しゅがぁ・べいびぃ(1)/いちのせみやこ 〜はじめに〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 このSSに出てくる「佐藤加奈」は、七瀬シナリオで出てくるセリフ 「あっ、佐藤さんの家だっ!」 の、佐藤さんの家に住む、七瀬の小学校の頃の友達です〜。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 4月。 暑さ寒さも彼岸まで。 日ごとに暖かくなっていく陽気。 「ふぁ〜、ニットじゃもう暑いくらいかもぉ……」 ノースリーブの白いニットのワンピース、ちょこっと底の厚いブーツ(7cmだよぉ)。 わたしは、新学期に使うノートなんかを買いに商店街に来ていた。 とはいえ、お買い物はもうおしまい。 疲れたから、お茶でも飲んで帰ろうかなぁ? 右手は紙袋でふさがってるので、左手で懐中時計を取り出して、時間を見てみる。 あ、わたし腕時計キライなんだぁ。腕が重たくなっちゃうし。 「じゃすと3時、かぁ。たまには公園にでも行ってみようかなぁ?」 よし、行こうっ! 善は急げっ。 山葉堂でワッフルを買って、コンビニでコーヒーを買う。 で、どこの公園に行こうかなぁ? ここらへんって、公園がいっぱいあるから、迷っちゃうよぉ。 いつもの公園…… そろそろアイスのワゴンが来る季節っ。でもワッフル買っちゃったしなぁ。 そういえば、あそこの高台の公園、行ったことなかったかも。 荷物がちょこっとあるけど、ま、いーかな? をし、れっつごぉぉぉっ。 ・ ・ ・ 「ふぅ ふぅ ふぅ」 疲れたよぉ。 ちょっと長い階段の途中で、思わず立ち止まっちゃったわたし。 体力、少しはつけないとなぁ…… そんなことを考えながら、とことこ階段をのぼってく。 あと3段。がんばれっ、わたしっ! あと2段っ。 あと1段っ。 「疲れたぁ……」 自分で自分を褒めてあげたいですぅ。 インタビューでそんなことを言う自分を想像しつつ、手をひざに置いて息を整える。 どーにか動悸が治まり、わたしは顔を上げた。 「わぁ…」 目の前には大きなかわいい噴水。 後ろを振り返ると、自分の街がよく見える。 なんか、疲れが飛んでっちゃったみたいだなぁ。 噴水の周りをきょろきょろ見てみる。 あんまり人がいないなぁ。お休みなのに。 「あ」 噴水からちょっと離れたベンチ。 そこに、ドレス姿の女の人がいる。 ここからじゃよく見えないなぁ。 ちょっと近くにいってみようかなっ? 変に思われないかなぁ? でも、自然に前を通り過ぎれば大丈夫だよねっ。 自然に…… 自然に…… 近づくにつれて、その女の人がよく見えるようになってきた。 青い髪を、後ろに一本にまとめてる。 遠くじゃわからなかったけど、結構若い人かも。 あんまり化粧はしてないみたい。 うーん、どこかで見たような…… 思わず、じーっと見ちゃう。 えーっと、誰だったかなぁ? この顔、この髪の色、この目元、この口元…… 「あの……、何か?」 この声…… え? あぁあぁあぁあぁ、すでに目の前っ!? 考え事しちゃうと、周りが見えなくなっちゃうんだよね。いけないいけない。 「あ… すいませ…」 思わず謝ろうとして、頭を下げようとした瞬間。 頭の中のリドルが解けたぁっ☆ そう、この顔、この髪の色、この目元、この口元、そしてこの声! 「七瀬…… 留美ちゃん…… だよね?」 女の人が「え?」という感じの驚いた顔をする。 何かを考えてるみたい。覚えててくれるかなぁ? わくわく 「あ…… ごめんなさい…… ちょっと思い出せなくて…… あの、お会いしたことありましたっけ……」 がーん。 「忘れちゃったのぉ? 佐藤加奈だよぉ。久しぶりぃ☆」 あ、思い出してる思い出してる。 もし、これで思い出せなかったらひどいよぉ(にやり)。 「あ! 加奈!? 小学校の頃のっ!!」 っ♪ 「思い出してくれたぁ? 嬉しいっ☆」 ひし。 思わず七瀬ちゃんに抱きついちゃう。 「ちょ、ちょっと。加奈っ!」 「あ、ごめ〜ん。嬉しかったからぁ☆」 「もー……」 慌てて七瀬ちゃんから離れて、とりあえずベンチに腰掛けた。 そういえば、なんで七瀬ちゃん、ドレス姿なんだろ? 「でも、久しぶりね、加奈。元気だった?」 「うん、元気だよぉ。七瀬ちゃんは? いつこっちに来たの?」 「去年の…… 12月1日ね。親の転勤で引っ越してきたのよ」 「へぇ〜。あ、まだ剣道やってるのぉ?」 「やめたわ。中学校で、腕を、ちょっとね」 「えぇぇ? 大丈夫ぅ? 痕なんか残ってない?」 「平気平気。ほらっ」 ぶんぶん腕を振ってくれる。 相変わらずだなぁ。でも、ちょっと嬉しいな☆ 「ところで、七瀬ちゃん。今日は?」 「え? 何が?」 「だってぇ、ほらぁ、ドレスとか着てるし、お出かけ?」 っ!? 一瞬、七瀬ちゃんの目が曇った。 でも、すぐにもとの七瀬ちゃんの表情に戻る。 目の錯覚かなぁ? ごしごし。 「人を…… 人を待ってるのよ」 (つづく) ______________________________________________ あとがき みやこのりはびりSSこと、「しゅがぁ・べいびぃ」の第1話をお届けしました。 前回のは、第0話とゆーことで、改めてスタートでございます。 いちおー、全8話ぐらいの予定です。しばらくお付き合いくださいね。 七瀬が七瀬っぽくないかもしれないけど、気にしないように(^^; さてさて、レス……というかお返事でぃす。 >北一色さん 「失われた記憶」個人的にすごくツボりました♪ 「しゅがぁ・べいびぃ」のタイトルは、佐藤→砂糖→シュガー からです(^^; いいもん。佐藤竹善と塩谷 哲のユニットは「SOLT&SUGAR」だもぅん(笑) ○リ入ってるような気がするのは、気のせいです。みやこのシュミじゃないはずです。たぶん。 >WTTSさん いつも感想ありがとうございます〜。 「足でノブ」は、知り合いのこがよくやってたりします(笑) 「しゅがぁ・べいびぃ」は、七瀬シナリオの佐藤さんの家かも発言から、のお話です。 本当に「小学校の頃の友達の佐藤さん」が住んでたら、ということで「佐藤加奈」というオリキャラを作ってみました。 名前の由来は佐藤さんの家かな?→佐藤かな?→佐藤加奈です(笑) 一応、加奈の一人称中心で、七瀬が浩平を待つ1年って感じのシリーズにしたいな、なんて思ってます。 ……あのSS、よく読むとわかりづらいですよね。すいませんでした〜(^^; >矢田 洋さん 「しいならしいな」ってタイトルが好きです(^^; 深田恭子は…… アイドルさんです。ドラマ「○様、もう少しだけ」とか、「ス○王」CMなんかに出てる人です。(いちおー伏せ字) うーん、実はみやこも詳しくないです。「好きなタイプ:王子さま」の1行で書いたSSだし(笑) 「マイシュガーベイビー」、知らないです〜。 では、簡単ながらお返事も添えつつ、またです〜。