吾が輩はハムスターである3 投稿者: 偽善者Z
吾が輩がこの家に来て、数週間がたったある夜。主人も眠りあたりが静まっている中、吾が輩は目を覚ました。吾が輩達ハムスターは夜行性で、主な活動は夜なのだ。さて、今日は吾が輩はかねてからの計画を実行するつもりである。その計画とは・・・・・・・。
脱走である。
吾が輩は常日頃から、このかごの鉄格子の先の世界にあこがれていた。そのため、格子をよじ登り、いつも脱走しようとしていた。そして、今日はついに未知の世界へと踏み出そうとしているのである。しかし、冒険に準備は欠かせない。食料を携帯しておこう。
モグモグ・・・・・・。
吾が輩はできるだけ頬袋の中に食料を詰め込んだ。よし、出発である!
カサカサ・・・・・。
格子に爪をひっかけよじ登る。くっ・・・やはりつらい・・・・・・。しかし、ここであきらめるわけにはいかない。
カサカサ・・・・・。
吾が輩はさらに登る。
ガッ!
むっ!爪がついにかごの縁をつかんだ!ついに吾が輩は頂上に着いたようである。よし、眺めでも見よう。そう思い、体を押し上げた時である。
グラッ・・・。
吾が輩の体を支え切れる足場がなく、吾が輩は真っ逆さまに落ちた。
ボンッ!
ぐっ!・・・体に衝撃が走った。多少の痛みを感じたが、幸い下は柔らかなカーペットだったので、特に怪我はないようだ。気を取り直して吾が輩は周りを見た。う〜む、ここが外の世界か・・・吾が輩の視点だと全ての物が巨大である。よし、この広い大地を走り回ろう!
ガサガサガサガサ・・・・・・・。
吾が輩はとにかく走り回った。ああ・・・この時ほど自由を感じたことはない。と、そんなことを思っていると何かにぶつかった。
ボフッ!
何か柔らかくて巨大な物だ。よく見ると、毛がフサフサしている。吾が輩はゆっくりと見上げてみた。ま、まさか、これは・・・!。
そこには吾が輩と同じ、ゴールデンハムスターが鎮座していた。しかし、大きさがけた外れだ!吾が輩の十倍以上はあるだろう。吾が輩はその巨大なハムスターをしばらく見つめていた。しかし、そいつは全く動く気配がない。う〜む、寝ているのだろうか?・・・。吾が輩が思案にくれていると、突然明かりがつき主人の声がかかった。
「ぬけだしたんですか!?いけない子ですね」
まぶしさに目を細める吾が輩は、主人のに拾い上げられた。
「ほら、お家にお戻り」
吾が輩はまたかごに戻された。
「天井はしめますよ」
天井は閉められてしまった・・・。これでしばらくは脱走できまい。吾が輩は仕方なく寝床に戻った。次は必ずあの巨大なハムスターに会いに行こう・・・・・・。

つづく・・・・・・・。

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時代劇もかいてるんでけっこうつらいッス!さて、今回の作品ですが俺の飼っているハムスターを元にして書きました。実際に脱走したんですよ!格子を登って!あのときは探すのに苦労しました。ちなみに俺の飼っているのは、ゴールデン(前に飼っていたけど)ではなくパールホワイトってやつです。小さくてかわいいッス!