A棟巡回員の怠惰なる日常・7  投稿者:犬二号


新声社倒産追悼記念・嘘のあらすじ

舞台は、「Dis-ChibiMizuka」と呼ばれるプログラムに侵食されつつあるコンピュータ
ネットワーク「Con-Mizuka」。主人公は自らを戦闘プログラム「Oriha-Rider01R」に
組み込み、システムの暴走を止めるのだ!
ボーッとしてると、侵食率がガンガン上がって「永遠の世界」と呼ばれる閉鎖領域に
呑み込まれ、「Dis-ChibiMizuka」の玩具になってしまうぞ!
途中で大型戦闘プログラム、「Pro-Mio」「Pro-Mayu」「Sem-Rumi」「Sem-Akane」
「Sem-Misaki」の支配する各閉鎖領域のうち三つを解放し、侵食率を低く抑えたまま
「永遠の世界」へハッキング、「Dis-ChibiMizuka」との戦闘に勝利すると、
プログラムの中核である「Misao-∞」がその真の姿を現わす!
さあ、「Misao-∞」との戦闘に勝利し、「Con-Mizuka」と「Oriha-Rider01R」を
解き放て!

少年「タイ○ーの<レイク○イシス>かい?」
犬「…やっぱ、分かる?」
巡回員「お前、こんな嘘のあらすじ作りに、血道上げるな」
犬「だって俺、<○イクラ>かなりやり込んでいて、思い入れあるんだぜ?」
巡回員「だからって、無理やりこじつけるない。<レ○クラ>のCD買ってないと
        分かんないネタだろうが。あと過去の○ーメストの攻略」
犬「で、でもさ、本当に<おね>の事を思い出したんだもん、説明書読んだ時に」
少年「だから、そういうのをこじつけって言うんだってばあ」

***

真のあらすじ

これは「おね」ではなく「月」の二次創作小説です。

超能力研究機関にして偽装宗教団体「ファーゴ」。
しかしそこは、殺人・強姦・監禁が日常茶飯事の狂った世界であった。
その中でも比較的平和なA棟で働く主人公と、強姦という汚れ仕事に手を染める
BC棟の研究・巡回員。
夕食時に主人公が漏らした失言が、歪みきったサディスト、B棟総責任者・高槻涼
(少年○ンデーの「○RMS」の主人公ではない)の耳に入る。
そして、高槻の皮肉が始まる。

***

A棟巡回員の怠惰なる日常・7

高槻は粘っこい蛇のような笑みを浮かべ、フォークをこちらの方に向けた。
「おいお前ら、俺達がどうしたって?ん?言ってみろよ」
「…」
答えられる奴はいなかった。俺達A棟組と、食堂にいるBC棟の連中とでは、数に
圧倒的な差がある。さっきまではうかつにもその事に気付かないままBC棟について
論じていたが、これ以上はもうやめといた方がいい。大乱闘に発展しかねないし、
そうなったらどう考えても俺達の方が絶対に不利だ。
「お前らなあ、何か勘違いしてないか?女を手込めにしてないからって、何でも
  偉そうな口がきけると思ったら大間違いだぞ、ああ?」
高槻の張り上げた大声に、周りの奴らがこっちに注目し始めた。
まずい。あっちのペースに入ってきている。
「いいかお前ら、どうやらお前らどこか徹底的に甘ったれてるみたいだから言って
  やるがな、お前らは女を手込めにしてないから、力ずくで女を言いなりにさせて
  ないから、まだ俺達は人間だ、BC棟の奴らとは違うとか考えてるんだろう?」
違うかよ、という言葉が喉まで出かかって、何とか抑えた。そんな事言ったら、もう
二度とここで食事が出来なくなる。
「違う。それも、決定的にだ。お前らが俺の元に配属されてみろ、ん…それはそれで
  面白い。お前ら、精練に参加しろと言われたら、どうする?」
とんでもない事を言い出した。どうせハッタリだろうが、こいつだけはやりかねん。
余計な事言ったら、本気で俺達をB棟に編入して俺達を一人一人イビり倒しそうな
気がした。そういう奴なのだ。今は、とにかく黙っていよう。
「今でこそ、お前ら、聖人君子ぶっちゃいるが、いざ精練に参加しろと言われたら、
  絶対にやるに決まってるんだ。だって、そうだろ?お前らだって、命は惜しい。
  ぶん殴られたり牢にぶち込まれたりは嫌なんだろ?だからさ。そして、一度
  味をしめたら、今度は自分から精練に参加するに決まってるんだ。ん?だって、
  気持ちいいもんな。分かってんだよ、俺には」
…この野郎。黙って聞いてりゃ、好き勝手言いやがって。
聞いてるうちに、胃が強いむかつきを示してきた。心臓がやけに重い。隣を見ると、
先輩は紫色の顔にびっしりと脂汗を浮かべている。よく見ると、A棟の仲間全員の
体が小刻みに震えている。気が付くと、俺もそうなっていた。逆上を通り越して、
金縛りにあっているのだ。このままでは、誰か引き付けを起しかねん。
「…何だお前ら、『俺はそんな事するもんか』と言わんばかりの面だな。ふん、
  そうかよ。だがな、それはただ単にお前らが腰抜けなだけだ。そうさ、お前らは
  腰抜けさ。ああ?違うか?違うと言ってみろよ。『俺は腰抜けじゃない、ただ
  不能なだけだ』とか、『腰抜けなもんか、チ○ポ付いてないだけだ』とか何とか。
  どうだ?所詮、つまんねえ罪悪感が、命が惜しいっていう正常な判断を狂わせて
  いるだけなんだろう。いい事を教えてやるよ。そういうのを、腰抜けってんだ」
こいつ。
こいつ、こいつ、こいつ…
こいつ、一体何様のつもりだ。万引きしたガキ共を罵る、CD屋の親父気取りか。
周りの奴らは、ニヤニヤしながら遠巻きに俺達を眺めている。俺達の、赤くなったり
青くなったりしている様を楽しんでやがる。
こいつら…
こいつら、こいつら、こいつらっ…
俺達がセクト上嫌われている事くらい先刻承知だったし、俺達もこいつらを同じ
ように嫌い抜いていた。しかし、実際にそれを肌で感じるのは、やはり痛い。
脳が血圧過多で本格的に悲鳴を上げてきた頃、高槻の罵声が止まった。
「…何だよ、巳間」
奴を止めたのは、奴のパートナーにして右腕の巳間良祐だった。なぜか、こいつも
顔色が悪くなっている。
「高槻、止せ。新入りの教団員で、まだ精練に慣れてない奴らだっているんだから」
「あ?うるせえな。お前、俺と同期のくせに、まだ慣れてねえんだろ。誰よりも
  お前が耳に痛いんだろ、違うか?」
「違わないよ」
高槻の嘲りに、しかし巳間はふてぶてしく答えた。
「お前のように抵抗のなくなっちまった奴も、それはそれでこのファーゴではアリ
  なんだろうよ。しかし、どうしても慣れない奴だっているんだ。そういう奴も、
  このファーゴじゃ頭数として必要とされてるし、それに精練にノータッチで生きて
  いる、こいつらA棟の奴らとか、さらにはこのファーゴに精練というシステムが
  存在している事すら知らん奴も、皆が皆、頭数として必要とされている。そして、
  別のグループ同士がお互いの事を理解出来なかったり、蔑み合う形になるのは
  どうしても仕方がない。そんなもんいちいち相手して、仕事が勤まるかよ。
  お前はただお前の趣味で喧嘩売ってるだけだ。違うとは言わさん」
どうやら、ここ数日間のうちに、何かあったらしい。元々寡黙なこいつの口調が、
久々にとげとげしい説明口調モードに入っている。また、クラスB信者の中に、
女子校生でも入ってきたんだろうか(実家の妹さんの事を思い出すらしい)。
「ああ?言いたい事はそれだけかよ。要するに、お前が半端者だってことを言ってる
  だけだろうが」
「聞く耳持たんか。まあ、そうだろうな。お前はそんな事すら理解出来ないんだ。
  暗に、お前が欠陥人間だって認めているようなもんだ」
巳間のあまりの侮辱に、高槻の顔が、見る見るうちに青ざめていく。
「…やるか、お前、コラ」
「やれるというのか?欠陥サド野郎」
「…この…」
二人の間の空間が、まるで格闘漫画のようにそこだけ歪んできたように見えた。
取り敢えず、高槻の呪縛から放たれた俺達は、黙って席を立つと、トレイと皿を
片付けに行った。
「…おい、お前ら、逃げる気か?」
高槻が、気が付いたようにこっちを睨む。
「ご冗談を。あんたら二人の喧嘩にまで、付き合ってられませんからね」
俺はそういうと、食堂を出ていった。これ以上、あんな所にいられるもんか。

仲間が全員出てきた時、食堂でどよめきが起こった。多分、二人が掴み合いの喧嘩に
なりかけたんで、B棟の奴らが二人を押さえ込んでいるのだろう。
(馬鹿二人が…)
そう思った。
しかし、高槻の台詞じゃないが、俺に奴等を馬鹿呼ばわりする資格があるのだろうか。
俺達だって、あいつの言葉に何一つ気のきいた返事を返せなかった以上、十分に馬鹿
じゃないか。

…結局、皆が皆、馬鹿なんだろうな、きっと。

(続く)

***

あとがき

犬「…うーん、なかなか上手くいかんもんだ…」
巡回員「どうしたんだ?小説の事か?」
犬「それもあるが、今、設定資料集を見ながらイラストを描いているんだ」
巡回員「ほう、どれどれ…あ、なるほどね。こりゃ駄目だ、人に見せられん」
少年「なあに?」
巡回員「ああ、お前は特に見ない方がいい」
少年「…何だい、その妙な笑みは…ちょっと見せてくれないか、犬」
犬「わー、駄目駄目、見るんじゃない」
少年「そんな事言わずに…わっ!何だよこれっ!?」

犬の机の上には、設定資料集の郁未×瑞佳の表紙を模した、少年×氷上のイラストや、
女物の服を着た少年のイラストとかが何枚か描いてあった。

少年「よくもこんなもん描いたな!あ、こら!逃げるなっ!」
犬「だーってー、本格的に長編小説書き始めたからさー、悪魔の少女とか大人とかの
    ラフがイメージとして必要だったんだよー!」
少年「それじゃ、このホモっぽいのは何なんだよ!」
犬「そ、それは知人の女流同人作家さんに、スケブのお礼にプレゼントと思って、
    結局没にしちゃった奴だよー!」
少年「とにかく、待てー!」

少年と犬、追いかけっこ。

巡回員「やれやれ…慣れない事はするもんじゃないな。まあ、それはそれとして、
        <月とネコキャット団・2>の感想を下さった皆様に、感謝だそうだ」

***
感謝のコーナー

○北一色さん
「髭先生の華麗な生活」
学級閉鎖…何て甘美な響き。そして、何で僕は一度も経験した事がないんだあー!?
…失礼、私情でした。髭先生、アバウトすぎて逆に好きです。
感謝・<ネコ>はテンション高い高い病(いわゆる躁病)で書くとイイ感じに書き
      上がるのです。10話は軽く越える予定ですが、この年でそんなに躁状態に
      ばっかりなれるかどうだか心配です。それに、躁状態だと今度は<怠惰>が
      書けなくなってしまうのがデメリット(苦笑)感想、ありがとうございます。

○壱弥栖さん
「感想〜浩平とNTとザッキーと〜」
ネタ、分かりません。ごめんなさい。
感謝・あとがきは私情たっぷりで失礼しました(苦笑)感想、ありがとうございます。

○いばいばさん
「みさきリフレイン(2)」
あれ、前読んだ奴は一体どうなって…ああ、時間がやり直しに入ったんですね。
なるほど。どう続くのか、楽しみです。
感謝・猫尽くしの刑は、どんな猫好きでも「これはちょっと…」と引くような内容に
      しました。
      少年「ハアハア…こんなんで、猫嫌い、治る訳ないだろう?」
      巡回員「お前、一体何考えてやがる」
      犬「ぜーぜー…嫌な事(ニヤリ)」
      巡回員(…この野郎は…)
      感想、ありがとうございます。

○矢田洋さん
「やってみよう」
…僕、流行歌、もう少し勉強した方がいいのかなあ。今更YMOが一番好きだなんて、
誰にも胸張って言えないしなあ。
ゲー○ストの事は僕も残念です。彩○の「ホット○ミック3」で、新声社の名残りを
懐かしみましょう。
感謝・楽しんで下さってありがとうございます。次回は…一体いつの事やら(謎)
      感想、ありがとうございます。

○WTTSさん
「密着!人気投票!(第32投稿)」
わーWTTSさんお久しぶりです。あれー、そうか、クラスが妙な事になるのか…
ひょっとして、女性からの投票とかもあったりして(無茶)
感謝・高橋留○子「○んま1/2」ネタですか(笑)ちぇ、折角後で使おうと思って
      いたネタが(嘘)あと、信者の皆さん、完全に「慣れて」ます(苦笑)
      感想、ありがとうございます。

***

犬「まあ、こんな所で今日はお開き!(円楽師匠のモノマネ)」
二人「さようならー」