盲目少女みさきちゃん3 激闘篇(1/3) 投稿者: ぎぃ
今回は三人称で行きます。
相変わらず支離滅裂なお話です。
盲目少女みさきちゃん1&2を読んでないと意味不明です。ごめんなさい。
今回長くなったんで100行くらいで切って3つに分けちゃってます。
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今日も今日とて、盲目少女みさきちゃんの瞳に再び光を取り戻すための
浩平の努力は続いていた。が、
「今日も、だめだったね」
山へ帰るカラスの鳴き声に耳を傾けてみさきは言った。
「そうだな、もう日も暮れてきた」
所々焼け焦げた服と、1/3ほどアフロになっている髪の毛が、浩平の『努力』
を雄弁に物語っている。
「今日の夕焼けは何点?」
「うーん、71点ってとこかな」
「今日の風は87点かな」
「何か細かい点数だな」
「浩平君だって」
たとえ眼は見えるようにならなくても、浩平と一緒に過ごすこんな時間が
みさきを幸せな気持ちにしてくれた。そんなみさきの笑顔に、浩平も、
明日こそは、と決意を新たにするのであった。
「それじゃ、そろそろ帰ろうか。送ってくよ」
「うん、ありがと」
探るように差し出されたみさきの手をそっと握って、浩平が屋上の出口に向かって
歩き出した、まさにその時であった!!

「待ちなさいっ!!」

真っ赤な夕陽をバックに、給水タンクの上にすっくと立つ、その少女はっ!!
「今日の晩御飯は何かなー」
「俺はまたカップ麺だな」
「うー、かわいそう」
キー、バタン
その少女は、見事に無視されたまま、屋上の扉が閉まる音を聞いたのであった。

「だから待ちなさいって言ってるでしょ!!」
みさきと浩平が玄関を出たところでやっと少女は追いついた。
「うるせーな、せっかく人が無視してたのに」
「ねー」
「で、何の用なんだ」
その質問を待っていたとばかりに少女はふふふっと笑い、
びしぃっと浩平達、正確にはみさきを指差して、
「あなたが最近目から謎の怪光線を発して世間の平和を脅かす怪人、
  『盲目少女みさきちゃん』ねっ!!」
「私怪人じゃないよー」
「黙らっしゃい! この、『愛と正義の人造人間るみちゃん』が、
  MOON.に代わってぇ、おしおきよ!!」
手を交差させて指差す謎のポーズをびしっと決めた。
「・・・いい歳して恥ずかしくないか七瀬」
「・・・そういうつっこみしないでよ」
「何だかよくわからないけど、楽しそうだね」
思わず雑談モードに入りそうになり、留美はざざっと一歩後ずさった。
「ともかく、あなたの悪行も今日で最後よっ!」
「ちぃっ、何をするつもりだっ!」
留美は、ふふーんと笑うと、
「ちょっとここ押してみて」
と、胸を突き出すようなポーズを取った。
「へ?」
「ほらほら早くー」
「い、いいのか?・・・じゃ、じゃあ、遠慮なく」
つんつん
「あんっ、違う、そこじゃなくてぇ」
「あ、こっち?」
つんつんつん
「あんあんあんっ」
「りょ、両方かなぁ?」
つんつくつん
「あああんあんっ」
「何だかとっても楽しそうだねー浩平くぅーん」
地の底から響いてくるようなみさきの声に、二人は我に返った。
「お、押すのはそんなとこじゃないのよ!!
  ここ、この胸の真ん中のボタンを押すのよ! こんな風にっ!」
カチッ、バシュッ!!ドゴーン!!

「・・・で、どうなっちゃったの?」
「うむ、解説しよう。『人造人間るみちゃん』は、
  胸のボタンを押すとロケットパンチが発射されるんだ。
  でもそのボタンを自分で押すと、」
「自分に当たっちゃうのね。だから浩平君に押させようとしてたんだ」
「こいつも胸に風穴が開いて、少しは見通しのいい女になるだろう」
「ふーん、死んじゃったの?」
「ま、まだ、生きてるわよぉ・・・」
ひゅ〜〜〜〜〜〜〜・・・げいぃぃぃん、ばたん。
「またまた解説しよう」
「待って待って、私に当てさせて。
  えーっとね、るみちゃんの胸を貫通してそのままふらふら飛んでた
  ロケットパンチが燃料切れで落ちてきてるみちゃんの脳天に直撃!」
「大当たりだ。さすがみさき先輩」
「へへへー」
「それじゃ、今度こそ帰ろうぜ」
「うん」
いつの間にか日はとっくに沈み、空には星が瞬き始めていた。
しかし、まだ二人は帰れないのであった。
                                                    (つづく)
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ちなみに「人造人間るみちゃん」も皆さんご存知とは思いますが
マニュアルのマンガからネタをもらっています。
では、続きをどうぞ。