しゅがぁ・べいびぃ(2)  投稿者:いちのせみやこ


しゅがぁ・べいびぃ(2)/いちのせみやこ


〜はじめに〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

このSSに出てくる「佐藤加奈」は、七瀬シナリオで出てくるセリフ
「あっ、佐藤さんの家だっ!」
の、佐藤さんの家に住む、七瀬の小学校の頃の友達です〜。

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=あらすじ==========================

4月。新しい出逢いの季節。

佐藤加奈は、高台の公園で小学校時代の親友、七瀬留美と再会した。
何故かのドレス姿に戸惑うものの、かわらない七瀬が嬉しい加奈。

「七瀬ちゃん、今日は? ドレスなんか着てるし、おでかけぇ?」

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「人を…… 人を待ってるのよ」


 七瀬ちゃんは、いつもの顔でそう言った。
 やっぱり、さっきの悲しそうな顔は、気のせいなのかなぁ?
 うん、気のせいだよね。きっと。

 七瀬ちゃん人を待ってるんだぁ。へぇぇ。……って、

「待ち合わせぇ? あっ!! ひょっとして、でぇとっ!?」
「ちょっと、加奈! 声が大きいわよっ!」
「あ。きゃぁっ」

 慌てて周りをぐるんぐるん見回す。
 よかったぁ。近くには誰もいないみたいだね。

「ごめぇん。でも彼氏できたんだぁ」
「ま、まーね」
「よかったね、やっと王子さまにめぐりあえたんだぁ☆」
「う、うんっ」
「小学校の文集でぇ、将来の夢に『王子様を逆ナンして玉の輿』って書いてたもんねっ☆」
「んなこと書くかっ!」

 きゃ。七瀬ちゃん怒ったぁ!
 でも、彼氏できたんだぁ。いいなぁ。
 うーん、あんまりおじゃまできないよね。でぇとだもぅん。

「ところで七瀬ちゃん、待ち合わせは何時なのぉ?」

 あれ?
 また、七瀬ちゃんの表情が曇っちゃったような……
 それに、今、七瀬ちゃんの肩が「ぴくっ」ってなったよぉ……?

「うん。ドレス送ったからそれ着て公園で待ってろって」
「ふんふん」
「俺も迎えに行くからって。だから、迎えに来てくれるの待ってるのよ」
「へぇぇぇ〜」

 なんか、ドラマさんみたい☆

「そいじゃ、もうすぐ来るんだぁ」
「うん」

 嬉しそうにうなずく七瀬ちゃん。
 でも、なんか顔が疲れてるよぉ?
 ずいぶん待ってるのかなぁ?

「ねぇねぇ、何時ごろ電話あったのぉ?」
「え? ……30分くらい前……かな」


 嘘だよ……
 ちょっと大人っぽくなったって、七瀬ちゃんは七瀬ちゃんだもん。
 嘘つく時のクセくらい、なんとなく覚えてるもん。
 きっと、何時間もずぅぅぅっと待ってるんだよね……


 でも、そんなこと聞いちゃだめだよね……
 七瀬ちゃんが待ってるんだから……
 七瀬ちゃんが来てくれるって思ってるんだから……


「そっかぁ、じゃあ今日は帰るねぇ」
「え? あ、そう」

 ……なんか、七瀬ちゃんさみしそう……?

「うんっ、七瀬ちゃんのおじゃましちゃ悪いもん」
「加奈もやっと人に気が使えるようになったのね〜。おねーさん嬉しいわよ」
「なんかぁ、ひっどいことゆってないぃ?」
「気のせいよ じゃ、またねっ」

 うん、今日は帰ろう。
 でも、同じ街に住んでるんだし、また逢えるよねっ。電話番号も聞いたもんっ。

 あ、そういえば七瀬ちゃん。この前わたしのおうちの前通ったよね。
 ちょっと聞いてみようかなぁ?


「そういえば七瀬ちゃん?」
「えっ? なにっ?」
「この前さぁ、わたしんちの前通ったよね?」
「えー? いつよっ?」

 あれ? 覚えてないのかなぁ。

「3月くらいに通ったよぉ? 『小学校の頃の友達の家かもっ…』とかゆってたもん」
「え? そんなこといっ……」


 っ!
 突然、七瀬ちゃんがこっちに走ってきたぁっ!!
 な、なんか顔が必死だよぉ。怖いぃ。
 変なことゆっちゃったのかなぁ……?

「加奈っ!!」
「は、はいっ!!」
「その時の事、まだちゃんと覚えてるっ!?」
「う、うんっ。次の日に来るなんてゆってたからケーキ焼いたんだけどぉ、七瀬ちゃん来なかったよね」
「そう、確かにそう言ってたわっ!!」

 自分で確認するように、七瀬ちゃんが小さくうなずく。

「で、加奈。そのとき、あたしと話していた人のこと、覚えてるっ!?」
「え……?」

 えっとえっと。
 七瀬ちゃんと…… あれ? 誰かいたっけ?
 いなかった……よね? 七瀬ちゃんしか覚えてないもん。
 でも『明日行こう』なんて七瀬ちゃんはゆってないよね。あれ? あれれれ?

 えーっとえーっと。

「ごめん…… いたような気がするけど、覚えてないのぉ……」
「……」
「……七瀬ちゃん?」
「……ありがとう、もう帰っていいわ」
「……七瀬ちゃんっ!?」
「ごめん、加奈。今日はもう帰って!!」


 七瀬ちゃん、急に走ってっちゃったよぉ。
 どうしたのかなぁ……?

 ……

 でも、どうして思い出せないんだろぉ……
 確かに、いたような気はするのにぃ。


 なんなの、この空白ぅ……



(つづく)

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あとがき


ということで「しゅがぁ・べいびぃ」の第2話でした。
第1話と今回で前後編になります。
これからは1話簡潔になる……予定です(笑)

そ・れ・と。

感想、いつもありがとうございます〜。
今回はちょっと時間がないので、レスは次回にまとめてってことで。
……ポ○モンにハマってます。すいません(^^;

それでは、もーちょっとお付き合いくださいね。であであ。