浩平旅行記98夏 中編 投稿者: 偽善者Z
海に遊びに来た浩平達一行。詩子の提案により、洞窟探検をすることになった浩平、長森、七瀬、彼らを洞窟の闇が待ち受けるのか・・・・・・・。
浩平「けっこう暗いな・・・」
詩子「これくら暗いほうが雰囲気がでていいのよ!」
長森「ちょっと、こわいな・・・」
七瀬「危険なものとかないでしょうね・・・」
詩子「大丈夫よ、ここにもっと危険なやつがいるから」
浩平「おい・・・どういう意味だ。」
七瀬「それもそうね、危険物には慣れてるからね」
浩平「お前もか!」
長森「まあまあまあ・・・・・、浩平ここにいてもしょうがないしはやくはいろう」
詩子「そうだった、さあいくわよ!」
七瀬「はいってどうすんの?」
詩子「うーん、とりあえず奥までいきましょ!」
浩平「適当だな・・・」
長森「浩平もでしょ」
入り口の前でもめる俺達だったが、やっと中にはいることにした。
長森「なんかジメジメしてるよ・・・・・」
浩平「洞窟だからな」
長森は暗闇が不安なのか俺の側寄ってきた。それと正反対に詩子は明るい。
詩子「わー、なんか冒険してるみたい。やっぱこういうのは、リアリティが大切よね!」
洞窟なので声が反響してうるさい・・・・・・。ん・・・そういえば七瀬はさっきから黙ったままだな。
浩平「どうした?七瀬?」
七瀬「えっ・・・べ、別に・・・」
浩平「そうか・・・昔暮らした洞窟を思い出してるんだな・・・・・・」
七瀬「誰が暮らすか!」
浩平「おー、いつもの七瀬にもどった」
七瀬「くっ・・・・・」
長森「浩平、あんまりいじめちゃだめだよ。七瀬さん本当はこわいんだよ。」
長森は俺に小声でそっと耳打ちをした。恐い?七瀬が・・・・・・?そんなことストリートファイトに明け暮れる七瀬にあるはずがない。
浩平「七瀬、お前もしかして恐いのか?」
七瀬「そ、そんなことあるはずがないじゃない・・・・・・」
浩平「うんうん、さすが七瀬!」
長森「強がることなんてないよ、七瀬さん。わたしもこわいもん。」
七瀬「そ、そう?」
浩平「長森、七瀬だぞ、そんなことがあるわけないだろ。」
詩子「あっ!道が二つに分かれてる!」
先頭を歩いていた詩子が俺達の会話をさえぎった。
長森「本当だ。どっちにいこう・・・・・」
七瀬「どっちも深そうね・・・」
詩子「いいこと思い付いた!ねえ、ここで二手にわかれない?」
浩平「それのどこがいいことなんだ?」
詩子「気分の問題よ、だって4人でいたらうるさいもの。」
お前一人でもうるさいだろ・・・・・・。
長森「4人でも恐いけどな・・・」
詩子「大丈夫よ!恐いと思ってるうちは安全だから!」
七瀬「何それ・・・」
詩子「浩平はもちろん賛成よね?まさか、恐いなんてことはないよねぇー?」
浩平「あ、あたりまえだろ」
詩子「わーい、じゃあ決定!」
くっ・・・・・、上手くのせられてしまった・・・・。俺だってわざわざ恐い思いなんてしたくない。
詩子「それじゃあ、わたしは浩平と右の道に行くね!ほら、早くいこ!」
浩平「お、おい・・・!話し合いもなしかよ!」
俺は詩子に腕をひかれ、ひきずられるようにして洞窟の奥にはいった・・・・
長森「あっ、浩平!」
七瀬「いっちゃった・・・・」





浩平が奥に入って10数分が経過・・・・・・・・・・・・。
詩子「だいぶ歩いたけどなにもないわね・・・・・」
浩平「疲れたー、もう戻ろうぜー。」
詩子「だらしがないわねー、・・・・あっ!あそこにお堂があるわ!」
詩子は嬉しそうにお堂に近づいた。ん?・・・・・・、おの手前に立て札があるぞ。何々・・・、『この扉をあけた者は波長の合った戦士とシンクロする。』なんだ?この文は?と、そのとき詩子を見ると今まさに扉をあけようとしていた!
浩平「まずい!詩子開けるな!」
だが、時すでに遅し詩子はその禁断の扉を開けってしまっていた!
詩子「なんかあるかなー・・・・・・って、きゃあああああーーーーーー!」
扉が開くとなかから勢いよく風が吹いてきた!そして、それをまともに受けた詩子が崩れ落ちる。
浩平「大丈夫か!詩子!」
俺の問いかけに詩子はあっさり立ち上がった。が、しかし!
詩子「わたしは詩子じゃないわ!ユ〇・サカザキよ!」
なにぃ!ユ〇だと!まさかシンクロってこのことか!
詩子「悪い子はやっつけちゃうぞ!」
定番のポーズを決め飛び込んでくる詩子、そしてくりだされた上段パンチを、俺は何とかガードする。
浩平「ぐっ!....」
素人の攻撃じゃねぇ!どうやら性格だけでなく、能力もみにつくらしい。普通の人間の俺にはシンクロした詩子に勝てるはずがない。
詩子「ユ〇ちょうアッパー!」
浩平「ぐはぁぁぁっ!」
まずい!・・・・このままではやられる!と、そのとき聞き覚えのある声が聞こえてきた。
茜「エコエコアザラク・・・・・・エコエコザメラク」
茜の声だ・・・。でも、この呪文はなんだ?だがそのとき、俺の身体に異変が起きた。身体中に熱い血が流れるような感覚、そして、あの言葉とポーズをしたくなる欲求が俺を支配した。
浩平「いくぜっ!」
腕をかざし炎を出すおれ・・・そう、草〇京だ!京とかした俺は誰も止められない。再び飛び込んできた詩子を迎え撃つ!
浩平「おりゃっぁ!」
詩子「きゃあ!」
俺は詩子を鬼焼きで迎撃する。さらに起き上がりを狙いラッシュッをかける!
浩平「ボディがお留守だぜ!」
詩子「きゃあ!」
そして、ぴよったところをさらにかためる!
浩平「燃えろっ!」
詩子「お兄ちゃん、ごめーん!」
浩平「俺のー・・・勝ちだ!」
とどめを刺し、俺は勝利の余韻にひたる。だが、そんな俺を茜が現実に引き戻す。
茜「終わりましたか。」
浩平「おっ、茜。どうしてここに?」
茜「浩平達と別れたあと、この洞窟のことを地元の人に聞いたんです。なんでも、この洞窟は別の次元に繋がっていて、お堂を開くとその世界の往人とシンクロするそうです。」
浩平「あれ?でも、俺はあけていないぞ?」
茜「それは、わたしが呪文を唱えたからです」
浩平「なんで、そんなものしってるんだ?」
茜「秘密です」
浩平「教えて」
茜「嫌です」
浩平「・・・・・・」
詩子「う、うーん」
俺が閉口していると詩子が目を覚ました。
詩子「あれ?・・・わたしはいったい・・・それに、なんで茜がいんの?」
茜「心配でしたから・・・・」
浩平「何も覚えていないみたいだな・・・はっ!そういえば、長森達は?」
茜「向こうの御堂は悪役とシンクロするそうです。」
浩平「まずい!長森が危ない!」
そう言うやいなや、俺は駆け出していた。長森はともかく、七瀬のことだ狂暴なキャラとシンクロするに違いない!
詩子「あっ!まってよー!」
茜は無言で走って付いてくる。そうして分岐点に戻った俺達は長森達がいったと思われる方へとむかった。そして、しばらく走っていると長森の叫びが聞こえた。
長森「浩平ーっ!たすけてー!」
浩平「長森!茜、頼む!」
わかりました、と茜は詠唱を始める、再び身体に力がみなぎる。そして、俺を待ち構えていたのは・・・・・
七瀬「ウオォォォォォォォォーーーーーー!京ーーーーーーーー!」
最悪だ・・・、最強の部類にはいる暴〇庵だ・・・・。とんでもないものとシンクロしやがった。だが、これで、七瀬の狂暴性は実証された。だが、そんなことを考えている暇はない!俺の中に草〇の血を感じたのか、七瀬は俺に襲い掛かってきた!
七瀬「ウオッ!」
浩平「くっ!・・・・」
第1撃をガードするものの、連続で技をいれられガードを崩され、ラッシュをいれられる俺。
長森「浩平!」
七瀬「ウオオオォォォーーー」
さらに攻撃を仕掛けようとするん七瀬、だが暴〇庵は防御力がよわいのは知っている。そこがねらいめだ。
浩平「ボディが・・がら空きだぜ!」
七瀬「ぬおっ!」
攻撃を仕掛けようとするところをねらってカウンターをかける!あとは転倒したところをラッシュだ!だが、そうはいかなかった。起き上がった七瀬は手を振りかざした!まずい!それを見て俺も構える!
七瀬「遊びは・・・終わりだ!]
浩平「くらいぃー・・・やがれぇーーー!」
俺の発射した大蛇薙は間一髪、突進してきた七瀬に命中した!・・・・・崩れ落ちる七瀬に駆け寄る長森。
長森「大丈夫!?七瀬さん?」
七瀬「いてててて・・・・あっ!?水着が焦げてる!」
浩平「へへっ・・燃えたろ・・・」
七瀬「何が燃えたろじゃーーーぁぁぁ!!!]
浩平「ぐはっ!・・・・・・、な、七瀬、正気にもどったか。」
七瀬「何わけわかんないこと言ってるのよ!」
長森「七瀬さん、浩平はわたしたちを助けてくれたんだよ」
七瀬「えっ?」
俺は二人に事情を説明し、さっさと洞窟を出ることにした・・・・・・・。が、そうはいかなかった。
茜「生かしては帰しません」
浩平「何をいってるんだ?茜」
茜「違います」
浩平「えっ?・・・ま、まさか!」
茜は答えるかわりに不可視の力を発動させる。髪が一人でに浮き始める!
浩平「よ、葉子さんかぁーっ!」
茜「そうです」
浩平「何故だ!茜はお堂を開けてないぞ!」
茜「シンクロ率が高いからです」
くっ・・・・、確かにキャラクターはそっくりだ。
茜「死んでもらいます」
ま、まずい!俺は呪文がなければシンクロできないっ!・・・。くそっ、こうなったら茜の自我をとりもどすしかないっ!
浩平「茜!たいやき好きか!」
ピタッと茜の動きが止まる。よし! この調子だ!
浩平「ワッフル好きか!」
茜「・・・」
浩平「砂糖と蜂蜜たっぷりの練乳ワッフルは!」
茜「砂糖に蜂蜜・・・」
浩平「もとに戻ったらたくさん買ってやるぞ!」
茜「本当ですか」
浩平「おおっ!もとの茜にもどったか!」
茜「約束、忘れないでくださいね」
浩平「・・・・・・」





詩子「ああー、疲れた!]
浩平「誰のせいでこんなことになったと思ってるんだ!」
詩子「わたしのせいにするつもりー!」
長森「まあまあまあ、みんな無事だったんだから」
七瀬「無事じゃないわよ・・・。わたしの水着・・・・」
少し気の毒におもいつつまえを見ると、みさき先輩達が大量の西瓜を相手に西瓜割りをしている。棒を持っているのは澪で、目隠しをしていてなんとも危なっかしい。
深山「あっ!、浩平君達だ!浩平君ー!」
深山先輩の呼びかけに、俺は先輩達のもとまで走った。
みさき「もう、どこいってたんだよー。探したんだよ」
浩平「ごめん、ちょっと次元を超えちゃって・・・」
みさき「なんだかよくわからないけど、大変だったねっていっておくよ。」
パコン!ちょうどそのとき、澪が椎名の歓声とともに西瓜を割る音が聞こえた。俺にはその軽薄さがこの話のオチの苦しさを物語っているような気がした。