。
「あっ、洗ってきた方がいいね。ちょっと行ってくる」
リンゴを片手に柚木は行ってしまった。見舞いに来て人のものを略奪するか普通?あー、頭痛てー・・・
「・・・お土産です」
「おっ!さすが茜、気が利く」
だが、茜の差し出した袋を見て俺は止まった。見慣れた山葉堂の袋。もちろん中に入ってるのは・・・・・
「・・・ワッフルです」
「チョコレート・・・だよな?」
「・・・違います」
「プレーン」
「・・・違います」
「ストロベリー」
「・・・違います」
「アーモンド」
「・・・違います」
「ココナッツ」
「・・・違います」
「ブルーハワイ」
「・・・そんなのないです」
俺の予想は全て違うようだ。いや、最初からわかっていたが・・・
「あれか・・・」
「・・・美味しいです」
茜の表情は肯定している。俺は恐る恐る中を覗くと、見慣れたいかにも甘そうな物体が4つ入っている。見慣れた時点で俺はかなりすごいと思う・・・。
「・・・あたたかい内に食べてください」
「あっ、俺今甘いもの控えられてるんだ!茜悪い!気持ちだけでもうれしいから食べてくれ!」
「・・・残念です」
危機一髪俺は自分の状況を利用し何とか逃げられた。茜は本当に残念そうな顔を見せるので、話題を変えることにした。そうだ、茜に会ったら言おうと思ってたことがあるんだ。
「茜・・・」
「・・・はい」
「弁当落としちゃってごめんな」
「・・・いいです」
「そうか」
「・・・はい」
「また食べれなくなったら食べてもいいか?」
「・・・今度浩平の分も作ってきます」
茜の意外な言葉に俺は喜々とした。
「ほんとか!すげー、うれしい!」
「・・・退院祝いです」
「はは、なら早く直さないとな」
二人の間に穏やかな雰囲気が流れる。何かいい感じだ。俺は手を差し出し茜の体を・・・
「折原君、桃も食べていい?」
この〜!いつの間に戻ってきやがった!?しかもすでに桃の皮むき始めてるし。
「折原君も食べなよ。はい、あ〜ん」
「あ〜ん・・・もぐもぐ・・・うん、なかなかうまい」
「でしょ?」
「って、俺は子供か!?」
「茜も美味しいよね?」
「・・・はい」
聞いてないし・・・。こうして柚木に振り回されるまま、夕暮れを迎え茜達は帰った。俺は疲れきりベッドに寝転んだまま、眠ってしまった・・・・・。


・・・・・コツコツ
(足音・・・・・?)
俺はそんな音に起こされた。周りを見ると、すでに真っ暗で真夜中であった。俺は台の上の時計を見た。
(げっ!?もう日付変わってる!?)
時刻は丑三つ時。しまった夕食食べれなかった・・・。
・・・・・コツコツ
また足音だ。さっきよりも近づいている。見回りなのだろうが、俺は嫌な予感がした。ベッドを降り、スリッパをはいてドアに向かう。
・・・・・コツコツ
足音が病室の前で止まった。人影がすりガラス越しに見える。ナースではない。俺は意を決して扉を開けた。そこには・・・・・・・。




@@@@@@@@@@@@
〜SS診察室〜
何かタイトル怪しげ(^^)
ちびみずか「わーい、白衣だー!」
ああ!ちびみずかの白衣!何か似合うぞ!(俺の想像)うーむ、この幼児体形にミスマッチな衣装。逆にそそる(^^)
ちびみずか「きゃー!へんたーい!」
待て!半分は冗談だ!
ちびみずか「のこりの半分は?」
本気(^^)
ちびみずか「きゃー!ちかよらないでー!」
うわー!全部うそ!うそだから!多分(^^;
ちびみずか「たぶんって、なんだよー!」
わー!待て!解説してないぞ!ああ・・・永遠の世界に帰ってしまった・・・。しゃあない、一人さびしく解説するか・・・えー、今回のテーマはホラー&ラブラブ(死語)つまりなんでもあり(^^)季節外れなSSですけどね。本当は瑞佳様でかきたかったんですけど・・・。今回は見送り。それでは!茜にはピンクのナース服が似合う気がするRでした!

追伸・・・まじでヒロインのナース姿が見たい(^^)

またも追伸・・・続き遅くなるかも・・・

またもや追伸・・・盲腸経験ないです

またもまたも追伸・・・夜の病院&学校は怖いぞー!

しつこいけどまたも追伸・・・ちびみずかが漢字使えることに気付いたんで、今回漢字使ってます。

〜感想〜

天王寺澪さん
>NEURO−ONE 16
結局レディ・Cとは一体?戦闘は久しぶりですね。静水衝撃も気になります。何かここにきてどんどん新たなキャラが・・・。うーむ、さらにおもしろくなりそうですね。
>NEURO−ONE 17
うう・・・今回重要な話なのに、時間がなくてしっかり読めない(TーT)難しい会話だからちゃんと読んでみます。後半の茜はまじで映画クラス。

WILYOUさん
>ちびちび(2)
浩平のクラスは全員ロ〇か?やはり期待を裏切らないおもしろさでした。ドダバタの後にいい雰囲気、逆に強調されました。うまいですね。俺としては続けて欲しかったです(^^)

もももさん
>浩平無用!in 絆 <1>
元ネタ知らないので今後の展開予想できず(^^;逆に楽しみですけど。世界観がわからないのが残念です。

WTTSさん
>二次創作賛歌(投稿 7th)
何てせつない詩なんだ・・・(うそ)(^^)3の原曲が微妙に思い出せなかったです。今でも時間ギリギリにポンキッキーズ見てるんですけどね(^^;もっと!もっと!おりはらの一番はいいですね(^^)続けてほしいですね。確かに。

変身動物ポン太 さん
>髭と授業と陰謀と
最近髭ブームですね〜。新たな時代の到来か?髭もむちゃくちゃだな、グアーの一声はうけました。
>忘却者達の鎮魂歌 (3)
深刻な状況の中でそれを感じさせないヒロイン達ですね。そろそろ関係もヘンカしてきそうな気配?

てやくのさん
>『映画部作品=ONE&MOON.===NUKE』3;br>
路線が変わってる!?何かおかしいな〜と思ってたらこの展開!意外でした。にしても先輩のキャラは一体・・・?

PELSONAさん
>欠けた月は廻る act1
意外に落ち込んでないですね。序盤の七瀬の思考(朝は怖い)の部分は共感できます。多分そう思うと俺も考えました。
>絶え間なく注ぐ愛の名を
季節の移り変わりは瑞佳様EDを通しましたね。悲しいムードでそのまま消えてしまうのは逆に意外だったな〜。
>中庭にて
連発ですね。うーん、冗談とは思えない茜のしゃべり。用意してたとしかおもえん。
>しゃべれるって素晴らしい
なぞ・・・澪の行動は一体?
>感想
ちなみに本当は古典文学の妖怪を出したい作者であったりします。
>欠けた月は廻る act2
ほお、七瀬が思いっきり乙女な感じ。悲しみをへてこその成長ですかね。

加龍魔さん
>Pileworld 〜時の狭間で〜 第七章
どこか微妙にせつないですこの作品。台詞に雰囲気が出てるんですよね。刑事二人も特徴出てますし。

火消しの風 さん
>ハプニング文化祭 NO.4
浩平の使っている材料は一体?別の意味で貴重かも。ちなみにニナで正解です。あの格好もけっこう色っぽいんですよね(^^)

ブラック火消しの風さん
>本当の自分 NO.1
うう・・・絶望から力を手に入れた浩平、それとは逆の力を得たシュン・・・複雑に絡んでたんですね。炎の復活近し?台詞がかっこいいんですよね。
>本当の自分 NO.2
すげ〜、意外な展開!まさかこんなハードになるとは、素直なハッピーEDじゃないのもせつないです。

吉田樹艦長
>伝えたいこと vol.1
中盤はあれんじといった感じですかね。やっぱり前半に注目しました。浩平の父の回想は今までにない分、自由度高いですね。そのぶん難しいかもしれないけど。

まねき猫さん
>お・わ・び(はぁと)
やっぱりぼろが出ましたか(^^;実は平安時代の資料も集めようと思いましたが、パスしました。(面倒なんだもん)代わりに妖怪はマニアックな地方のものを調べまくってます。で、タイトルですけど・・・ぐあっ!修正するの忘れてた!予告からコピッてるからずれてるんだ!うああああああーーーーっっっ!リーフ図書館でとんでもないことにー!迷惑かけるな〜。

パル大尉
>空色のクレヨン その2
地味に目隠し団の勢力を感じるのは気のせいでしょうか(^^)ストーリー自体は回想もからんでて、おもしろいんですよね。澪の視点はやはり新鮮。

ばやんさん
>『かせぐの』−3−
ギャグ部分が意外に怖くておもしろいです。通常の会話に組み込むセンスがいいですね。

えいりさん
>「何か」を求めて
いつの間にこんな進展を・・・小説版やっと読んだので、キャラはわかります。