あ・ば・ず・れ  投稿者:いちのせみやこ


あ・ば・ず・れ/いちのせみやこ



『……お送りしたのは、椎名林檎の「本能」でした。続いての曲は……』


「……ふぅ」

 紅茶をすすりながら一息つく。


 カタ……
 カップを机に置くと、身体を思いっきりソファーに沈ませる。

「疲れたぁ……」

 机の上には教科書とノート、そして参考書と辞書。
 全体的に綺麗に配置してある中、シャープペンシルだけが投げ出されたように転がっていた。

「勉強なんて苦手だけど…… いつまでもあいつに頼るわけにはいかないわね……」

 誰に言うでもなく呟く。


「『パーティーは万歳三唱で終わった』かぁ。そのくらいの訳ができないでどうする? あたしっ!」

 自分で自分に言ってみたりもする。

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「なんか全然気分転換になってないけど……
 いーわっ! 勉強再開よっ!!」

 ソファーから腰を上げて、流していたFMを消そうと腕を伸ばして……


『……次はリクエストにお応えして、ブランキー・ジェット・シティーの……』


(あ、そういえばあいつ、このグループの曲好きだ、って言ってたわね……。
 ちょっと聴いてみようかな?)

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・

『 … … 誰とでも寝るような女の子、そんな子が好きさ ♪』

・

・

(えっ!?

 曲が好きだってことは、歌詞も全部好きだってことよね……
 まさか、あいつも……?

 って何考えてるのよ、あたしはっ!
 あいつとはなんでもないんだからっ! ただのクラスメートよっ!!

 でももし、もし、もし、そうだとしたら……

 あたし、せっかく乙女なのにっ!!)

・

・

・

 次の日の早朝。

『七瀬留美は、誰とでもヤル』

 と、黒板にチョークで書いている乙女がいたそうだ。


「これで、あいつの、理想の、女の子に、なれるわっ♪」


(おわり)
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あとがき


えーっと。こんなんでました〜(大流行語(笑))
ということで、BJCの浅井健一様と椎名林檎様に敬意を表したりしつつ、七瀬SSです。
タイトル、及びSS内の「誰とでも〜」はBJCのある曲の歌詞より拝借しました。
って、平気かなぁ……? 問題がありそうなら削除しちゃってくださいっ。

浩平くんがブランキー好きってゆーのは勝手な設定ですが、ロック詳しそうなんで、きっと好きでしょう(笑)
で、七瀬も薦められるままデスメタル聴くような乙女だし、影響受けやすいのかな? ってことで。

シリボン(爆)6への感想を頂いた北一色さん、矢田 洋さんありがとうございます。
そーですね。省略形、シのリンはいかがでしょう?(笑)

では、シンデレラのリボン−7(最終話)でまたお会いできますように☆