シンデレラのリボン 投稿者: いちのせみやこ
るみちゃんおとめちっく劇場『シンデレラのリボン−1』


ガガガガガガ
「……」るんる〜ん
ガガガガ…グ
「……」??
ググググググ
「……」えいっ! えいっ!
ずるずるずるずる
「……」わー!!

「せんせー! 上月さんがっ!」
「わー、澪ちゃんがミシンにっ!!」
「……」助けてなのー!!

「……上月さん、とりあえず足をどかしなさい」
「……」!
ガガ…… ピタ

「……」わーい
『止まったの』にこにこ
「……、次から気をつけてくださいね」
『わかったの』


わたしは上月 澪。高校1年生なの。
いまは家庭科の授業中なの。


「危なかったね〜。もう少しで澪も浴衣になっちゃうとこだったよね」
『危なかったの』
「でも、なんで浴衣なんて作るのかなぁ」
「うんうん、結構難しいのに」
『お祭りで着るの』
「お祭り、って学校の夏祭りのこと?」
『そうなの』
「そーいえば、先輩が言ってたよ。毎年1年生は作らされるんだって」
「えー、なんで〜?」
『ミスゆかたコンテストなの』
「あれ? 澪詳しいね〜。ひょっとして狙ってる?」

バシバシ(スケッチブックで叩く音)

『ぷんすかぷんなの』
「じ、冗談よ〜(;;)」


「はいはい、口を動かす前に手を動かしなさい」
「はーい」
『はいなの』


チャイムが鳴り、家庭科の授業はおしまいなの。
結局、あのあと、3回もミシンに巻き込まれたの。大変だったの。
不器用なのは自分でもわかってるけど、悲しいの。
女の子らしいことが苦手なんて、寂しいの。

あ。


「折原、ボタンが取れてるぞ」
「ん? あ、沢口! なんてことをするんだ!」
「へ?」
「とぼけても無駄だ。あ〜あ、沢口のせいで」
「なんでそうなるんだ…?」
「そうだな… よし、ビフテキ定食で許してやろう 感謝しろ」
「なぜだー!!」
「善は急げ。さっそく今日の昼よろしくな」
「……」しくしく


前から折原先輩と……沢口先輩が歩いてくるの。
なんか、折原先輩の第2ボタンが取れかけているみたいなの。

チャ〜ンス なの。

第2ボタンゲットぉ! じゃなくて、ボタンを縫い付けてあげるの。
さっき家庭科だったからお裁縫セットもちゃんと持ってるの。
女の子らしいところを見せて折原先輩のポイントをあげるの☆
そうと決まればダッシュ!! なのっ!!


「あれ? おーい、澪っ!!」
折原先輩が笑顔でぶんぶん手を振ってくれてる。

あと10メートル、9メートル、8メートル、7メートル、6メートル…



かく…



かく…? 何かに引っかかったの。
わー、倒れるのーっ!!



がしゃーん!!



わー、わー、お裁縫セットまで! なの。
はさみも、糸も、針セットも、ものさしも、みーんなとんでっちゃったの(泣)



えぐえぐ。

(続く)

______________________________________________


あとがき


はじめまして、いちのせみやこです。
いつもみなさんの作品、楽しく読ませて頂いてをります〜。

ということで、初投稿作品、るみちゃんおとめちっく劇場『シンデレラのリボン』を投稿させていただいてみました(日本語が変^^;
るみちゃん〜のとこは特に意味はないですが、まぁ、七瀬の考える妄想みたいなおとめちっくな感じになりそうなので(をい)
でも、なぜか澪ちゃんがメインです(笑)

えっと、このSSは某コミックを元ネタに使ってます〜。
元ネタがわかった人は… まぁ、結末もわかっちゃうのかな?

ちなみにこの作品には『えいえん』はありませんっ(^^;


それでは、またです。