シンデレラのリボン  投稿者:いちのせみやこ


−@あらすじ@−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 今回もあたし、七瀬留美が担当するわね。


 上月 澪さん。あたしたちより学年1こ下よね。
 で、この子、折原のことが好き……なのね、きっと。
 折原は鈍感だから気付いてないでしょうけど、いつも目で追
ってる、なんてとっても乙女よね。

 うん。がんばってっ。

 ところで、今回の6話は、前回よりちょっと時間が過ぎてる
の。だいたい…… そうね、6日くらいかな?
 来週はいよいよ高校の夏祭り、そろそろ1年生も浴衣が出来
てきてる頃ね。
 そーいえば、あたし持ってないわ。浴衣……。

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るみちゃんおとめちっく劇場『シンデレラのリボン−6』



「美奈ちゃんすごくにあうねー」
「そお? 伊吹だってすごくかわいいよ」
「そっかなー、ありがとっ」

今日は浴衣をあわせる日なの。
みんなよく似合ってるの。

わたしも……着てみたの。

「上月さん」

びくっ!

あ、先生なの。

「綺麗にしあがってるわね。よく似合ってるわよ」
『そうなの?』
「あらあら、大丈夫。とってもかわいいわ」
「あ、澪ちゃん似合う似合う」
「上月さん、かわいいです〜」
「ねー、いっしょに写真撮ろっ!」

うにゅ〜。

でも、わたしも似合ってるみたいなの。うれしいの。

「じゃ、撮るよっ」
「いぇーい」
『いぇーいなの〜』

・

・

・

き〜ん こ〜ん か〜ん こ〜ん
こ〜ん き〜ん か〜ん こ〜ん


あ、休み時間なの。
次の時間も家庭科だから、着替えなくっていいって言ってたの。

っ!

そうなの!
折原先輩に見せに行くの!
お祭りより早く見せてあげたいの。
大丈夫、似合ってる……ってみんな言ってくれたの。
それに…… リボンもあるの。だから……


そうと決まればゴーなのっ!


「澪ちゃん、どこいくの〜?」
『ちょいとそこまで、なの』


たったったったっ……


そう言えば、このお話のわたし、走ってばっかりなの。
……って、そんなこと気にするなっ、なの。



もうすぐ先輩のクラスなの。

「…上月さん」

あ、誰かに呼ばれたの。
この声は…… 里村先輩なの。

「…上月さん、こんにちは」
『こんにちわ』
「…浴衣、作ったんですね。懐かしいです」
『がんばったの』
「…よく似合ってますよ」
『うれしいの』

里村先輩に「似合ってる」って言われたの。
多分、おせじじゃないからうれしいの。

「…本当ですよ。かわいいです」

あ、ひょっとして顔に出てたかな、なの?
先輩、静かに微笑んでるの。

「…ところで、浩平ですか?」

え?
あ、そうなのそうなのっ。


ぶんぶんっ

あわてて頭を縦に振っちゃったの。


「ふふ… では、一緒に行きましょうか」
うんっ。

里村先輩が優しく手を握ってくれたの。
わたしが緊張しちゃうの知ってるから、心強いの。


里村先輩…… 綺麗で物静かで優しくて…… うらやましいの。


「…着きましたよ」
う、うんっ。
「…浩平は…… 窓際の席です」
きょろきょろ。
いたの。七瀬先輩と遊んでるの。
まだ気づいてないみたいなの。
よしっ。がんばるのっ。

「…いいですか?」
『行くの』
「…では、行き……」
「里村さんっ!」


?


沢口先輩? 何の用なの?


「…南、何の用ですか?」
「え? い、いや、用はないけどさ、ちょっと話さない? って」
「…嫌です」
「ほらっ、えっとっ、昨日のスマ○マ見た?」
「…用がないのなら、後にしてください」

うー。
早く折原先輩のとこに行きたいのに、困ったの。
里村先輩も困った顔してるの。

「も、もし里村さんビスト○でたら何を頼みます? 僕だったら、スープパス……」
「…ワッフルです。話は済みました。通してください」
「タって、あれ?」

沢口先輩、わたしを見てるの。

「里村さん、この子、誰?」

そんなこと言ったら気づかれちゃうのっ。

「さ、里村さんの妹? かわいいね」

もー、ほっといて欲しいのっ。

「君、小学生?」

えっ!?

「…南」

「あはっ、時代劇の子役みたいだね。似合ってるよ」

……。

 ・・・・・
「お嬢ちゃん」

……。
視線が痛いの。
きっとみんな見てるの。

たぶん


折原先輩も……





わたしは走り出した。


折原先輩に聞かれた……


恥ずかしい……


顔を合わせられない……




このリボンがあれば、幸せな女の子になれるって……
しーこさんが言ってくれたのに……
わたしは、ダメだったの……?



いつの間にか、中庭に来てたの。

はぁ はぁ はぁ はぁ

疲れたの。
たぶん、浴衣も髪も乱れちゃってるの。
直さなきゃ、なの。



あれ?

リボン……がない?
どこかでひっかけちゃった……の?
え……?
あれ……?


(つづく)

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あとがき


第1話でちょこっと登場してましたが、南くん再登場です。
それも、結構ひどい役です。セリフ回しもちょっと……、でもゲーム中の印象あまりないし、きっと変に気がきかない人なんでしょうね。と、適当に決めた。決めたったら決めたっ。
ということで、今回はヤな奴、ということでよろしくです。次回は……。ま、いーやっ(笑)

えっと、オリジ設定っつーことで、澪ちゃんは南を知ってますが、南は澪ちゃんを知りません。って感じになってます。
たぶん、浩平が南を「沢口」と呼んでるのを見て「沢口先輩」と覚えた、って感じでしょう。っていうかそうしといてください(笑)

あと、茜さん初登場です。
…難しいです(笑)
次回で一応おしまいの予定なんですが、前半は茜さん視点で書いてます〜。
なんとなくラストは予想がつきそうですが、もうちょっと待っててくださいね。

では、おとめシンリボ−7(すげぇ略)でお会いしましょう。

えっと、雀バル雀さん、矢田 洋さん、風来のもももさん、感想ありがとうございました〜。