あにまる・らいふ  投稿者:いちのせみやこ


あにまる・らいふ/いちのせみやこ



 あ、この足音は……

「たぶん浩平君」

 立ち止まったよね? うれしいな、あたりだよ〜。

「すごいな、足音だけで」
「もう覚えちゃったよ〜 そんなことより……」

 ぺこり、と頭を下げて

「こんにちわ。浩平君」
「あぁ、こんにちわ、みさき先輩」
「みゅー!」

「浩平君はもう帰るの?」
「そのつもりだけど、先輩は?」
「みゅー?」

「わたしはね……」

 ここでちょこっと口調を変えて

「重大なわけがあるんだよ……」
「サボリか?」
「みゅー?」

 うっ……

「ひどいよー、浩平君。ぐずっ…… いつもそんなことしてないのに〜」
「わ、せ、先輩っ!」
「みゅっ!」

 嘘泣きだよ〜。
 でも、浩平君が優しくしてくれるのなら、もう少し続けちゃおうかな?

 ……ところで、さっきから「みゅー」って鳴き声が聞こえるよ。
 ……浩平君のペットかな? ちょっと気になるよ〜。
 ……どんな動物かな? 大きいのかな? 噛まないよね?

「もう大丈夫だよ〜。ごめんね、浩平君」
「あ、いや、こっちも悪かったような気がしないでもないし」
「みゅ、みゅみゅー」

「ところで浩平君。そのコは?」
「え? あぁ、繭のことか?」
「みゅ?」

 へぇ、マユちゃんっていうんだね。
 声もカワイイし、女のコなのかな?

「マユちゃん、おいでっ」
「みゅー?」
「ほら、繭。みさき先輩が呼んでるぞ」
「みゅー!」

 あ、足音が近づいてきたよ〜。
 結構大きいみたいだね。


 ぱふっ。

「みゅ〜☆」

 あ、来たみたい。
 ちょっと触ってみようかな?
 えっと、多分ここらへんが頭……だね?

 なでなで

「ふいふい」

 あ、お鼻鳴らしてる。気持ちよかったのかな?
 毛がすごくやわらかいな。ちゃんとお手入れしてるんだね、浩平君。


「みさき先輩」

 あ、浩平君もいつの間にか近くに来てるよ。

「かわいいコだね。見えないけど」
「みゅ〜☆」

 喜んでるのかな?
 ちょっと嬉しそうな鳴き声が聞こえるよ〜。

「改めて自己紹介だな、こいつはしい……」

「みさき〜〜! 川名みさき〜〜!」

「あ、どうしよう、雪ちゃんだよ〜」
「みゅー?」
「やっぱりサボったんじゃないか? 先輩」
「えっとえっと……」

「みさき〜〜!! どこ〜〜!!」

「わ、わたしのこと見てないって言ってねっ!」
「せ、先輩?」
「みゅっ?」


 えっと、声が聞こえたのが上の階だから、急げば逃げられるね。
 でも、もうちょっとマユちゃんと遊びたかったよ〜。
 どんな種類のコかな? 今度雪ちゃんに動物図鑑で調べてもらおうっと。
 って、それより……


「みさき〜〜!!」


 逃げなきゃっ!!



(おわり)
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あとがき


いちのせみやこです。
「みゅー☆」
ということで、みさき先輩&繭ちゃん、ってことで書いてみました。
うーん、みやこの繭ちゃんの印象まんまっ、て感じなんですけど、結構ひどいかな〜?
「みゅー!」
ぐあ…… 繭ちゃん&ファンの方々&みゅー連の皆様、ごめんなさいっ。
「みゅーっ」

えっと、今回もさんくす行進ってことで、
 風来のもももさん、北一色さん、シンさん、いばいばさん、矢田 洋さん、変身動物ポン太さん
感想ありがとうございました〜。
「みゅー☆」

では、シンデレラのリボン−6(たぶん6)でお会いしましょー。
「みゅーっ」