盲目少女みさきちゃん 投稿者: ぎぃ
本作品は、ONEのマニュアルに掲載されたマンガを元ネタにしています。

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私、盲目少女のみさきちゃん。まったく目が見えないの。
でも安心。背中のネジを巻くと見えるようになるんだって。
ではさっそく巻いてみよーっと。
・・・・・手が、届かない・・・・・
「俺が巻いてやるよ、みさき先輩」
「その声は浩平君っ」
私は浩平君にネジを巻いてもらうことにした。
「じゃ、いくぜ」
「うん」
浩平君は私の背中のネジに手をかけてカチッっと回し始め…
「あんっ」
「ど、どうしたんだ先輩。痛かったか?」
「う、ううん。大丈夫。続けて」
「お、おう」
カチカチカチッ
「あ あ あ あ あんっ」
「ほ、本当に大丈夫なのか?」
「うん。ちょっとくすぐったいって言うかむずむずするって言うか、
  そんな感じだから」
浩平君にはそう言ったけど、実際はもうちょっと違ってて…
カチカチカチカチカチッ
「あっ、ああっ、あふん、」
な、何なのこの感じ、体の奥の方から…
カチカチカチカチ
「んんっ、くふぅっ、あぅ、あああああ、きゃぅ、」
ああっ、な、何か変、変になっちゃいそう…
カチカチカチカチカチカチカチカチカチッ
「んあっ、こ、浩平君、も、もう、いいから、あああんっ」
でも浩平君はネジを巻くのを止めてはくれない。
浩平君の荒い息遣いだけが背中から聞こえてくる。
カチッカチッカチッ
「あ、あああ、そ、そんなに巻いたら・・・」
「はぁっ、はぁっ、い、行くぜみさき先輩!!」
浩平君がこれでフィニッシュとばかりに強くネジを回したその瞬間、
「ああーーーーーーーーーーっ」
びびびびびびびびびびびびびびびびび〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ばしっ  ばしばしっ  ばしっ  ばしっ  ばしっ
どうやら、ネジを巻きすぎたせいで、「目から怪光線」がでちゃったみたい。
目がちかちかして眩しくて視界が真っ白で何も見えない。
真っ白? いつもの真っ黒じゃなくて?
ということは、私の目、見えるようになってるってこと?
「先輩、大丈夫? 見えるようになった?」
私は浩平君を見つめる。まだ目がちかちかしてよく見えない。
でも、だんだん目が慣れてきた。もうちょっとで・・・・
カシャン
うそ、時間切れ?観光地の望遠鏡じゃないんだからー。
「だめだったみたい」
「先輩、ごめん。おれがネジを巻きすぎたせいで・・・」
「ううん。浩平君こそ大丈夫?
  なんか焦げ臭いけど、まさか怪光線が直撃したとか」
「あ、いやー、ちょっとかすっただけだよ」
最後にちょっとだけ、おぼろげな輪郭だけ見えた浩平君。
知らなかったよ、アフロだったなんて。

(おわり)
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後書き
 皆様はじめまして。
 みさき先輩のネジを巻いてあげたい!その思いがこの作品を生みました。
 ちょっとオチが弱いですね。