遠い蛍火-4- 投稿者: 偽善者Z
翌日。俺は村を散歩することにした。今日も空は青い。天高く青いベールが一面にかかっているようだ。俺は特に行くあてもなく、そこらを歩き回った。しかし、あるものと言えばたんぼと農家ぐらいしかない。俺は足の無くまま山道に入った。
ザク、ザク、ザク・・・・
砂利を踏み締める音。何となくこの音が懐かしく聞こえた。そう言えば前に来た時は、二人でここを歩いたっけ・・・・・。
(ばかだな・・・俺は)
俺は自分がいつの間にかあいつのことを考えていることに気付いた。一人でいるせいか、町にいる時は自ら抑え込んでいた思いがあふれてくるのがわかる。やはり俺はあいつじゃないと駄目らしい・・・。
(でも、時間は戻せない)
俺のどこかに冷めた自分が存在していた。



俺はしばらく歩き続け、山中に入っていった。
さらさらさら・・・・・・・
向こうで水の流れる音が聞こえる。どうやらもうすぐらしい。俺とあいつの願いの場所は・・・・・・。俺は進み続け、ついに視界に渓流が目に入れた。
さらさらさら・・・・・・
「・・・・・・・・」
そこには前と変わることのない、悠久の時を刻む水の流れがあった。俺はここに来るためこの村にやってきた。この渓流の伝説を信じて・・・・・・・・。



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今回短いです。このまま続けてもよかったんですが、区切りが変になるんで。それにしても由依を出さないだけでこんなに雰囲気が変わるとは(^^)