前回のあらすじ 人造人間るみちゃんを撃退した(?)盲目少女みさきちゃんであったが、 果たして彼女は無事に家に帰れるのでしょうか? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「みゅー」 家路に就こうとしたみさきと浩平の前に立ちはだかったのは、 「?・・誰?」 「椎名じゃないか、どうした?」 「みゅー、いじめた・・・」 どうやら繭は怒っているようだ。 「いや、あれは七瀬が勝手に自爆しただけであってだな」 実際そのとおりである。しかし繭に理屈は通じない。 「みゅー・・・“みゅー”!!!」 繭の雄叫びとともに大地が鳴動し始めた。 「いったいこの地鳴りは何だぁ!! 椎名選手は何を始めようというのでしょうか!!」 長机にパイプ椅子、マイク付きのインカムをつけた男、 住井が実況中継を始めていた。 「解説の折原さん、どう思われますか」 「うーん、椎名選手の潜在能力は計り知れませんからねー」 いつのまにか浩平も隣に同じインカムをつけて座らされ、 解説者にさせられてしまっている。 グランドにはナイター照明が点灯され、観客がポップコーンや 缶ビール片手に歓声を上げていた。 おそるべし、イベント男、住井!! 「さぁ、ますます謎の地鳴りは激しさを増しています。 いったい何が・・ああっ!!皆さんあれをご覧くださいっ!! 裏山です、裏山が!!」 学校の裏山のてっぺんが爆発するように崩れると、 その中から巨大な生物が現れた。 「な、なんでしょうあれは? 折原さん」 「あれは、フェレット・・・のようですね」 「そうです、フェレットです。巨大なフェレットです!!」 裏山から現れた巨大フェレットは、校舎の屋上に前足をかけて、 野太い声で吠えた。 「 み ゅ ー 」 嬉しそうな顔で繭が走りよって行く。 「“みゅー”、“みゅー”」 「どうやら椎名選手は巨大フェレットを召喚したようです」 「あれが元祖“みゅー”なんですねー」 繭は“みゅー”の傍らに立つと、 「みゅー!(なぎ払え!)」 その命令とともに“みゅー”の口から吐かれた熱光線が グラウンドを駆け抜け、その直後に大爆発が起こった。 「こ、これはすごい破壊力だぁ!!」 「観客も何人か巻き込まれてますね。これはいけない」 なお、グランドに転がったままだった人造人間るみちゃんの 死体(まだ死んでないわよっ!)も巻き添えをくって 夜空のかなたに吹っ飛んでお星様になってしまったことに 気づいた者は誰もいなかったという。 合掌。 「観客はともかく、川名選手は大丈夫なのでしょうか?!」 爆煙が晴れると、 「痛いよー」 とか言いながらも怪我一つせずみさきはその場に立っていた。 「みさき先輩の打たれ強さは半端じゃありませんからね。」 「どういうことですか?解説の折原さん」 「いくら慣れた学校の中とはいえ、平気で走り回ったり できるようになるまでには、相当あっちこっちにぶつかって きているはずですし、今でもたまに通行人や一時的な設置物に 激突することがあるんですよ」 「なるほど、それで鍛えられているということですか」 「しかし、“みゅー”のあれをもう一度くらったら危ないかも・・」 浩平の心配の通り、繭は第2射を“みゅー”に命じていた。 「みゅー!!(もう一度!)」 だが、 「 み ゅ 〜 」 “みゅー”の体はどろどろと崩れ始めていた。 「く、腐ってやがる」 「もともと死んでましたからね」 やがて、“みゅー”は完全に崩れ去った。 「“みゅー”・・・うぐ、うっ、うあああぁーーーん」 「おっと、椎名選手、泣き出してしまいました。 戦意喪失ということで川名選手の勝利です」 「うああああぁーーーんっ、みゅーっ、みゅーっ」 「ほらほら泣かないで、繭ちゃん。 そうだ、ハンバーガー食べに行こう、ね? 今ならハンバーガーとチーズバーガーが半額なんだよ」 「・・・うん。ぐすっ」 どこからともなく現れた瑞佳になだめられて、繭は去っていった。 「ふぅ、これでやっと帰れるな」 浩平が解説者席から立ち上がろうとしたその時だった!(こればっか) 「まだです」 『つぎはわたしたちなの』 (つづく) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 7/26までマクドナルドでハンバーガーとチーズバーガー半額です。 私はこれを見た時真っ先に繭ちゃんの喜ぶ顔が浮かびました。