盲目少女みさきちゃん3 激闘篇(2/3) 投稿者: ぎぃ
前回のあらすじ
人造人間るみちゃんを撃退した(?)盲目少女みさきちゃんであったが、
果たして彼女は無事に家に帰れるのでしょうか?
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「みゅー」
家路に就こうとしたみさきと浩平の前に立ちはだかったのは、
「?・・誰?」
「椎名じゃないか、どうした?」
「みゅー、いじめた・・・」
どうやら繭は怒っているようだ。
「いや、あれは七瀬が勝手に自爆しただけであってだな」
実際そのとおりである。しかし繭に理屈は通じない。
「みゅー・・・“みゅー”!!!」
繭の雄叫びとともに大地が鳴動し始めた。
「いったいこの地鳴りは何だぁ!!
  椎名選手は何を始めようというのでしょうか!!」
長机にパイプ椅子、マイク付きのインカムをつけた男、
住井が実況中継を始めていた。
「解説の折原さん、どう思われますか」
「うーん、椎名選手の潜在能力は計り知れませんからねー」
いつのまにか浩平も隣に同じインカムをつけて座らされ、
解説者にさせられてしまっている。
グランドにはナイター照明が点灯され、観客がポップコーンや
缶ビール片手に歓声を上げていた。
おそるべし、イベント男、住井!!
「さぁ、ますます謎の地鳴りは激しさを増しています。
  いったい何が・・ああっ!!皆さんあれをご覧くださいっ!!
  裏山です、裏山が!!」
学校の裏山のてっぺんが爆発するように崩れると、
その中から巨大な生物が現れた。
「な、なんでしょうあれは? 折原さん」
「あれは、フェレット・・・のようですね」
「そうです、フェレットです。巨大なフェレットです!!」
裏山から現れた巨大フェレットは、校舎の屋上に前足をかけて、
野太い声で吠えた。
「 み  ゅ  ー 」
嬉しそうな顔で繭が走りよって行く。
「“みゅー”、“みゅー”」
「どうやら椎名選手は巨大フェレットを召喚したようです」
「あれが元祖“みゅー”なんですねー」
繭は“みゅー”の傍らに立つと、
「みゅー!(なぎ払え!)」
その命令とともに“みゅー”の口から吐かれた熱光線が
グラウンドを駆け抜け、その直後に大爆発が起こった。
「こ、これはすごい破壊力だぁ!!」
「観客も何人か巻き込まれてますね。これはいけない」
なお、グランドに転がったままだった人造人間るみちゃんの
死体(まだ死んでないわよっ!)も巻き添えをくって
夜空のかなたに吹っ飛んでお星様になってしまったことに
気づいた者は誰もいなかったという。 合掌。
「観客はともかく、川名選手は大丈夫なのでしょうか?!」
爆煙が晴れると、
「痛いよー」
とか言いながらも怪我一つせずみさきはその場に立っていた。
「みさき先輩の打たれ強さは半端じゃありませんからね。」
「どういうことですか?解説の折原さん」
「いくら慣れた学校の中とはいえ、平気で走り回ったり
  できるようになるまでには、相当あっちこっちにぶつかって
  きているはずですし、今でもたまに通行人や一時的な設置物に
  激突することがあるんですよ」
「なるほど、それで鍛えられているということですか」
「しかし、“みゅー”のあれをもう一度くらったら危ないかも・・」
浩平の心配の通り、繭は第2射を“みゅー”に命じていた。
「みゅー!!(もう一度!)」
だが、
「 み   ゅ   〜  」
“みゅー”の体はどろどろと崩れ始めていた。
「く、腐ってやがる」
「もともと死んでましたからね」
やがて、“みゅー”は完全に崩れ去った。
「“みゅー”・・・うぐ、うっ、うあああぁーーーん」
「おっと、椎名選手、泣き出してしまいました。
  戦意喪失ということで川名選手の勝利です」
「うああああぁーーーんっ、みゅーっ、みゅーっ」
「ほらほら泣かないで、繭ちゃん。
  そうだ、ハンバーガー食べに行こう、ね?
  今ならハンバーガーとチーズバーガーが半額なんだよ」
「・・・うん。ぐすっ」
どこからともなく現れた瑞佳になだめられて、繭は去っていった。
「ふぅ、これでやっと帰れるな」
浩平が解説者席から立ち上がろうとしたその時だった!(こればっか)
「まだです」
『つぎはわたしたちなの』
                                                    (つづく)
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7/26までマクドナルドでハンバーガーとチーズバーガー半額です。
私はこれを見た時真っ先に繭ちゃんの喜ぶ顔が浮かびました。