しゅがぁ・べいびぃ(5) 投稿者: いちのせみやこ
しゅがぁ・べいびぃ(5)/いちのせみやこ


〜はじめに〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

このSSに出てくる「佐藤加奈」は、七瀬シナリオの終盤で出てくる
七瀬さんと折原くんのセリフ
「あっ、佐藤さんの家だっ!」
「よし、明日訪ねてみような」
でお馴染みの、佐藤さん宅に住む、七瀬の小学校の頃の友達です〜。

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=あらすじ==========================

 「あの日」から、公園で「人」を待ち続けている七瀬留美。
 4月、偶然七瀬と再会した加奈は、そんな七瀬が気になってちょく
ちょく遊びに行く。
 6月、ふとしたことから知り合った「里村 茜」。七瀬の同級生と
いう彼女に興味を持った加奈は、茜をお茶に誘う。

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「私が初めて七瀬さんと話したときのこと、聞きたいですか?」

 里村さんは、そういうとあたしの目をじっと見てきた。
 真剣な目……。

「は、はいっ」


*****


「さ、里村さんっ!!」

 ・・・
 あの日、登校した私を待っていたのは、青い顔の七瀬さんでした。
 今まで挨拶以上の会話をしたことはありませんが(それは彼女に限りませんが)、どうしたのでしょう。

「……何でしょうか?」
「あ、あのっ!」

 様子が変です。

「何で……」
「折原……、折原浩平って、知ってるわよねっ!!」

 折原浩平。
 オリハラコウヘイ。

 ……誰でしょう?
 七瀬さんの知り合いでしょうか?

「あ、ごめん、忘れてっ!」

 !
 考えが顔に出てしまっていたのでしょうか。
 七瀬さんは、慌ててそういうと、走っていってしまいました。


******


 そこまで話すと、里村さんは紅茶を口に運んだ。


 でも、これって……

「あたしの時と一緒だぁ……」
「そう、なんですか……」
「うん、ほとんど同じですぅ」


*****


「七瀬さん、どうしたのかな?」
「あ、未歩も聞かれた? 『オリハラコウヘイ知ってる?』って」
「うんうん、聞かれた聞かれた。超びっくりしたー」
「ねー。誰?って感じじゃない?」

 ……。
 思わず聞き耳をたててしまいました。
 七瀬さん、どうやらクラス中に聞いてまわってるようです。
 朝は、いきなり聞かれて驚いてしまいましたが……。
 この状況、まさか……。

「嘘っ!!」

 !
 七瀬さんの声です。
 ちょっと近くに行ってみましょうか。

「そ、そんなこと言われても、知らないよっ」
「嘘でしょ、ほら、折原浩平。いつも遅刻ギリギリに一緒にきてたじゃないっ!」

 七瀬さん……に、長森さんと稲木さんです。
 いったい何があったんでしょうか。

「え、わたしはいつも1人で登校してるよ」
「じ、冗談よね、ね、幼なじみだって言ってたでしょ、ねっ!」
「わたし、幼なじみなんていないよ〜。ね、佐織っ」
「七瀬さん、瑞佳には幼なじみなんでいないわよ。何か勘違いしてない?」
「じ、冗談…… 嘘よっ!!」
「な、七瀬さんっ!」

 教室を飛び出していってしまいました。
 長森さんも稲木さんも、周りで聞いていた人たちも呆然としてます。

 私は静かに自分の席に戻りました。

 それにしても、さっきの会話。やっぱり……


*****


「……で、もしかしたら、と思って、七瀬さんに話しかけようとしたのですが……」
「うんうん」

 ここで、里村さんは小さくため息をついた。むむむ?

「そのまま、七瀬さんは戻ってきませんでした」
「えぇ〜?」
「次の日も、次の日も…… 結局、終業式の日も、七瀬さんは来ませんでした。
 おそらく『彼が存在していない』ことが信じられなかった、耐えられなかったのでしょう」
「……」

 そのときの七瀬ちゃん、どんな気持ちだったんだろう……。
 あたしには、想像できない……なぁ。

「そのまま、春休みへ。
 私の学校では、2年から3年になる際、クラス替えは行わないのですが……
 始業式の日、私が見たものは……」
「……(ごくっ)」
「いつも通りの、いえ、いつもより明るい七瀬さんでした」


*****


「おはよう、里村さん。今年もよろしくねっ」
「……はい。よろしくお願いします」

 七瀬さん……。
 「彼」を忘れてしまったのでしょうか。
 それとも無理して明るく振る舞っているのでしょうか……。

 はじめは少しぎこちなかった周囲も、いつの間にか自然にふるまうようになっていきました。
 時折、七瀬さんが見せる、儚げな横顔以外は……。


*****


「そんなある日、七瀬さんに関する、妙な話を聞いたんです」
「みょーなはなし……ですかぁ?」
「はい」


「七瀬さんが、毎日ドレス姿で公園にいる、という話です」


(つづく)

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あとがき


「長くな〜る 長くな〜る」
 うぅ、長くなりました〜。茜退場編、結局3話使っちゃってます〜。
「おまけにぃ、七瀬ちゃんはともかく、あ・た・しの出番も少ないしぃぃぃぃぃ(ジト目)」
 だって、モノローグ向きじゃないんだもん。いーじゃん。
「はぅぅ。ちなみに、あたし→茜さん→あたし→茜さん→あたし→茜さん→あたしっていう視点変更になってますぅ」
 を、ご苦労。≪*****≫で視点が変更してるわけだね。
「……で、次回は?」
 そーだね、今度こそ終わらせるつもりかな? 茜さん視点は今回のみ(予定)だし。
「『つもり』とか、『かな?』とか『予定』とか…… うそくさぁぁ(ぼそ)」


 みなさんのバレンタインSS、楽しく読まさせていただきました〜。
 みやこも一応考えてたんですけどね…… ヒドすぎたので。。。
 ちなみに、こんな内容でした。


はじめてのおつかい(仮)

「♪ちょこ〜 ちょこ〜 ばれんたい〜ん みゅ〜」
 おや、繭ちゃんお買い物でしょうか?
「あ、ねこだもぅん」
 空き地の空き箱に、こねこが捨てられています。
(で、繭と瑞佳のやり取りがあって、結局瑞佳が引き取る、で)
「♪ねこ〜 ねこ〜 ばれんたい〜ん みゅ〜」
 歌が変わってます。。。
 繭ちゃんは、無事にちょこを買うことができるんでしょうか?


 ……ね。(笑)


 それと、感想ありがとうございました〜。
 けーじばんが「感想書け書けもーど」にも関わらず、感想書けませんでした(^^;
 せめて、お返事だけでも。。。

>みのりさん
 はじめまして、ですね。感想ありがとうございます〜。
 SSの投稿のスピード&内容、すごいですね〜。尊敬っ(笑)
 佐藤さんは……ゲームに名前が出てくる(?)人では、SS界には初登場でしょうね(^^;
 深山さん、柚木さん、広瀬さんをはじめ、ほとんどの人(&みゅー)にもすばらしいSSがあったりしますから……負けないようにがんばりたいです〜。


>WTTSさん
 いつもながら、替え歌、さすがですね。。。
 ダイナマン、懐かしい〜(^^;

 今回も、あまり進展してないですね。。。>しゅがべ
 「会話」も、思ったより話してません……よね。うぅ、人生勉強っす。


 では、しゅがあ・べいびぃ(6)でおあいしましょう。