浩平犯科帳 番外編 第三話 投稿者: 偽善者Z
浩平犯科帳 番外編 第三話「繭・・・その後」


「繭ちゃん、このおぜん二階のお客の部屋まで運んで!」
「みゅ〜」
ここは神奈川のお瑞の伯父が営む旅籠、半田屋。ここで繭の声がいつものように響き渡る。
ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・
少し古い階段を、食事をこぼさないようにゆっくりと登る繭。最初の頃は、よくつまずいて膳をぶちまけていたが、今では無事に運ぶことができるようになった。
「はこんできたよ〜」
「はい、ありがとう。じゃあ次はおつかいにいってきて、はいこれ品書き」
「みゅ〜」
女将に品書きと代金を渡され、繭は外に出た。
「みゅ〜・・・」
八月の強い日差しが眩しかった。浩平達が神奈川を訪れてから、すでに三カ月が過ぎようとしている。繭は半田屋で働くことになった。これは、繭自身の強い希望であった。最初はためらっていた両親であるが、繭が独り立ちできるようになるためには必要なことだと思い、これを許可した。半田屋の主人と女将も喜んで繭を受け入れた。

そして、繭のおつかいも終わり、昼の忙しい時間も過ぎた繭は、休憩を使って街道の松の木の下に来ていた。そう、ここはみゅ〜の墓であり、浩平とお瑞に出会った所でもある。
「みゅ〜・・・あいたいな・・・・・・」
繭は松の木の下に花を添えた。繭はこうして、休憩の時間にここに来るのだ。みゅ〜が寂しくならないように。また、自分が頑張れるように。
「・・・・・おにいちゃんとおねえちゃんにもあいたいな・・・・・・・・・」
繭はよく、みゅ〜のことを思って泣いていた。だが、今では涙を見せることはない。忘れようとしているのではない、受け入れたのだ。繭は成長したと言える。
「あいたいな・・・・・・・」
繭はもう一度呟いた。そして、勢いよく立ちあがった。
「かえらなきゃ・・・!おしごとたくさんある」
そして、振り向いた繭の前に思いがけない二人が立っていた。
「よおっ!椎名」
「頑張ってる?繭」
そこには浩平とお瑞がいた。
「みゅ〜〜〜〜っ!」
繭は二人に思い切り飛びついた・・・・・・。



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〜繭の愚痴〜
ふう・・・慣れないことはするもんじゃないな。何かこういうのは苦手(^^;)
繭「すう・・・すう・・・」
やっぱり俺は戦闘の方がいいや。今回も中途半端になっちゃたし。さて、次回はぁ・・・
繭「う〜ん・・・むにゃ、むにゃ・・・・」
次回は茜でいきます!今まで謎だった(書き忘れていた)茜と普段の設定を書きたいと思ってます。
繭(ごろん)寝返りの打つ音。
それじゃあ次回まで!ちなみに繭は仕事で疲れて昼寝してます(^^)
繭「みゅ〜・・・」


次回浩平犯科帳 番外編 第四話「茜と団子」ご期待下さい!