大晦日なんだから没ネタONLY! 投稿者: 偽善者Z
鳥の声

獣の足音

緑の匂い

いつも見ていた風景

いつも走り回っていた風景

二度と足を踏むことのない風景

でも夢の中でなら見ることができる

走り回ることができる

もう一度帰ってくることができる

そんな夢想も絶望と共に打ち壊されるのだ

朝の目覚めと共に・・・・・・。


「起きた?」
「うん・・・」
同居人はまだ眠りから目覚め切っていないようだ。でも、いつものように彼女は聞いてくる。
「ねえ・・・外はどうかな?」
「きっといい天気だよ」
いつもと同じ答え。
「それじゃ僕はいくよ」
いつものように部屋を出ていく。彼女もそのうち訓練に向かうだろう。これが日常だった。窓もなく、季節を感じることもできないあの部屋で繰り返される日常だった。でも、この日常ももうすぐ終わるだろう。彼女は死ぬのだから。そして新たな生贄との日常が始まるのだ。


「そういえば今日はクリスマスだな」
「ふん、ここにはそんなものは関係ないぜ。巳間」
そんな研究員同士の会話を聞いた。クリスマス・・・一度同居人から聞いたことがある。キリストの生まれた聖なる夜。サンタが子供たちにプレゼントを与える日。一体誰がそんな夢想を考えたのだろう?ここには絶望を与えるサンタがいるな・・・。そんなことを考え、自嘲ぎみに笑いながら部屋に戻った。


「ねえ、もうどれくらい時間がたったのかしら?」
「長い時間だよ」
子守歌がわりに話し相手になる。
「もう冬ね・・・」
「今日はクリスマスだよ」
研究員の言葉を教えてやる。
「そう・・・あの子は今年も一人なのかしら・・・?」
同居人は娘のことを考えているのだろう。彼女はいつも娘のことを心配している。
「ねえ・・・わたしはもうすぐ死ぬんでしょう?」
「・・・・・・」
答えれない。でも、彼女は悟っていた。
「母親らしいことができなかったな・・・わたし」
「できるよ。今日はクリスマスなんだろ?」
そう思いたい。心底そう思った。そしてこの日常を変えたかった。
「そうね・・・救いの手がさしのべられるわよね・・・」
それっきり彼女は黙る。しばらくすると、寝息が聞こえてきた。
「おやすみ・・・未夜子・・・・・・」


今日も夢を見よう

森を走り回り

疲れたら休む

そして走りたくなったら、また走りだすんだ




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〜SS牧場より〜
もう年越しだね。ちびみずか
ちびみずか「ねえ、ねえ、としこしそばたべようよ!」
なんかみさき先輩みたいだぞ・・・
ちびみずか「だっておなかすいたんだもん」
はいはい。温室の方に用意してあるから次の作品でね
ちびみずか「む〜」
さて、大晦日特別企画、未公開SS投稿スペシャルをお送りしています。このSSは雑誌のMOONの記事を参考にクリスマス用にかいたのですが、暗いので却下しました。
ちびみずか「わ〜い!ハムスターだ〜!」
そこ、ハムスターとたわむれない!
ちびみずか「え〜、かわいいんだもん」
やれやれ・・・とりあえず、続けて3作品を投稿しますが、没ネタなのであまり・・・(^^;それでは!
ちびみずか「つぎのさくひんで〜!」

http://www2u.biglobe.ne.jp/~wkichi/index.htm